10月23日〜11月6日は「霜降(そうこう)」 秋が深まり、冬の気配を感じる頃
霜降とは、朝晩の冷え込みで霜が降り始める頃という意味。木々の葉は色づき、秋が深まりを見せる時期です。日中の気温差が大きくなり、空気も乾燥し始めるため、肌のカサつきや喉の不調を感じることも増えてきます。
まだ毎日使うわけではないけれど、冬に向けた暖房器具や加湿器の準備を始めるならこの時期がベスト。特に加湿器は、長期間しまい込んでいると内部にカビや細菌が繁殖していることも!本格的な乾燥シーズンを迎える前に、しっかりとお手入れをして清潔な状態にしておくことで、本格的な冬を余裕を持って迎えられるはずです。
10月下旬の暮らしデータ
●平均気温 16.2℃
●平均降水量 61.3mm
●相対湿度 68%
出典:気象庁ホームページ
持っているのはどのタイプ?まずは昨年使った加湿器を取り出してチェック
本格的な乾燥シーズンを迎える前に、まずは加湿器の仕組みとお手入れのポイントを理解しておきましょう。加湿器のタイプによって、衛生リスクやお手入れ方法が大きく異なります。
知っておきたい加湿器のタイプ別・衛生リスクの違い
一口に加湿器といっても、水を空気中に放出する方法には「超音波式」「スチーム式(加熱式)」「ハイブリッド式(加熱気化式)」「気化式」の4種類があります。それぞれ加湿能力や電気代だけでなく、お手入れの方法や、手入れを怠った場合の衛生的なリスクも異なるのです。
●超音波式
リーズナブルな価格で手に取りやすいタイプ。水蒸気ではなく水の粒子をそのまま放出するため、加湿器の「水タンク」や「トレー」「フィルター」といった部分の手入れが行き届きづらく、細菌が繁殖してしまっている場合、その細菌ごと空気中に漂わせてしまうことに。衛生管理には特に注意が必要。
●スチーム式(加熱式)
パワフルな加湿力が魅力のタイプ。水を加熱して蒸気にするため、衛生面での懸念はさほどありません。ただし、加熱部に水に含まれるミネラル分(カルキなど)が石化しやすく、それが溜まると掃除が難しくなります。
●気化式
フィルターに水を含ませて加湿するタイプ。フィルターのお手入れを心がけて。
加湿器のお手入れ方法① 毎日の習慣に。水タンクは給水のたびに軽く洗う
水タンクは給水の都度、軽くでも水洗いすることが大切です。これだけで、ヌメり(細菌の塊)を発生させにくくすることができます。毎日のこととなると面倒と感じるかもしれませんが、毎日の習慣にしてしまえば、手間も時間もほんの数十秒。この小さな積み重ねが、清潔な空気を保つ秘訣です。
加湿器のお手入れ方法② 石化した汚れもスッキリ。クエン酸水で洗浄
タンクやフィルターなどの部分洗浄には、クエン酸水を使いましょう。石化した汚れを溶かしながら落とすことができます。バケツや洗面器にぬるま湯を張り、クエン酸を溶かしてフィルターを浸け置きするだけ。タンクならそのままクエン酸水を入れるだけ。30分〜1時間ほど放置した後、軽くすすげば驚くほどきれいになります。

カルキやホコリが溜まった加湿器

クエン酸水を入れると汚れが浮き出してくる!

30分でこんなにサッパリ!
加湿器のお手入れ方法③ 取り外せない部分は消毒用エタノールで清拭を
取り外せないトレー部分などは、消毒用エタノールで清拭すると細菌繁殖やカビの発生を抑制できます。スプレーして清潔な布で拭き取るだけでOK。手が届きにくい部分も、綿棒などを使って丁寧に拭き上げましょう。
本当に加湿が必要?相対湿度40%を目安に
「なんとなく肌がカサつく」「起き抜けに喉が乾いて咳が出る」といった体感から加湿を始める人も多いのではないでしょうか?
でも実は、住まいという空間においては、水分を与えてよいことはあまりありません。必要以上の加湿は住まい内部に結露を生じさせ、ダニやカビを発生させるなど、衛生状態を悪化させる原因になるのです。
居間や寝室に温湿度計を設置し、相対湿度で40%を切る程度に乾燥するようになったら加湿を検討しましょう。湿度50%以上あるのに加湿器を稼働させるのは家にとっては少しマイナス。温湿度計で湿度を「見える化」することで、快適で健康的な室内環境を保つことができますよ。
清潔な加湿器で、心地よい冬を迎える準備を
加湿器は冬の快適な暮らしに欠かせない存在ですが、お手入れを怠ると健康リスクにつながることも。本格的な乾燥シーズンを迎える前に、しっかりとメンテナンスをして清潔な状態にしておきましょう。温湿度計で適切な湿度管理をしながら、心地よい冬を迎えてくださいね。