こんにちは。ライター佐藤望美です。
私のコラムは「暮らしにつながる旅」をテーマにお届けしています。今回は東京のど真ん中、銀座で見つけた素敵なホテルをご紹介したいと思います。

佐藤望美

佐藤望美

ライフスタイル全般を手掛けるエディター・ライター。インテリア、整理収納、家事のコツ、ミニマリスト関連の書籍も数多く編集、執筆。トラベルエディターとして子連れ旅情報をまとめたWebマガジン「FOOTABY!」を運営中。

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「ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座8」で、視覚情報を極限まで削ぎ落とした客室に泊まる

今回、宿泊先に選んだのは「ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座8」。

場所は銀座の一等地。右奥に見える赤煉瓦の建物は資生堂ギャラリーです

場所柄、そして為替の影響で外国の宿泊客が多め。いわゆるブティックホテルという位置づけで、内装もとにかくこだわりが満載です。

チェックインしたのはコンセプトルーム「CREATOR’S STAY」。

このホテルは通常の客室とは別にコンセプトルームが2部屋あり、ここはそのうちの1室。クリエイターが憧れる旅先での滞在を表現した「クリエイターズ・ルーム」というコンセプトでデザインされたそうです。

写真でも分かる通り、とにかくシンプルで無駄のないデザイン。生活感をなくし、視界に入りうる情報をできるだけとり除いているのがよく分かります。

上の写真で右側に写っているTVボードは、開くとデスク&収納スペースに早変わり。

パソコンを置いて仕事するのにぴったり(本当はしたくないですが)。目に入るとゴチャゴチャしがちなカップ類もこの中に収納されています。

クローゼット側はどうなっているかというと、グレーカーテンの奥にすっきりと集約。

冷蔵庫や金庫もこちらにまとまっていて、体を休めるスペースからは視界に入らないようにするという徹底ぶり。

私はホテルに泊まるとき、取材でもプライベートでも客室の写真を撮っています。たいていの場合モノを動かしたり、館内の案内書類やレストランのPOPを移動したりしてきれいに見えるように調整する作業が欠かせません。でもこのホテルではその工程がいっさい不要。何も触らず、ありのままを撮ってこのシンプルさです。まるでミニマリストの部屋のようです。

壁も見ての通り、エアコンやライトのスイッチも、表立って見えにくいよう配慮されています。

ここで一晩過ごして実感しましたが、やはり情報は少ないほど脳に優しい! 日常でいかにたくさんのモノに囲まれているかを痛感しました。ホテルの立地を考えれば、それもまた納得。色彩豊かでエネルギーを享受する銀座の街を歩き、客室に戻ってその昂った気持ちを落ち着かせる。まさに静と動のバランスを大事にしてつくったホテルなのだなぁと実感しました。

毎日の暮らしもきっと同じ。私自身ミニマリストに振り切ることは難しいけれど、このバランスを意識するだけで家はもっと心地よくなりますね。

このコンセプトルームでのインテリア小物は、ドライフラワーとカセットレコーダーのみ。ペンダントライトの光がいいアクセントになっていました。やはり空間には対比が必要ですね。他に何もないからこそ、このコーナーが引き立つ!

館内アートも必見。ずっと居たくなる快適ラウンジもありました

客室は基本シンプルなのですが、館内にはアート作品が点在しています。レセプションには、アーティスト集団Chim↑Pomによるシリーズ作品「It’s the wall world」が。

世界のさまざまな場所をパズルピース状に切り取り、レセプションの壁と交換してはめ込んでいます。松の垣根、ある邸宅の屏風、廃校になった学校に置かれていた黒板、屋根の一部など場所も素材もさまざま。パズルピースに旅をさせるなんて、面白い発想です!

こちらは2階にあるキャンバスラウンジ。

1950〜60年代のミッドセンチュリーのヴィンテージ家具が贅沢に配置されています。

宿泊者なら誰でもいつでも使用OKで、仕事したり待ち合わせしたりと自由に使われている様子でした。もっと広いスペースなのですが、常に誰かがいる状態で全体の写真を撮れなかったのが残念!

個人的にとても気になったコーナーはこれ。

棚にひもを吊るし、本を引っ掛けて収納するラックです。読みかけの本って置き場に困るなぁと悩んでいたことがあるから、近いうちにり入れたい! 日本にはないシステムだと思うので英語で検索してみたら、「Hanging book rack」でヒットしましたよ。

ワーキングスペースは、深緑のヴィンテージっぽいタイルが洒落ています。この色使い、何かの機会で真似したいところです。

ラウンジに隣接したミュージックライブラリーは、宿泊者が自由にレコード鑑賞できる場所。

この壁の一角にはハンク・ウィリス・トーマスの「NOW AND THEN / THEN IS NOW, 2017」がさりげなく飾られていました。角度により見えるメッセージが変わるアートです。

ホテルステイのハイライトのひとつは、やっぱり夕食。ビル最上階のレストラン「Opuses」にて。

銀座なので食事の選択肢は外に山ほどあるのですが、私は基本的にホテルで食べるのが好きです。客室にすぐ帰れるのもいい!

全7品のデキュスタシオンコースは、産地直送の魚介が多めで私好みでした。

朝食は和洋とベジタリアンから選べましたが、安定の和食で。

テラス席もあるので、気候がよければ外でいただくと気持ちいいですね。

今回のホテルステイでは、館内アートで目の保養をさせてもらっただけでなく、「今すぐ帰って家のモノを減らしたい!」という衝動に駆られる新感覚の滞在でした。

首都圏の人だけでなく、それ以外の地域から東京に遊びに来るという人にとっても、「銀座に泊まる」という発想はあまりないかもしれません。でも銀座は東京駅に近く、道が平坦で分かりやすいエリア。実は観光客向きだし、それ以上にインテリア好き、片づけ好きの方にはぜひおすすめしたいホテルです。海外の友人にもここを紹介しようと思うくらいお気に入りになりました!

それでは、また次回お会いしましょう。

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