ポットの中で窮屈になったグリーンたちを植え替えるなら、季節的にも今がチャンスです。でも、ビギナーにとって「植え替え」はちょっとハードルが高いもの。「コツさえつかめば、簡単ですよ。真夏が来る前に植え替えて、グリーンたちを成長させてあげましょう」。工房「グレナトレド」の新井奈緒子さんが、植え替えレッスンをしてくれました!
根が溢れ、土が固くなったら植え替えのサイン
グリーンショップやホームセンターで売られている小ぶりなグリーンは、だいたい育苗用のポリポットに入っています。工房グレナトレドでも「買ったら、すぐに植え替えた方がいいの?」とお客様によく聞かれます。
成長の早い野菜や花などとは異なり、強めの観葉植物なら、ほとんどのグリーンが、ギリギリまでポリポットのままで大丈夫。私もポリポットごと、鉢カバーに入れています。
しばらく育てていると、表面の土がどんどん硬くなってきます。ポリポットの裏側から見てみると、穴から根がたくさん出ていることも。ここまで育っていると、「窮屈だよ」というサイン。ぜひ植え替えをしてあげてください。
植え替えは、「ひとまわり大きな器で」「土はギューギュー押し込まない」がお約束
「植え替え? 難しそう!」
まあ、そう言わず。こどもたちがどんどん成長をしているのに、サイズの小さな服を着せ続けるのは酷というもの。グリーンだって、同じです。器を変えて、のびのびと根を広げさせてあげましょう。
STEP1 新たな器を用意する
まずは、これまで入っていた器よりも、ひとまわり大きなものを用意します。
もっと大きな器でも構わないのですが、見た目のバランス的にも、ひとまわり程度でOK。
底に穴のあいた器に鉢底石を入れて、水を流れ出やすくします。市販の鉢底石は大袋で販売されていることが多いので、あまり使わないという人は、キッチン用のネットに発泡スチロールを入れたものや、ココナッツファイバーで代用できます。
STEP2 新たな鉢に培養土を敷く
その上に、少し培養土を入れます。
観葉植物用の土なども販売されていますが、ホームセンターで売っている一般的な草花用培養土で十分育ちます。
STEP3 古い鉢から植物を取り出し、根をほぐす
ポリポットからグリーンを出したら、少し根っこをほぐします。触っていて、自然と離れる古い根っこは取り除いて大丈夫。根に絡まった土はある程度残したまま、根を巻いて形を整え、ポットの中に入れ、培養土を加えます。
STEP4 植え替える高さを調整する
入れる位置は、下すぎても上すぎてもNG。器のちょうど中心にくるように位置を決めて、仮押えをするようにして土を入れていくのがコツです。
下すぎると不恰好に、上すぎると水やりの際に水が溢れやすくなってしまいます。
土を入れながら、今度は棒状のもの(私はコンビニなどでもらえるプラスチックのスプーンを愛用しています)で、サクサクと刺して、土が偏らないようにしてさらに入れていきます。たまに器ごとトントンと器の底辺を軽く打ちつけて、土をなじませます。
ただ表面からギューギュー押しても、根の周りにまで土が行き届きません。この「サクサク」縦に入れていく感覚が大事です。グラグラしないよう、支えなくてもキープできるくらいまで。途中の土はしっかりと入れますが、表面になるにつれ、軽めにしていきます。
STEP5 仕上げに水をたっぷりと
土がしっかり入ったら、お水をたっぷりかけます。
上手に植え替えができていれば、挽きたてのコーヒーのようにふんわりと膨らみ、下から水が出てきます。
土が下まで行き渡らず、表面だけに押し込んであると、水をかけた時に土が逆流して溢れてしまいます。
水をかけてみて、凹むようなら、そこに土を足します。
最後に、葉全体に霧吹きをして、植え替えの完成です!
よりおしゃれに仕上げるなら赤玉土などでお化粧を
表面の土の色合いが気になるなら、インテリアになじむように、赤玉土などでお化粧してあげましょう。
赤玉土は排水性をよくするためのもので、培養土に混ぜても使えます。
サイズの大きなグリーンは、「追い土」で様子を見よう
サイズの大きなグリーンが少し元気がない、という時に「植え替えは必要ですか?」と相談されることがあります。植え替えのタイミングだと判断したらすぐに対応するのですが、そうではない場合もあります。
種類によっては、元気がなくなる原因も違いますし、植え替えをすることで逆にショックを与えてさらに弱らせてしまうということがあるからです。
こんなときは、すぐに植え替えるのではなく、少し土を足してみましょう。
表面に1、2cmくらい「追い土」をしたら、仕上げにたっぷりとお水をあげて。
それで1シーズンほど様子をみて、それでもだめなら植え替えを検討するか、購入した店舗などプロに相談することをおすすめします。
植え替えするほどではないけれど、もう少し元気よくさせてあげたい、そんなグリーンがあれば、ぜひ試してみてください。
ちょっとしたことで、生き生きと葉を繁らせてくれることもありますよ。