家族で家事を共有し協力し合う「家事シェア」が近年提唱されているものの、なかなかうまくいかないのが実情です。そこで、家事の揉めごとや困りごとエピソードについて、夫側・妻側の言い分と解決法をご紹介。「名もなき家事」を解消できるヒントになるかもしれません。
第三回目は「育児」についてのエピソードです。
プリント管理に習いごとの送り迎え。これって妻だけの仕事なの? (とげとげ。さん夫婦エピソード)
小学校からの持ち帰ったプリント管理や習いごとの送り迎え、こどもの友達の親との連絡調整など、いわゆる「名もなき家事」は基本妻の私が担当。これってずっと続くの?
妻の言い分
夫にも分担してほしい気持ちでいっぱいですが、なかなか解決策が見つからずにモヤモヤする日々が続きました。
夫の言い分
……正直できることが見つからないのです。(こそっ)
夫婦で話し合った解決法。今後はどうする?
家族のグループLINEやカレンダーでこどもの予定を共有するようにしました。また、学校からのプリントや地域の回覧板は夫に読んでもらうにしたので、少しずつ負担が軽減。それにコロナの影響でテレワークになった夫が、習いごとの送り迎えをやってくれるようになったので、不公平感も減りました。「できることが分からない」のなら、「しないといけないこと」として口にすることが第一歩なのかもしれないですね。
小さいこどもが飲み物をこぼしてもイライラしないための回避策とは。(本多さん夫婦エピソード)
こどもがまだ小さいと、食事中に牛乳やみそ汁などをこぼすことが頻出!その度の掃除が大変……!
妻の言い分
「こぼす」は100%避けられないので、食事のときはひとりずつお盆にのせて提供しようと決めました。万が一のために椅子の下にもマット(透明なデスクチェアの下に敷くもの)を敷いて、被害が最小限になるように工夫しました。
夫の言い分
お盆があることで助かったこと数知れず。さらにマットのおかげでその下のラグが汚れることも避けられて、妻のアイデアさすが!と思いました。
夫婦で話し合った解決法。今後はどうする?
お盆が食洗機NGなものなので、OKなものだと片付けがもっとラクになると思うことも。煩わしさが少しでもなくなるようにアップデートしていくことも大切ですね。
泣かしたまま放ったらかし!? 赤ちゃんのときの育児を振り返って思うこと。(山野井さん夫婦エピソード)
こどもが生後2ヶ月くらいのとき、用事があって一日出かけることになりました。夫に面倒を任せるのがとても心配でしたが、急いで帰ってくると、こどもはゴキゲン!! 翌日、「昨日はよく泣いてたね。」と隣の家の人に言われました。
妻の言い分
結構泣かせたままほったらかしていたんだなと思い腹が立ちましたが、あれから10年、今考えてみれば死ぬわけでもなし、多少泣かせている時間が長かろうと、ゴキゲンタイムがあるならば、それでよかったんだな、と。育児はとかく、泣き止ませるのが親の義務のように思われがちですが、赤ちゃんにとっては泣くのが仕事ですよね。夫のようなのんびりとした育児でもよかったのだろうなと思います。
夫の言い分
妻が思うほど、赤ちゃんの泣き声は自分にとって不快ではなく、泣いていてもあまり気にならないし、夜泣きされても気づかない。気づかなすぎるところもあるので、その点は指摘してほしいと思います。また、自分は気が回るタイプではないので、いくつかやることを予め指示してもらえると助かります。
夫婦で話し合った解決法。今後はどうする?
特に一人目の育児は、ああしなければ、こうしなければと思い込みが激しくなるものですが、赤ちゃんの不快を取り除いてやるだけでいいわけであって、お世話はとくに難しいものではないかな、と。気持ちをゆったりと持って、接してあげたらよかったな、と今では思います。赤ちゃんに対する気持ちの男女差(夫婦差)をよく理解し、話し合うことで、より良い育児ができるのではないかと思います。
最後に
いかがでしたか?家庭にあった家事の在り方を考えるためには、まずは家族で話し合うことが大切ですね。
次回は「掃除」エピソードをご紹介します。