第10回目は、フォトグラファー木村和敬さん(@kazutaka.kimura)一家が暮らす中古物件を訪ねました。前編に引き続き、物件選びのエピソードやインテリアのこだわりについてお届けします。前編はこちら
ツレヅレハナコさんプロフィール

食と酒と旅を愛する文筆家・料理研究家。書籍、雑誌、WEBなどへの寄稿やレシピ提案だけでなく、調理器具のプロデュースなども手掛ける。『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)『まいにち酒ごはん日記』(幻冬舎)、『世界の現地ごはん帖』(光文社)、『47歳、ゆる晩酌はじめました。』(KADOKAWA)など著書も多数。
https://www.instagram.com/turehana1
木村さん宅のプロフィール

住まいの種別:中古住宅
築年数:15年(居住年数1年半)
地域:神奈川県
床面積:約92㎡
施工会社:なし
間取り:3LDK
家族:妻、娘(3歳)
不動産会社との相性は大きなポイント。「この人から買いたい」と思えるかどうかが大事です
木村さん(以下木村):物件のリサーチは自分たちで進めたのですが、担当してくれた不動産会社の方と相性がよかったことは、僕たちにとって大きなポイントだったんですよ。
ツレヅレハナコさん(以下ハナコ):そうなんですか! どんな部分でそう感じられたんでしょうか。

木村:観葉植物のショップを併設している不動産会社で、そのセンスに惹かれました。僕たち夫婦と好みが合いそうだなと。インテリアに関しては二人ともこだわりが強いほうです。そこに共感してくれる担当者さんだったことで「この人から買いたい!」と思ったし、ストレスなく、無理のない購入ができたと思います。
ハナコ:理想の家づくりに、やはり不動産会社との相性は必須なのですね。この連載でも多くの方がそうおっしゃっています。
こだわりが強めの設備や建具。その分、今後のメンテナンスは大変になるかも
ハナコ:各部屋を拝見していると、インテリアやディスプレイにもご夫婦二人の“らしさ”が詰まっていそうですよね。好みは一致しているんですか?
木村:近いと思います。この家の雰囲気は二人とも大好きだし、モノが多いのも共通しています。
ハナコ:私もモノは多いほうです(笑)。この家には例えばどんなモノが?

木村:僕はファッション関連のアイテムとレコードですかね。妻はダンサーなので、同じく衣装持ち。あとは二人とも本が好きです。収納スペースが多いのも、この家が気に入った大きなポイントです。
ハナコ:そういえば、クローゼットの建具は独特ですよね。さすが注文住宅。

木村妻:細かいところまでこだわる家主さんだったようで、輸入パーツなども各所に使われています。でもじつは先日、水栓が壊れてしまって。海外製だったからパーツがもう手に入らないらしく、丸ごと交換するしかないという話になっています。
木村:工事費は想定外の出費だし、しかも新しく提案してもらった水栓はデザインがどうも気に入らなくて…。今は保留にしているところです。でもいつかは決めなきゃいけないですね。
ハナコ:水回りは定期的に何かトラブルが起こる、というのは戸建てあるあるかも。しかも突然だとよく聞くので、私は修繕用のコツコツ貯金をしています。
木村:わが家は既存のものをなんとか修理して使っていくしかないですね。15年経っているので、これからどんどんそういった不具合が出てくる可能性もあります。でも自分たちで選んだものじゃないから、費用やデザインをコントロールしていくのは中古物件の難しい部分かもしれません。
階段下はキッズスペースに。隠れ家のように使っています
ハナコ:おままごとキッチンがかわいい。ここは娘さんの遊び場ですね? 隠れ家感があっていいな〜。

木村:そうなんです。階段下におもちゃを集めてキッズスペースにしました。マンションだと階下を気にしなければならない場合もありますが、戸建てならこどもを思いきり遊ばせられます。おままごとキッチンは偶然、幅がぴったりだったんです。
ハナコ:カーテンをつけているから、多少ごちゃついてもリビングが隠れていいですね! あれ、もしかして暖簾ですか? 居酒屋さんみたい(笑)。

木村:このキッチンはおつまみメニューが出ます。僕、ウイスキーが大好きで!
ハナコ:そういえばキッチンにもウイスキー大ボトルとディスペンサー、ソーダストリームがありましたね。うちにもこれ、あります。大きいけど、1本1本買うよりコスパがいいんですよね。どうせ全部飲むし(笑)。

木村:このウイスキーコーナーはDIYしました。少しでも隠せるようにと(笑)。
ハナコ:おぉ、すごい。インパクトありますね!
木村:この家は大きなリノベはせず基本的に購入時のままなのですが、棚はいくつか自作しました。洗濯機横の棚がそうです。

木村:階段は、こどもが柵のすき間から落ちないように自分でネットを設置。少しずつですが、小さなDIYでさらに住みやすく、心地よくしていきたいと思っています。
ハナコの取材後記
中古戸建の取材は今回が初めて。注文住宅やリノベと違って、すでに出来上がっている状態の家を買うときのポイントがよく分かりました。好みにぴったり合う注文住宅の中古物件なら、自分で建てるのと同じくらい満足度も上がりそうです。今日の学びはもう一つ。「なぜか気が乗らない物件はやめておいたほうがいい」。私のときもそうでしたが、ある意味これは真実かも?