のぞき込むと、ガラスの中に小さな世界。鎌倉の苔専門店で苔テラリウムを手づくり！

今回教えてくれたのは
大学では苔を含む植物の生態を学んだ園田純寛さん。メーカーでの研究職を経て独立し、「苔むすび」としての活動を開始。「小さな緑との暮らしが見つかる場所」をめざし、苔の販売、苔庭の作庭に携わるほか、苔テラリウムづくりと育成技術の指導にあたっています。

古民家を改装した静かなアトリエには苔アートがずらり

丸くてかわいい苔の盆栽から、ガラスの中で小さな森を形作る苔テラリウム、レンガに苔を這わせて街で出会う風景を再現したかのような苔の壁など、アイデアあふれる苔作品が並び、まるでひらめきの宝庫。

小さなフィギュアで物語仕立てにしてある苔テラリウムもあり、苔で表現できる世界の広さにびっくり！　小さくても色や形が違う苔の魅力に引き込まれ、創作意欲がどんどん湧いてきます。

店内に展示された苔テラリウムは購入もできるものも。

さっそく苔テラリウムづくりのワークショップを開始！

今回使うのは、直径約8cm、高さ約14cmほどのガラス容器。その中に好みの苔をえらんで植え付け、さらに石や砂などで変化をつけて、オリジナルの小さな苔の世界を表現してみます！

材料も道具も必要なものはすべて用意されていて、手ぶらで参加できるのも、このワークショップの人気の秘訣。

まずは知っているようで知らない苔の生態についてのお話から。苔は花や種をつけない、根から水分を吸収するわけではないなど、目からウロコのお話ばかりで、知的好奇心を刺激されます！

苔への探究心が高まったところで制作に入りましょう！　ベースになる土を入れ、平らにならします。実はこのガラス瓶、苔の育成に適した環境を考えて作られたオリジナルなんです。

次に、テラリウムの要となる石を配置。石は小さな世界をより立体的にし、まるで山や野原のようにリアルに演出してくれます。茶系ならナチュラル、黒系ならモダンな印象に。完成をイメージしながら、お気に入りの石を並べて。

場所が決まったら、土を足します。地面に角度をつけて高低差を作ると、変化が出て面白くなるそう。小さいけれど、自分の思い通りに世界の土台を形作るなんて、初めての経験で楽しい！

サラサラの土ですが、水を垂らすとしっかりと石を固定してくれます。まさに雨降って地固まる！ではいよいよ苔の植え付けです。

今回使う苔は4種類。街中で見かけるような平らなタイプから、木のようにまっすぐ伸びたものなど、同じ苔でもこんなに形が違うんですね。色味も少しずつ違うので、組み合わせ次第で表現のバリエーションも広がりそうです。

まずは背の高い「ヒノキゴケ」から配置。高さを揃えて４、５本まとめて植えます。「これは新芽なので混ぜて植えると成長が楽しい」など、苔の特徴を活かした植え方をどんどん教えてくれます。

同じ長さにカットしたら、苔の根元とピンセットの先の位置を揃え、土にまっすぐサクッと差して植え付け。

最初はおそるおそるでもすぐにコツが掴めて、小さな世界に苔を増やす楽しさに没頭！　バランスを見ながらどんどん植え付けて。

小石を追加すると地面に変化が付けられます。小さな世界がどんどんリアルに変身していく様子にワクワクします！

ジオラマ感を出すには、別売りの小さなフィギュアを足すのもおすすめです。編集部はシカをチョイス。置いてみると、まるで森に囲まれた渓谷で静かに草を食べているよう！　フィギュアはほかにも、ヒツジやクマなどの動物や色鮮やかなキノコ、いろんなポーズの人物も。フィギュアの数だけ物語が生まれます。

植え終わったら、先生のチェック。「ここを低くしたほうがバランスが良くなりますよ」と調整してもらったら、格段に素敵な世界にグレードアップ！

世界にひとつ！わたしの苔テラリウムが完成！

ガラス瓶のなかに広がる苔の世界。表情豊かな苔の佇まいに、いつまでも眺めていられそう…。

ご一緒した皆さんの作品と一緒に。小さな器の中にも個性が光ります。

まとめ

わかりやすくコツを教えてもらえ、充実した2時間に。手入れの仕方も教えてもらえるので、持ち帰ったあとも安心。鮮やかな緑はインテリアに変化を与えてくれるうえ、眺めていると、静かに息づく苔の世界に癒やされます。ゆっくり変化していく苔は、小さいけれど表情豊かで楽しさも。苔テラリウムのワークショップで、癒やしの世界を作ってみませんか？

今回教えてもらったのは…

• 苔むすび
• 住所　神奈川県鎌倉市由比ヶ浜2丁目4−22
• 営業時間　11:00~16:30
• 定休日　金曜日、月曜日（祝日を除く）臨時休業の場合あり。事前連絡推奨。
• 問い合わせ
• 090-3008-5636
• http://www.kokemusubi.com