コンパクトなスペースながら、家族全員が毎日使う洗面台まわり。それだけに、油断するとすぐに物であふれてしまいます。スムーズに身だしなみを整えられる美しいスペースにするためのコツを、生活研究家・阿部絢子さんに教わりました

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家、消費生活アドバイザー。整理収納から食、掃除など、生活全般に渡る知識を生かした著作多数。

http://ayakoabe262.jp/

「外側は美しく、内側はがんばりすぎない」がコツ

洗面台まわりで使う物をしぼりこめたら、いよいよ収納していきます。
「基本は“隠す”収納として考えます。歯ブラシやドライヤーなど、どうしても生活感の出がちな物が多いですし、来客の目に触れやすい場所でもありますから」と語る阿部さん。
阿部さん宅を見てみると、ごちゃつきがちな洗面ボウルまわりに置いてあるのは石けんと来客用のハンドウォッシュだけ。ただし収納容器にはこだわり、デザイン性にすぐれて水切れのよい木製ソープディッシュをセレクト。空間をより美しく見せる工夫を欠かしません。

その他のアイテムは、鏡の裏側の棚や引き出しなど目につかない場所に、種類ごとに分けてしまっています。 まず棚の中は、

●取り出しやすい下部 …歯ブラシやスキンケアグッズ、アクセサリーなど、よく使うもの
●手を伸ばして取る上部 …オフシーズンのメイクアイテムなど、使用頻度の低いもの

とゾーン分け。さらに、同じゾーンでも棚の手前によりよく使うものを置くことで、出し入れをラクにしています。 「水まわりは、物を詰めこみすぎると湿気やニオイが心配。あえて空間には余裕を持たせています」 続いて洗面ボウル下の引き出しは、

●すぐに引き出せる上段 …ティッシュや薬などの日用品

●腰をかがめる必要のある下段 …2ヵ月に1度使うヘアカラー剤など使用頻度の低いもの、予備のトイレットペーパーなどの最低限のストック

と、こちらも使いやすい位置によく使うものを収納。このときのコツは、 「棚や引き出しの中まで神経質にきれいに見せようとしないこと。私はドライヤーを表に出したくないので引き出しの中のかごにしまいますが、いちいちコードをたたんだりはしません。表からは見えないのだから、『必ず引き出し内に戻す』ということだけ守ればOK。細かすぎる収納ルールは、続けられない原因になりかねません」 同じように、引き出し内にさらにいくつもの仕切りを設けたり、棚にケースを入れたりといったこともしていません。適量の物を種類ごとに分けてしまえば、ただ置くだけで使いやすい収納になるのです。

(つづく)

阿部絢子さんの明日を変える整理収納術の記事はこちら

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