暮らしが変わればファッションも変わる。海外滞在を機に洋服と向き合い、帰国後400着ほどを手放した
片付けの仕事をしながら、クローゼットコーディネーターとして活動している柴田敦子さん。かつてはファッションブランドの店長を務めており、洋服は500着以上持っていたそうです。
「毎月のように新しい洋服を買い、クローゼットは満杯でした。ターニングポイントになったのは4年間にわたる夫の海外留学です。乳児2人を連れ、持参したトランクは3つだけ。手持ち服はほとんど持って行けませんでしたが、現地ではまったく困りませんでした」
海外滞在中、大量の洋服は実家に保管。帰国後に5年かけて100着にまで減らしたそうです。
「“着たい服”と“暮らしに合う服”、“似合う服”にズレが生じてきたことに気づいたんです。トレンチコートやツイードのジャケット、シルクのスカート……。気に入って買ったのに、子育て中に着て行くシーンがない。昔は似合っていたはずのシャツが、今は顔写りが悪く見えるようになった。そんなふうに感じるようになりました。ちょっと良いものを長く着るのがいい。たくさん持っているほどおしゃれになれる。以前はそう思い込んでいたけれど、ライフスタイルの変化とともにファッションも変わっていくほうがいいと気づいたんです」
数を絞って循環させることで、管理が行き届く。お手入れにも時間をかけられる
現在の柴田さんのワードローブは1年を通して60着程度。年間で数着購入し数着手放す、を繰り返しています。
「500着の時代からずっと大事にとってあった、お気に入りの洋服もほぼ手放しました。今の暮らしに合わない、と心から納得できたからです。着ていく場所がすぐ思い浮かばなかったら、今後も出番はきっとありません。クローゼットの片付けサポートでは“思い出の洋服は残していいですよ”とお客様に伝えていますが、私自身は着る予定がなければ処分してしまうことが多いです」
柴田さんは定期的に手持ち服の数をカウントしています。
「衣替え時に1点1点チェックしながら数えることで、“今は白Tシャツをたくさん持っているな”“コートはこんなに何着もいらないかも?”など、毎回新しい発見があります。手にとって見直すことで、普段は見逃していた傷みやシミに気づくことも多いです」
柴田さんにとっては、60着程度が適正量。着ない服がほとんどなく、お手入れも行き届く枚数なんだそうです。
「500着持っていた頃の稼働率は20%程度だったと思います。残りは着ないけれど手放せない、もしくはなんとなく持っていた洋服。今はすべてがお気に入りで、手に取らない服はありません」
以前はクリーニング代の負担も気になっていました。クリーニングに出したくないがために家で洗濯できる洋服ばかりを着回す、なんてことも…。
「せっかく持っているのに着られないなんて、これでは何のために買ったのか分かりませんよね。私にとっては、クリーニングに出すのが嫌にならない枚数がちょうどいい。気持ちに余裕を持ってお手入れができるんです」
衣替えは年5回。少しずつスライドさせ、今着る洋服だけが見えるクローゼットに
柴田さんのクローゼットは、常に“今着る洋服”だけが見えている状態に整えられています。衣替えは年5回です。
・6月中 長袖をしまい、真夏用の洋服を出す
・9月中 真夏用の洋服をしまい、長袖や薄手ニットを出す
・11月中 半袖服をしまい、厚手ニットアウターを出す
・3月中 厚手ニットやアウターをしまう
・5月中 薄手ニットをしまい、半袖服を出す
「こまめに衣替えし、今月・来月あたりで着られそうなモノだけが見えるように意識しています。ハンガーにかけてシワを伸ばしたり、少しお手入れをしたりしてクローゼットの中でスタンバイ。こうすれば、好きな洋服をベストタイミングですぐ使えるんです。着る機会を逃さないので、タンスの肥やしも生まれにくくなると思っています。1回の衣替えは10分程度。春夏/秋冬の年2回だとまとまった時間が必要ですが、少しずつやれば短時間でクローゼットをリフレッシュできる。そんなところもせっかちな私に向いていると感じています」
季節外の服は衣装ケースにしまう、カバーにかけるなどして見えないように。クローゼットを開けたとき、視界に入る情報を減らすのがコツです。衣替えのタイミングで「もう着ない」という服は手放すため、クローゼットはいつも巡りのいい状態です。
モノも洋服と同じで循環させる。「いつか使う」「この先必要かも」ではなく「今」にフォーカス
クローゼットを整えることと、暮らしを整えること。柴田さんによると、どちらも根っこは同じです。
「どんな服を着たいのか、どんな暮らしをしたいのか、は結局、どんな自分になりたいのか?を考えなければ見えてきません。だからこまめに衣替えをして、今の自分の気持ちを確認しています。他のモノも同じで、わが家にあるのは過去でも未来でもなく今必要だと思うモノだけ。昔からこどものお下がり服は保管していないし、空き箱や缶を“いつか使うだろう”と思ってとっておくこともありません。いつ来るか分からない来客のための食器も置いていないのです」

こども部屋をみんなで使えるワークスペースにチェンジ
この春には、上のお子さんが大学生になり家を出たため、こども部屋がひとつ空きました。
「部屋は早々に空っぽにし、家族共有のワークスペースとして生まれ変わりました。帰省時のためにそのまま置いておくこともできましたが、それよりも暮らしに合わせて使い方を柔軟に変えるほうがいい。これも循環のひとつです」
今回教えてもらったのは……

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柴田敦子さん
クローゼットコーディネーター。整理収納、骨格診断、ファッションブランド店長時代に身につけたコーディネートのテクニックを掛け合わせて「今の自分にちょうどいいクローゼット」を提案している。
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