12月22日〜1月5日は「冬至(とうじ)」 一年で最も昼が短い日
冬至とは、一年で最も昼が短く、夜が長い日。この日を境に、少しずつ日が長くなっていきます。
古くから日本では、冬至に柚子湯に入る習慣があります。これは「冬至(とうじ)」と「湯治(とうじ)」の語呂合わせ、そして「柚子(ゆず)」と「融通(ゆうずう)が利く」という言葉遊びから生まれた風習。また、柚子の香りには血行促進やリラックス効果があるとされ、寒い冬を乗り切るための知恵でもありました。
とはいえ、現代の住宅事情では柚子湯は少し難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。柚子の皮や種が配管に詰まる心配もあります。そこで今年の冬至は、お風呂そのものをきれいにする「風呂釜掃除」で、一年の疲れをリセットしてみませんか。毎日使うお風呂の見えない部分まできれいにして、気持ちよく新年を迎える準備をしましょう。
12月下旬の暮らしデータ
●平均気温 6.5℃
●平均降水量 19.3mm
●相対湿度 53%
出典:気象庁ホームページ
風呂釜掃除の方法
追い焚き機能を使っているご家庭では、浴槽のお湯を給湯器に戻して加熱し、再び浴槽に戻すという循環が行われています。この「配管」の中が、実は汚れていることがあるのです。普段は見えない部分だからこそ、年末の大掃除でできる限りお手入れしましょう。
「風呂釜」って、今どきのお風呂にもあるの?
「風呂釜」と言い慣わしていますが、実は今どきのお風呂のほとんどには「風呂釜」らしきものは存在していません。あるのは「給湯器」。その熱源はガス(都市ガス、プロパンガス)のほか、電気、灯油、太陽熱など多岐にわたりますが、浴槽を温かいお湯で満たすための給湯システムである点は共通しています。
とはいえ、旧来の「風呂釜」のような役割がすべてなくなっているわけではなく、一部の給湯システムに備わる、いわゆる「追い焚き」機能というのがそれに当たります。
追い焚きとは、浴槽のお湯を給湯器に戻して加熱、そののち再び浴槽に戻すこと。「お釜」というより「配管」の中で熱源に接し熱せられるので、その管の中が汚れてしまうことがあります。つまり、この「配管汚れ」を「風呂釜汚れ」と呼び扱っているわけです。
まずは確認。あなたのお風呂は「一つ穴」?「二つ穴」?
風呂釜掃除を始める前に、まずは浴槽の穴を確認しましょう。浴槽の側面を見ると、循環用の穴があるはずです。
一つ穴タイプ
穴が一つだけあるタイプ。現代の多くのお風呂がこのタイプです。強制的にお湯を循環させる「強制循環式」で、給湯器は屋外や玄関横など、浴槽から離れた場所に設置されていることが多いです。
二つ穴タイプ
上下に二つの穴があるタイプ。団地や築年数が経ったアパート、戸建てに多く見られます。温度差を利用してお湯を自然に循環させる「自然循環式」で、浴槽のすぐ近くに給湯器(バランス釜)が設置されているのが特徴です。
2タイプの風呂釜がありますが、どちらに使用する「風呂釜洗浄剤」も、主成分はほぼ同じで「過炭酸ナトリウム」です。今回は、現代の多くのご家庭で使われている「一つ穴タイプ」の掃除方法をご紹介します。二つ穴タイプをお使いの方は、市販の洗浄剤パッケージの指示に従って掃除をしてみてくださいね。
用意するものは、市販の洗浄剤or過炭酸ナトリウム
風呂釜掃除(風呂配管掃除)には、市販の風呂釜内部用の洗浄剤、ないしは過炭酸ナトリウム粉末を用意します。通常サイズの浴槽に約200グラムを投入します。
過炭酸ナトリウムは水(湯)に溶けるとき、発泡しながら過酸化水素と炭酸ソーダに分解。その際発生する活性酸素の力で、汚れを分解したり除菌漂白ができます。
●風呂釜洗浄の4ステップ
1.洗浄剤を投入して追い焚き
浴槽の残り湯(穴の上5〜10cm程度)に、洗浄剤を投入します(通常サイズの浴槽で約200グラム、または市販品のパッケージ指示に従って投入してください)。
追い焚き運転をして、しっかり配管内に液剤を通します(10分程度)。
2.数時間放置して、もう一度追い焚き
2〜3時間放置した後、再度追い焚き運転をします。この間に洗浄剤が配管内の汚れを分解してくれます。
3.排水して、すすぎ運転
湯を一度排水した後、再び給湯し、追い焚き運転をしてから排水します。この作業を繰り返して配管をしっかりすすぎます。
4.浴槽も洗って完了
最後に浴槽も洗いすすぎます。これで配管も浴槽もすっきり清潔に。
近年の給湯器では、強い水圧をかけることで、あまり汚れが付着しない工夫がなされています。それでも定期的に洗浄剤を使うことで、より清潔な状態を保つことができます。
徹底的にきれいにしたいなら、専門業者に依頼を
徹底的な配管汚れ対策には、高圧洗浄など可能な業者さんに依頼することが必要になります。また「エコキュート」など複雑な内部構造の給湯器は、そもそも風呂釜洗浄剤を使えないことも。お使いの給湯器の取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせてみましょう。
現代版・冬至のお風呂習慣
柚子湯を楽しみたい気持ちはあっても、配管のことを考えると躊躇してしまう。そんな方は、風呂釜掃除で一年の疲れをリセットする、現代版の冬至習慣を始めてみませんか。見えない部分までしっかりお手入れすることで、毎日のお風呂がもっと気持ちよくなります。清潔なお風呂で一年の疲れを洗い流し、新しい年を迎える準備を整えましょう。