家の周りの木を伐採したことで、室内外が明るくなった山の家。電波も良好になったのでは? と、BSアンテナを取り付けてみました。受信状況は良好、なのにテレビが映らない……いったい、なぜ?
春が来て、サマーハウスもオンシーズン

信州の里山にも、春がやってきました。写真は、このGWに撮影。山のわが家に向かう途中から眺めた八ヶ岳です。やっぱり山はいい! きれいな空気がごちそうです。
前回、サマーハウスで「冬」を過ごすことはできる?でも書いた通り、「もっとたくさん来て、冬も利用するぞ!」という気持ちだったのですが、正月以降、家族が順番にインフルエンザにかかってしまうなど予想外の事態が重なり、結局、一度しかウインターステイできませんでした。春も何かと忙しく、久しぶりにセカンドハウスへ行ったのは、4月の頭。水道の開け閉めもなんとかこなして、2025年、二拠点生活の再スタートです。
モバイルプロジェクターというギアの登場

第五回の、二拠点生活あるある! 電波の弱い山の上。テレビとネットはどうする問題では、テレビを諦め、ノートPCのモニターで、TVerやダウンロードした映像コンテンツを観るということにした……ということを書きました。
セカンドハウスでは、スマホのテザリングを最大限活用して、朝はradikoで地元のFMラジオを聴き、夕飯の後には家族3人肩を寄せ合いながら小さなノートPCの画面でドラマを観る、ということをやっていたのですが、やっぱりなんとも不便です。
すると、このコラムを読んでくれた友人が「これが一つの解決策になるのでは?」と、モバイルプロジェクターを持って遊びにきてくれました。
これ一台あれば、Youtubeほか各動画サービスの映像を大画面で見ることができるとのこと。Wi-Fiがないので不安でしたが、スマホのテザリングで利用できるかどうか確認してみると、思いの外サクサクつながることがわかりました。

NEBURA Cupsuleというモバイルプロジェクター(現在このモデルは販売終了)
夕方、日が落ちてから、2階のゲストルームに置いて壁面に映写してみました。
「大画面だ!」と息子も大喜び。映画は特に見応えがあります。東京の家はモノが多く、プロジェクターで投影できる壁のスペースがないので、とても新鮮に感じました。

「新しいモデルを買う予定だから、このモバイルプロジェクターを置いていこうか?」
そう申し出てくれた友人の好意に甘えて、安価で譲ってもらうことにしました。
Bluetooth機能もあり、音質も良いので、日中はこれをスピーカーがわりに使っています。新しいギアの登場で、セカンドハウスライフはますます楽しくなりました。

リビングでも、プロジェクターが使えます。食事中は、ミュージックビデオを流すのが息子のお気に入り
それでもやっぱり、テレビが観たい!

GWとはいえ、やはり山の上はまだまだ寒さを感じます。
夜になると暖房が必須。石油ファンヒーターの前が、ゴン太のお気に入りスポットです。
さてモバイルプロジェクターは持ち運びも便利で、とても使い勝手がよいのですが、一つだけ弱点があります。それは、「薄暗くないとよく見えない」ということです。 つまり、映像タイムは夕方以降に限られます。
朝から晩までテレビがついている、だらしないわが家。どうしても明るい時間から、テレビ画面で情報を得たいという希望を捨てることができません。
すると、リフォームを担当してくれたハウスメーカーのIさんが、「これだけ家の周りの木を切ったのですから、アンテナをつけてみたらどうですか? BSなら、うまくすればこのエリアでも受信できるかも」と提案してくれました。
なるほど、BS!
考えたことがありませんでしたが、ナイスアイデアだと思いました。
そもそも私たちは「何が観たい」というものは特にないのです。画面にオンタイムで何かが映っているという安心感がほしい、それだけなので、地上波でなくともまったく構いません。
「もし、受信状況が悪かったら、アンテナは持って帰ります」とIさん。なんと優しい……。
Iさんに家の鍵を預け、不在時に工事を行なってもらいました。
すぐに連絡があり、「受信状況は上々」とのこと。
「よかったですね、これで山の上でもテレビを楽しんでみてください!」とIさんからのメッセージ。
そしてGW、ワクワクしながらセカンドハウスへ向かいました。
到着するやいなや、息子がさっそくリモコンで電源をON。
ところが……画面には「現在電波を受信することができません」と出てしまうではありませんか! ガーン!! 何度再起動しても、同じ表示です。
この短い期間の間に、受信状況が変わってしまったのだろうか。
肩を落としていると、妻が言いました。
「これさ、ケーブルがないだけじゃない?」
「え?」
テレビの裏面を見ると、確かに、電源コンセントは挿さっていますが、アンテナケーブルがありません。Iさんからも連絡があり、「工事のときは電気屋さんのケーブルを利用して確認していたので、ご自身でケーブルをご用意ください」とのこと。
なーんだ、そうか。
思い起こせばセカンドハウスを利用しはじめたころ、テレビが繋がるかどうかを試してみたときに買ったケーブルは、用がないと思って転売してしまったのでした。
翌日、家電用品店でケーブルを買い、山の家に戻って「テレビ点灯式」を実施。
「やったー!!」
無事にテレビが映ったとき、家族みんなで拍手してしまいました。

BSでは、懐かしいドラマや、古いバラエティ番組がいろいろ観られます。野球やバレーボールなど、スポーツの試合が観られるのもいいところ。
こんな小さなテレビですが、「外界と繋がっている感」が得られる、わが家にとっては大切なアイテム。夏の間はもちろん、これからはなるべく長くセカンドハウスで過ごしたいと思っているので、この存在はとてもありがたいと感じています。
テレビのない世界で、読書三昧。が、もちろん理想なのですが、カッコつけても寂しかったら仕方がありません。自分の欲望に正直に、無理なく楽しむのが、二拠点生活のコツだ……ということに、しておこうと思います。