注文住宅を建てたのは、ライフスタイル書籍などで幅広く執筆を行なっているライター・佐藤望美さん。整理収納のプロを多数取材するうち「本当に暮らしやすいおウチをつくりたい」と思うようになったそうです。特に収納にはこだわりがあり、可動棚「シューノ」を採用することに。注文住宅の計画から完成、実際の使い方までをありのままに語っていただきました。今回は収納についての佐藤さんの考えや、「シューノ」を魅力について詳しくご紹介します。
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「シューノ」って?
- 壁面に取り付けられる可動式の棚。スペースや用途に応じてパーツを組み合わせて自由な場所に設置ができる。暮らしに合わせてレイアウト変更が可能。
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https://uchishu.com/royal/
収納扉の必要性を改めて考えてみる
注文住宅を計画するにあたり、私が書き溜めていた希望・不満の付せんリスト。新しいおウチで実現したいことや将来の暮らしのイメージ、今の住まいで使いにくいポイントなどをひとつずつ付せんに書き起こしたものです。そのなかには、「収納の扉をなくしたい」という希望もありました。
以前住んでいたおウチの収納は、すべて折れ戸タイプのクローゼット。
幅も奥行もたっぷりあり収納力は抜群だったものの、使いにくさを感じていたのです。折れ戸は開けると扉が端にたたまれるので、その部分に置くモノは取り出しづらくなります。それに、わが家のクローゼットはほぼ開けっぱなし。扉が常に開いた状態だと、折れ戸の下にホコリも溜まってきます。だったらもう、収納に扉はいらないのでは?
扉がないと、置いているモノは丸見え。でもそのほうが管理しやすいし、見えるからこそモノが埋もれてしまうことなく活用できるはずだと思い至りました。モノを隠すと存在を忘れて使わなくなってしまう。これは、整理収納のコツやインテリア取材を重ねて気づいたことのひとつです。
「収納が多い=便利」とは限らない
以前の住まいは4LDK。各部屋に大きなクローゼットと、3階の廊下にも奥行きのある収納がついていました。しかし一番よく使う2階リビングには収納がない。モノは使う場所のなるべく近くに置き、出し戻しをスムーズにしたいという思いがあったため、やむなく収納家具をいくつか置いていました。
リビングに置くモノはこどもアイテムや、文房具など家族共有のアイテムを優先。書類、仕事道具など親しか使わないモノは各部屋のクローゼットに分散して置いていた状態です。しかしいちいち取りに行ったり、元に戻しに行ったりする手間がかかります。忙しいときはすぐに戻しに行けないため、リビングにモノが溜まってしまうこともしばしば。収納スペースがたくさんあっても、動線と結びついていなければあまり意味がないなぁともどかしさを感じていました。
3階建てのわりには部屋数が多く、収納もたっぷり。一般的に考えると優良物件なのかもしれません。しかし「モノと収納、そして行動を結びつけてなるべく家事をラクにしたい」と考えていたわが家の暮らしには合いませんでした。
後編(6/30公開予定)では私がなぜ可動棚「シューノ」を取り入れようと思ったのか、そのきっかけと魅力について詳しくご紹介したいと思います。