注文住宅を建てたのは、ライフスタイル書籍などで幅広く執筆を行なっているライター・佐藤望美さん。整理収納のプロを多数取材するうち「本当に暮らしやすいおウチをつくりたい」と思うようになったそうです。特に収納にはこだわりがあり、可動棚「シューノ」を採用することに。注文住宅の計画から完成、実際の使い方までをありのままに語っていただきました。完成した新居には、日々の暮らしをラクに快適にする工夫がいっぱい。今回はファミリークローゼットについてお届けします。 連載記事はこちら
「シューノ」って?
- 壁面に取り付けられる可動式の棚。スペースや用途に応じてパーツを組み合わせて自由な場所に設置ができる。暮らしに合わせてレイアウト変更が可能。
- もっと知りたい方はこちら
https://uchishu.com/royal/
各部屋のクローゼットはなし。家族の衣類を集約させました
わが家の注文住宅は、「収納」に大きな特徴があります。リビングをはじめ、個室には扉つきのクローゼットがいっさいありません。
家族の衣類はすべて、ファミリークローゼットに収納しています。
こちらがファミリークローゼットの様子。可動棚「シューノ」の棚とハンガーパイプを設置し、基本的には吊るし収納にしています。
その理由は、洗濯を干してそのままクローゼットに戻せるようにしたかったから。そのため外干ししても劣化しにくい、無印良品のアルミ洗濯用ハンガーをメインで使っています。
ハンガーパイプは上下2段に設置していて、上の段は夫と私、下の段は子どもたちの衣類を掛けています。
季節外の衣類はハンガーパイプの上に設置した棚板の上に。衣替えもこのクローゼットで完結するので楽ちんです。
ファミリークローゼットは玄関のすぐ横。出かける準備がここで完結
ファミリークローゼットは玄関を入ってすぐ、という間取り。通常はウォークスルーでシュークローゼットをつくるところですが、わが家は衣類用のクローゼットにしました。
玄関扉の並びに設置した可動棚「シューノ」には、外出時に使うバッグや自転車ヘルメット、外遊び道具などを置けるようにしました。手前に見える細くて短いハンガーパイプには、傘を引っ掛けられてとても便利です。
バッグもほとんど吊るし収納で、ハンガーパイプに掛けてしまえば取りやすく戻しやすい。夫や私の仕事用リュックは重いので棚板の上に置いていますが、それ以外のお出かけバッグや子どもの習い事リュックはハンガーパイプにフックをつけて収納しています。
私が外出時につける時計やアクセサリーもここの棚に置きました。リュックの中身を整え、靴を履く直前にスムーズにつけられる動線です。帰宅時も、靴を脱いだらまずここでアクセサリー類を外してから隣のリビングに入ります。
<収納動線>食品=ダイニングに収納してもOK!忙しい朝の動線をコンパクトに
キッチンと同じく、ファミリークローゼットもオープン収納。すべて見えているのでごちゃごちゃしている印象も否めませんが、わが家にとっては「見えている」ことが最重要事項。そのおかげでものが迷子になることがないし、家族に「あれどこ?」と聞かれることはなくなりました。子どもたちが洗濯物を自分のゾーンに戻すこともできます。
それともう1点、「着る服」「もう着ない服」を判別しやすくなったことは意外な収穫でした。持っている服はすべて見えるからこそ、お気に入りの服だけに厳選したい。「あまり気に入っていないけれどまだ着られるから、もったいないから」となんとなく所有していた服を処分しやすくなったのです。じつはこのクローゼット写真に写っている私の服、もうほとんど処分してしまい今は半分の量しかありません。
冬服もこれから少しずつ見直していくつもりなので、手持ちの服はさらに減りそうな気がしています。
次回はファミリークローゼットと密接な関係にある洗濯・洗面所の収納をご紹介します。