藤原千秋

藤原千秋

「家のなか」の事をテーマにウェブ、雑誌、書籍、新聞等で執筆。大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。『きほんから新発想まで 家事ずかん750』(朝日新聞出版)等、著監修書多数。2020年より東京中日新聞にてコラム『住箱のスミ』連載中。2018年よりTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月1レギュラー出演中。

https://allabout.co.jp/gm/gp/31/

3月5日-3月19日は「啓蟄(けいちつ)」。冬の間閉じこもっていた虫たちが土から出てくる頃

「啓蟄」の「啓」は開く、「蟄」は閉じるという意味で、それまで閉じていたものが開く頃がこの時期です。
それまで閉じていたものとは…ズバリ虫!
春の陽気に寄せられて、虫たちがいよいよ動き出すのがこのタイミングなのです。
まだ虫たちも起きがけで、活発ではないこの時期を狙って、害虫対策掃除をしてみましょう。

3月上旬の暮らしデータ

●平均気温 7.9℃
●平均降水量 45.1mm
●相対湿度 58%
出典:気象庁ホームページ

ベランダの虫対策。甘い香りの洗濯洗剤・柔軟剤は避けるが吉

ベランダの洗濯物を取り込もうとしたら、ふわ〜っとコバエも一緒に室内に入ってきた!
そんな経験をお持ちの方は多いはず。

洗濯をして清潔な香りのする衣類には虫は寄り付かないはず…というのは幻想です。
最近の洗剤や柔軟剤は、フローラル系やフルーツ系の甘い香りが多いですよね。虫はこの香りに引き寄せられ、洗濯物自体にくっついてしまうんです!

こちらは「ヤシノミ洗剤」の洗剤と柔軟剤。どちらも無香料で、虫が好きな要素を取り除いています。
このような無香料洗剤にするか、ミント系・ラベンダーなど虫が好まない香りに洗剤を変えてみるだけで、コバエやハチなどには効果的。洗剤だけではなく、クローゼットのサシェなどもハーブ系の香りを意識すると、外出先で虫に絡まれることが激減!

キッチンのG対策。ビン・カンの扱いは特に注意

キッチンあたりで遭遇率が上がるのが、あの黒光りする虫「G」です。
Gは越冬することができ、この時期から活発に動き始めます。産卵は6月なので、啓蟄の頃から動き出すのは成虫して越冬もした立派なG!
この時期から対策することで、なるべく遭遇率を下げたいものですね。

ご存知の方も多いように、Gはビールが大好物。もともと熱帯・亜熱帯の森林に棲んでいた彼らは、甘い果物の腐敗した匂いを好む傾向があります。そして、すすがないビール缶はまさにそんな香りを出してしまうのが原因なのだとか!
生ゴミには注意をしていた方も、空き缶には油断しがち。啓蟄を過ぎたら飲み終わったビール缶のすすぎはしっかりと。水ですすいだらしっかり水切りをして、完全に乾いた状態でゴミ箱に捨てることで、遭遇率を下げることができるでしょう。

ゴミ捨ての時に虫に遭遇…というのもあるあるのシチュエーション。甘い香りが染み付いたゴミ箱自体を、揮発性が高く殺菌効果のあるエタノール拭きあげるのをゴミ捨て日のルーティンにするのも効果的です。

人間同様、虫も玄関から堂々と入る!? 虫侵入を防ぐ玄関の工夫

虫は下水管や窓の隙間からも入ってきますが、人間同様、玄関から堂々と入ってくるパターンも意外と多いのです。
身を隠すのが上手なGなどの「這う虫」対策として、玄関には徹底してモノを置かない、というのも対策の一つです。

どっしり置かれてなかなか動かさない傘立てや、こども用の自転車、スリッパ立てなどは格好のGの隠れ場所です。
靴は靴箱にしまい、傘もなるべく床から上げて、床置きをしない工夫をしてみましょう。砂埃などの掃除もしやすく、一石二鳥です。

この時期にできることをしておくことで、本格的に彼らが動き出す季節に安心した暮らしを送れるはず。今この機会を逃さないで!

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