スッキリとした素敵な部屋をつくるだけでは、命は守れないと気づいた
瀧本真奈美さんは、書籍7冊出版、掲載誌150冊以上の実績を持つ整理収納コンサルタント。防災士の資格も持ち、毎日の暮らしを楽しみながらできる防災についても広く発信しています。
「私自身、大地震などの被災経験はありません。でも、これからもそれが続く保証はないのです。以前はリメイクやDIYが大好きで、棚にもモノをたくさん飾っていましたが、今は安全・安心が第一。部屋を素敵に整えることは大事だけれど、その豊さは命あってのことです。防災は、収納やインテリアを考えるうえで欠かすことのできない一要素だと考えるようになりました」
まずは「高い場所に置かない」「見せすぎる収納にしない」
見栄えのする収納やインテリアを経て、少しずつ防災収納にシフトしてきたという瀧本さん。命を守るために「しない」と決めた収納がいくつかあるそうです。
まずは、高いところにモノを置かないこと。
「整理収納の考え方では、目線の高さから腰あたりまでをゴールデンゾーンと呼んで、よく使うモノを収納します。そして使用頻度が低いものは、多少取り出しにくくても一番上の棚などに収納してもいいとお伝えしてきました。でも高い場所に置いたモノは、地震で落下すると危険です。高い棚にモノを積み上げるくらいなら、いっそ減らしてスペースを空けておくほうが良いのでは?と思うようになりました」
見せる収納も、瀧本さんがなるべくしないようにしていることのひとつ。
「以前の私は、キッチンのオープン棚に食器も鍋も美しく並べてインテリアとして楽しんでいました。今は必要な家電に絞って最小限にし、なるべく低い位置に。彩りは欲しいので少しは雑貨を置いていますが、割れやすいガラス製品や食器は棚の中にしまっています」
予備のダイニングチェアはしまって、避難経路をできるだけ広く
防災収納を考える上で意外と盲点になるのが、避難経路の確保だと瀧本さんは言います。
「床にモノを置かないよう意識されている方は多いと思います。玄関や廊下の床をスッキリ空けておけば、スムーズに避難できるからです。それだけでなくわが家では、リビングもできるだけ広いスペースを確保しておきたくて、普段は使わない予備のダイニングチェアはクローゼットに収納しています」
防災用品は奥にしまい込みすぎない
防災用品は、どの家庭でもある程度の準備をしているはず。押入れやクローゼットの奥に収納しているなら、出し入れのしやすさを一度確認してほしい、と瀧本さん。
「防災用品は頻繁に使わないし、できれば使いたくないモノ。取り出すのは年に1、2回の見直しのときくらいだというケースが多いと思います。だからどうしても収納の奥のほうにしまい込みがち。でもいざというときにすぐ取り出せなかったら、結局使えずムダになるという可能性もあります」
有事の際に、手前のモノをどかして奥の防災用品を取り出す余裕が果たしてあるのでしょうか? そして、その収納スペースの前にモノが散乱して扉を開けられない、なんてこともあるかもしれません。
奥にしまい込みがちな防災用品として挙げられるもののひとつが、ポータブル電源。
「停電しても慌てずにすむ、心強い防災用品です。重くてかさばるため、普段使いしている人は少ないかもしれません。でも、ポータブル電源こそすぐ手の届く場所に置いてほしいと思っています。私が選んだ収納場所はキッチン。すぐ冷蔵庫につなげられれば、フードロスを防げるので安心です」
瀧本さんは、出しっぱなしでも違和感がないベージュのポータブル電源を選択。インテリアに溶け込むカラーです。
「避難所に行く場合や車中避難を想定するなら、外にすぐ持ち出せる玄関に収納するのも良いと思います。どちらにしろ、時々はバッテリー残量を確認して実際に使ってみることも大事です」
これらに加え、家具の転倒を防ぐためしっかりと固定することも大事。瀧本さんも、家具を置く際は据え置きタイプをやめ、壁面に固定できるものを選んでいるといいます。
今回教えてもらったのは……

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瀧本真奈美さん
収納、片付け、インテリア、防災など幅広い分野を織り交ぜた「心地よい暮らし」を提案。整理収納コンサルタント、防災士などの多数の資格を持ち、四国に3店舗のセレクトショップを経営している。インスタグラムや公式ブログなどで活動を発信中。
公式ブログ「暮らしごとレシピ」