家を快適に保つために欠かせない、掃除道具。どのご家庭にもあるけれど、意外と使いこなせていないもの。掃除が楽しくなる道具の選び方から収納法まで、長年、掃除道具を研究してきた生活研究家・阿部絢子さんに伺いました。

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家、消費生活アドバイザー。整理収納から食、掃除など、生活全般に渡る知識を生かした著作多数。

http://ayakoabe262.jp/

掃除道具は美しいデザインと機能性を重視

前々回「きれいな暮らしをキープする掃除習慣と収納法」・前回「場所に合わせた掃除法と道具の収納」で阿部さん宅の「掃除道具出しっぱなし収納」をご紹介しましたが、道具の共通する特徴に気づかれましたか?

それは、「出しっぱなしでも見栄えのする、美しいデザイン」であること。 「部屋ごとにいろいろな道具を出しっぱなしにするということは、常に視界に入るということ。インテリアのジャマにならない落ち着いた色や天然素材で、よけいな装飾のついていないものを選んでいます」

数々の掃除道具を研究してきた阿部さんのお気に入りは、機能・デザインともにすぐれたスウェーデンやドイツ製のブラシ類。「ドアや壁に吊るしておくだけでも様になります」。

もちろん、機能も要チェックです。

「ホコリを払いやすいのか、油汚れをよく吸うのか。何がその道具のポイントなのかしっかりリサーチしましょう。わが家の汚れを解消できる機能を持つ道具を選び抜くのです。間違っても、有名人が使っているからといった理由で飛び付くのは止めましょう」

デザインや機能をしっかり選ぶことは、使う上でのコストパフォーマンスにも影響します。

「たとえば和室のホウキは内藤商店(京都)で約4000円払って購入し、15年は使っています。リビングの天井ブラシは6000円ほどしますが、一生使うなら安いもの。きちんとニーズに合わせて選べば、長く気持ちよく使えます。逆に安くても適当に選んだ結果使いにくかったりする道具は、短期間で買い換えることになり結局は高く付いてしまいます」

また、掃除に慣れるほどに自分の使いやすい道具がわかってくるので、いっぺんにすべてそろえなくてもよいそう。「家の形状やライフスタイル、性格などにより、使いやすい道具は人それぞれ。必要になったら必要な道具を吟味して買うスタンスなら、ムダ使いも防げます。より使いやすそうな道具を見つけたら、次の機会に取り替えればよいのです」

お気に入りの道具は、掃除を楽しくし、モチベーションもアップしてくれます。自分の家にぴったりの掃除道具と出会うには、まずは家をどうしたいか、どう暮らしたいかしっかりしたビジョンを持つことです。

(おわり)