インスタグラムやYouTubeでも大人気! 整理収納アドバイザーとして長野県で活躍するkayokoさんのご自宅を取材。整理収納アドバイザーになったきっかけから、仕事・家族との向き合い方まで、等身大の“働く主婦”として、のびやかに語っていただきました。メリハリのある毎日を過ごすためのルール、コツも満載です!
もともとは薬剤師。整理収納アドバイザーに転身した理由とは?
HOUSTOの人気連載「インスタグラマーの収納ノート」でも登場してくれていたkayokoさん。インスタグラムのフォロワーは11.7万人(2020年8月現在)、最近はYouTubeへの投稿もスタートさせ、整理収納のオンライン講座も好評です。そんなkayokoさんの住まいは、長野市内の静かな住宅街に建つ一軒家。2人のおこさんとご主人との4人暮らしです。
家の中は、どこもかしこもスッキリしながらも、お花やおこさんの絵をさりげなく飾るなど彩りも忘れない、温かみのある空間。その上ムダがなく、生活動線も考えられているご自宅に、さすが整理収納アドバイザー!と感嘆してしまいました。そんななか、kayokoさんから驚きの一言が。
「この家は4年前に建てたんですが、それまではいっさい片づけができないタイプだったんですよ」
ええっ、本当ですか? ……聞けば、kayokoさんはもともと薬剤師。夫婦共稼ぎで賃貸アパートに暮らしていた時は、一部屋を納戸として潰し、そこは開かずの間状態になっていたとか。
「家事も料理も、苦手意識がありました。いよいよマイホームを建てるということになったとき、いろいろとインスタグラムで情報を集めるようになったんです。見ているうちに、整理収納アドバイザーの存在を知り、実際に勉強して資格を取ってみたら、楽しくて。家の中を整えるほど、家がどんどん好きになるんです。家族も『この家が大好き!』と言ってくれるようになって……」。
しばらくは薬剤師としても働き、整理収納アドバイザーとの二足のわらじを続けていたそうですが、今年に入り、いよいよ本業を整理収納アドバイザーに据え、フリーランスになりました。
「薬剤師の資格をもっと活かさないの?と言われることもあるんですが、私は自分自身がより楽しめること、やりがいを感じられることを優先したいと考えました。本当に、私はこの仕事にめぐり合って、変わることができたんです。多くの人にもこの楽しさを知ってもらい、自信を持ってほしい、と思うようになりました。私の人生のテーマは『暮らし』なんです」。
家事と仕事のバランスが取れなかった時期も。家事と仕事を両立させるkayoko式4つのルール
初めてのフリーランス生活。不安はあるものの、それ以上にワクワクが大きいとkayokoさん。現在は、講座の開催や個別相談、訪問お片づけサービス、企業のセミナーなど、多方面で活躍しています。引っ張りだこになればなるほど、自宅での家事に支障が出たりしないの?と思ってしまうのですが……。
「仕事にのめり込むとPCに向かっている時間が増えて、正直なところ自宅が少し乱れた状態になったこともあります。自分自身の家事が滞るなんて、本末転倒だな、と。そこからは、自分の中でルールを決めました」。
kayokoさんのルール
1. こどもが帰宅する前までに仕事と夕飯の用意を終えておく。
2. こどもと遊ぶ時は集中する。
3. 休みの日は、家族と質のいいコミュニケーションの時間をとる。
4. 仕事も家事も、「疲れたらやらない』。しっかり休息を取ったら、翌日メリハリをつけてこなす。
メリハリをつけて、できないと思えば割り切ってやめる。そして、家族との時間は大切にする。こうすることで、仕事も家事も能率が上がり、家族との関係もさらに良くなっていると実感しているそう。
スムーズなルーティーンの秘訣は「ついで家事」にあり!
