いよいよ夏本番。暑さも湿気もどんどん厳しくなる日本の夏ですが、涼しげなインテリアグリーンの力を借りて、元気に乗り切りましょう。これから新たに迎え入れるなら、トレンドのこんなグリーンたちを選んでみてはいかがですか? おすすめしてくれるのは、工房「グレナトレド」代表、新井奈緒子さんです。

新井奈緒子

新井奈緒子

「グレナトレド」代表。グリーン・コーディネーター、デザイナー。横須賀市にある工房では、アレンジや寄せ植えなどさまざまなレッスンを、また各地でワークショップを開催。個人宅から、都内のインテリアショップまで、室内外のグリーンコーディネートを幅広く手がける。

https://www.grena-tred.com/

2024年夏のトレンドグリーンコレクション!

全国的に梅雨入りして、厳しい夏は目前です。ご自宅のインテリアグリーンたちの調子はいかがですか? 湿気が多いので、根腐れに気をつければ、イキイキと育ち、新芽が出る頃でもあります。

室内に状態のいいグリーンがあれば、それを眺めるだけで元気になりますよね。熱中症や夏バテなど、年々過酷になる夏を快活に過ごすためにも、ぜひインテリアグリーンを取り入れていただきたいと思っています。

毎年、グリーンにもさまざまなトレンドがあります。今回は、私の工房でも人気が高い、注目のグリーンたちをご紹介します。

ユニークな形を吊り下げて楽しむ「バンダ」

扇を開いたような形が楽しいバンダはランの一種で、東南アジア原産の多年草。鉢植えもありますが、吊り下げの形が人気です。これまではあまり流通することの少ないレアな品種でしたが、このところの蘭ブームも相まってか、ここ数年でよく見かけるようになりました。

花の色や形が異なる種類がいくつかありますが、どのタイプもバカンス感があり、夏のインドアグリーンにはもってこい。根っこも重要な鑑賞ポイントです。
空中湿度を好むので、近年亜熱帯化が進む日本では、ますます増えていきそうです。

育て方は、柔らかい光がさす風通しのいいところに吊るして、毎日霧吹きで加湿を。
直射日光に当ててしまうとシミができやすいので気をつけてください。
成長はとてもゆっくりです。今の季節は心配がありませんが、寒さには弱いので、冬場は気温の変化に注意が必要です。

日本に分布するオシダ「ナガサキシダ」

日本と中国中南部原産のナガサキシダは、九州から本州にかけて分布している常緑性のシダです。

低い山の岩陰などにひっそり生えていて、あまり目立たない存在ではあったのですが、葉の形状もよくよく見ると個性的。こうしてポットに合わせてみると、なかなかかわいいではありませんか。

半日陰で多湿な環境を好むので、日当たりの悪い場所でも大丈夫。
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。

水切れ注意! ゼンマイのような「リュウビンタイ」

リュウビンタイは、伊豆や紀伊半島などに自生するシダ植物です。大型のものが知られていますが、こうしてゼンマイの新芽のように小さな鉢が最近よく出回っていて、工房でもとても人気があります。

室内の明るい日陰に置いて、夏の間は毎日たっぷりと水やりをしてあげます。
水切れすると、パタンと倒れてしまうので、とてもわかりやすい。倒れてからすぐなら、水をあげれば復活しますが、何度も水切れを繰り返すと弱ってしまうので、注意が必要です。

私は夏の間はリュウビンタイのそばに水差しスポイトを置いて、こまめにあげるようにしています。

夏の花火のような「アクティニオプテリス オーストラリス」

イノモトソウ科のアクティニオプテリス オーストラリス。流通量が少ない、珍しいシダ植物です。

なんといっても、この葉の形がかわいいですね。ぱっと開いた花火を思わせます。
かなり乾燥が苦手で、水切れするとすぐに弱ってしまいます。毎日の霧吹きはもちろん、土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。
半日陰を好みますが、ある程度日光は必要。様子を見ながら場所を決めてあげるといいと思います。

同じ種類をまとめて大皿に配置してみると、なかなかの存在感。

こうして大小いくつか異なるグリーンをまとめて置くのも素敵です。
夏にぴったりのグリーンたち、ぜひ見かけたらおウチにお迎えしてあげてくださいね。

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