今回は整理収納アドバイザーの齋藤裕子さんに「収納失敗したな」と思ったエピソードと解決法を伺いました。プロでも収納を常に見直すことを大切にしています。あなたも今一度周りを見渡して、より暮らしやすい収納を見つけてみませんか。

齋藤裕子

齋藤裕子

埼玉県在住。普段は接客販売で働くかたわら、整理収納コンサルタントの資格を取得。片付けコンサルサービスからイベントでのこどものお片付けワークショップなど、幅広いフィールドで活動中。

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私が着ない服を母に譲って断捨離成功?

今でこそすっきりした部屋で暮らしている私ですが、20代のアパレル勤務時代は毎日増える洋服で汚部屋を経験。汚部屋から脱出したくて整理収納関係の本を読みあさっては、着なくなった洋服を手放していた頃のお話しです。

私が洋服整理をしていると毎回必ず母が部屋に入って来て、

「私が着るからちょうだい!」
「部屋着にできそう!」
「これ、買ってから着ていないよね? 状態がいいからもらうね。」

などと言って私が着なくなった洋服を、「もったいないから!」と言って母がよく持っていっていました。洋服を資源ゴミとして出すのが面倒だった私は「ラッキー」と思っていましたが、数年後、母の部屋の整理収納をした際にびっくり!

私の服で溢れかえっていた母の洋服箪笥

母の洋服箪笥はパンパン、気がつけばラックや衣装ケースが増え、入りきらない洋服は棚の上に積んでありました。これは大惨事と全て出して見てみると、ほとんどが私の部屋から持っていった洋服です。そして、私の部屋から持っていった洋服はほとんど着ることなく、箪笥やラックに収納してあるだけの状態……。

まさに箪笥の肥やしになっていました。私の母は69歳で、いわば「もったいない世代」。モノを手放せないないのはわかっていましたが、あまりの量の多さに驚きました。洋服500着以上、バッグは50個以上、マフラーやストールは合わせて30枚以上!

私が「大量の洋服を手放した!」と思っていたら、私の部屋から母の部屋へ汚部屋が移動しただけだったのです。

もったいない世代の断捨離を進めるには?

現実を知った後、一つひとつ洋服の状態を確認し、傷みがあるモノや体に合わないモノは母同意のうえ、すべて手放しました。長年ぎゅうぎゅうに詰め込まれていた洋服は変色や型崩れをし、傷んでいるものも多く元のように着られる状態ではなかったのです。

一度すべてのモノを取り出したことで、母自身も思っていた以上に所有していた洋服の多さにびっくりし、それが手放すきっかけとなりました。
モノを手放せない、もったいない世代である両親のモノを整理するにはとても時間がかかり苦労しますが、一度モノを取り出して一か所に集め、量を可視化することで整理収納が進むことも。また、一つ一つモノの状態を確認することもとても重要だと感じた経験でした。

そしてそれ以来、私が着なくなったモノは母には譲らずに、自身で手放すようになりました。


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