仕事や家事を、効率よくこなすkayokoさん。きっと1日の過ごし方やルールにポイントがあるはずです。
ということで、kayokoさんの1日のルーティーンを教えてもらいました。
5:30 起床。朝ごはんをつくりながら、夕飯の仕込み
トイレへ行ったついでに掃除、顔を洗うついでに洗面所の掃除
ブログ執筆
6:30 こどもたち起床
7:30 長女が登校
8:30 長男を幼稚園へ送る。外出したついでに買い出し
10:00 整理収納オンライン講座の発信
12:00 昼食
13:00 ブログ執筆、翌日の準備
16:30 幼稚園迎え
18:00 夕飯、片づけ
19:00 お風呂。お風呂上がりについでに掃除
20:00 片づけ、洗濯機を回す
21:00 就寝
1日の予定は朝にタスクとして書き出し、その日のうちに終えるのがkayokoさんの目標です。掃除は、何時にここをというスケジュールはあえて決めていないのだとか。
「お皿を洗うついでに床を掃除するなど、すべて“ついで”にやるのが私のスタイルです。いざやるぞ!と思っても、なかなかエンジンが入らないこと、ありますよね。でも、“ついで”なら、流れでサーッと済みます。トイレに行ったついで、手を洗ったついでなど、何かと組み合わせ、行動をセットにすることが自分には合っていると思います」。
「めんどくさがり屋さん」は、実は片づけ上手になれる素質アリ!
“ついで”家事で、きれいをキープ。さらにきれいな空間は、持っているものに愛着を与えてくれる、とkayokoさんは話します。
「自分は何に時間を使いたいのか。片づけが得意になった今、わかるようになりました。そもそも私は、超めんどうくさがり屋なんですよ。だからこそ、日々の動線を楽にしたいと思うようになりました。動ける人には負担がないのかもしれませんが、『なんとか一歩でこれを戻せないか』など、いかにムダに動かずに家事をこなせるか、そこに注力しているんです(笑)。だから、めんどくさがり屋さんの人の方が、実は片づけには向いているんじゃないかな」。
そんなkayokoさんは、片づけが苦手だった頃は、自分自身が嫌いだったとか。
「趣味も特技も特になく、まったく自分に自信が持てなかったんです。でも今は、片付けが得意と言えるし、暮らしが趣味と言える。この暮らしを続けている自分に自信を持てて、喜びを感じています」。
東京じゃなくてもいい。地方都市で整理収納アドバイザーとして働くということ
コロナ禍において、整理収納アドバイザーのお仕事にも影響があったのでは?と勝手ながら心配してましたが、なんとプラスな出来事もあったとか。
「以前は対面講座が中心だったのに対して、コロナ以降はオンライン講座が日常になったことで、全国の人たちとつながることができました。これは、地方都市で働く私にとっては大きなチャンスだったと思います」。
持ち家率が高く、延床面積も広い長野県では、まだまだ整理収納アドバイザーの認知度は低い、とkayokoさん。
「家が広いから、それこそモノをいれる空間はたくさんある。だから、お片づけの概念がまだ広まっていないんですね。『なんでわざわざお金を出して片づけるの?』って。『他人を家に入れたくない』というクローズな県民性もあります。それでも、こうして活動を続けているうちに、少しずつ、整理収納アドバイザーとしての間口は広がりつつあることを感じています。私のように、片づけの方法を知ることから、毎日の暮らしに楽しみを見出し、自分自身を好きになっていただけたら。そんなお手伝いができたらいいですね」。
これからも整理収納アドバイザーとして活躍しつつ、何か一つでも社会の役に立つことを発信し続けていきたい、と話すkayokoさん。趣味であるカメラの勉強をしながら、今後は最近はじめた動画配信にも力を入れていくそうです。
長野から、kayokoさん流の暮らしのテクニックを、全国へ。
これからの彼女の活躍から、目が離せません。
今回教えてくれたのは…
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本名:西澤佳代子。KAYOHOME代表。長野市在住、34歳。
2018年整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト、ビジュー式片付けカードワークRインストラクター、時間マネージメントコーチ、薬剤師の資格を持つ。
整理収納サービスとしては、訪問お片づけサポート、カフェ会、zoomでのお片づけサポートや講座、企業様のセミナーなどを行う。
書籍に『コスパ家事』(大和書房)があり、TV、新聞、雑誌などでも活躍している。