収納スペースの棚板を追加すれば、空間を有効活用できる。何をどれくらい収納するのか決めてから棚板をDIY
今回お話を伺ったのは、整理収納アドバイザーのむらさきすいこさん。夫、大学生のこどもと暮らしています。
「夫は転勤族。海外を含め、引越しを繰り返してきましたが、モノは増えるいっぽうでした。一念発起して片付けについて学び、収納からモノを出して整理する……。これを繰り返し、1年ほどかけて家を整えたんです」
今住んでいるのは築21年のマンション。収納は売り出された当時のままで、床から天井までの高さの、奥行きがありすぎて使いにくいクローゼットもあります。それでも、むらさきさんはリノベやリフォームなしで収納を使いやすく、スッキリ整理するコツを実践しています。
そのうちのひとつが、棚板を増やすこと。
「マンションや建売戸建ての既存収納は、棚板が可動式になっていて、使いやすく設計されている場合が多いんです。でも、棚板の枚数が足りず、モノを重ねて置いたり突っ込んだり……出し入れしにくくなってしまう事例をお客様宅の整理収納サポートでたくさん見てきました。棚板が動かせるということに気づかず、入居した当時のままなんとなく使っているご家庭も多いんです」
洗面所の可動棚の棚板を増やすDIY

BEFORE 棚板を増やす前の洗面台収納。棚板は4枚のみ
むらさきさん宅の洗面所収納も、もともとついていた棚板は4枚だけ。モノを収納しても空間に空きができてしまい、せっかくの収納スペースを使いきれていませんでした。そこで棚板を自分で増やそうと決意。サイズを測り、ホームセンターで板を選んでカットしてもらったそうです。棚板受けの金具も、ホームセンターやネット通販で簡単に購入できました。

AFTER 棚板を4枚増やした後の洗面台収納
ただし、スペースが空いているからといって、むやみやたらに棚板を増やすのは失敗のもと。
「まず収納に入っているモノをすべて出し、カテゴリーごとに分類することからスタート。カテゴリーの数に合わせて棚板を用意し、収納スペースを分けたいと思ったからです。わが家の場合は8カテゴリーだったので、棚板を4枚追加。この手順をしっかり踏むことで、ただスペースを増やすのではなく、使いやすい収納にレベルアップさせることができました」
むらさきさんは、同じ考え方で廊下の収納スペースも棚板を追加したそうです。
「ちょっとだけ」収納を増やしたいときは、ブックエンドを棚板代わりに
棚板を増やすほどではないけれど、「置く場所をちょっとだけ追加したい」と思ったことはありませんか? そんなときに便利なのがブックエンド。
「私は棚板がわりに薄いブックエンドを使います。側板と棚板の隙間にブックエンドを差し込むと、ミニ棚板がつくれるんです。差し込めない構造なら、ブックエンドの裏に粘着テープを貼って背板に設置してもいいと思います」
むらさきさん宅では、洗面所の鏡裏収納でこのアイデアを実践。お子さんのヘアケア用品を出し戻ししやすくするために導入しました。
「重ねてあると、下のモノを使いたいときにいちいち持ち上げる手間がかかります。たいした動作ではないかもしれませんが、毎日となれば負担に感じますよね。そこでブックエンドで簡易的な棚をつくることにしたのです。小さくて軽いヘアケア用品を置くくらいなら、ブックエンドで十分事足ります。使っているのは、『セリア』のブックスタンド横長(ホワイト)です」
このブックエンドを使ったちょこっと収納は、家の各所でつくれます。
「おすすめは、玄関のシュークローゼット。突っ張り棒にブックエンドを引っ掛けて設置すれば、奥のデッドスペースに収納棚が完成。荷物梱包用のひもやはさみを置くことができます」
「不便だな」という小さなストレスを敏感にキャッチ。収納テクニックをわが家流にカスタマイズする
SNSを開けば、収納テクニックや片付けのコツはいつでも簡単に手に入る時代。でも、すぐリバウンドしてしまったり、自分は良くても家族に受け入れられなかったりと、うまくいかず悩んでいる人も多いかもしれません。
むらさきさんは収納アイデアを発信する側。自分や家族の行動を観察することでそのアイデアが形になり、その人の性格とマッチして初めて機能するのだと話します。
「モノが戻しにくい、つい出しっぱなしにしてしまうなど、ちょっとしたストレスを見逃さずに、私(家族)は何に困っているんだろう?とじっくり考えてみます。一見きれいに片付いているのに困り事があるなら、小さなアイデアで解決できる場合が多いです」
収納方法がその人に合っていないケースもあります。
「たとえば、細かく仕切られた引き出しにモノを戻すのは難しくても、ざっくり分けた収納なら片付けられるかもしれません。その人が不快や不満に感じていることと性格によって、収納の正解は変わってくるんです」
コツをそのまま真似するのではなく、自分や家族に合うようどんなアレンジすればいいのかを考えること。それこそが、より良い暮らしの近道になりそうです。
今回教えてもらったのは……

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むらさきすいこさん
整理収納アドバイザー。整理収納サポートを420回以上行い、片付けに関する講演・セミナー実績、メディア出演も多数。無印良品、イケア、ニトリ、100円ショップを活用した、見た目と機能性を両立する収納提案が得意。