こんにちは。フォトスタイリスト(※)のヤノミサエです。
あっというまにこの連載も最終回となりました。今回は第5回目の「スマホでお部屋をキレイに撮影する方法」の続編としてさらに踏み込んだインテリア撮影のコツをお伝えします!
※フォトスタイリストとは暮らしやインテリア、ライフスタイルに関する撮影において、魅力をいかに引き出して伝えるかに重点を置いたスタイリングを専門的に学んだ者のこと。
「寄り」と「引き」を使い分ける
インテリア撮影は大きく2つに分かれます。お部屋全体の雰囲気や空気感が伝わるような「引き」写真と、クローズアップで紹介したい場所、モノを撮るときの「寄り」写真です。 上の写真はお部屋全体の雰囲気を見せたかったので、「引き」で撮影しました。「引き」写真の場合は床を入れて撮影することで、よりお部屋の雰囲気が伝わりやすくなりますよ。
見てほしい場所やモノがある場合は、近づいて「寄り」で撮ります。寄ることで周りが切れるので、見せたいモノをしっかりと、強調して見せることができます。 「引き」と「寄り」を撮影することで写真のバリエーションも増え、マンネリ化も防げて一石二鳥!
ボケ感を出すのは「寄り」写真のときだけ!
「引き」写真にはボケ感は必要ありません。なぜならボケ感なしで見せることで、すべてが明確に見え、見えているものすべてが情報になるからです。一方、「寄り」写真は見せたいモノをしっかりと強調したいので、周りや背景は少しボケさせて印象を弱くするのがベター。スマホ撮影の場合は、ポートレートモードなどを使って背景ボケにするのがオススメです。
左の写真はiPhoneのポートレートモードを使って、背景ボケで撮影しました。背景ボケにより手前の植物が強調され、グッと主役感が増しています。右の写真はボケ感がないので、手前に置いた植物だけでなく、背景までがしっかりと見え、全体を見せたい写真になっています。
プロっぽい前ボケ撮影のやり方
最後に、インテリア写真が一気に映える撮影方法をご紹介します。それは、前ボケ撮影! 撮影するときに、手前にある何か越しに撮影をすることで、手前にあるモノがボケる=前ボケ状態になり、写真に奥行き感が生まれます。自宅で簡単にチャレンジするなら、ポートレートモードを選んで、枝物をスマホのレンズ前に映り込ませるのがオススメ!
前ボケ撮影の方法
① スマホのレンズ前に枝物を入れる
② ピントは奥の主役に
③ ポートレートモード撮影でレンズ前の枝物がボケる=前ボケ
枝物は造花でも大丈夫! 素敵な前ボケに仕上げるためには、明るめの色の葉がついた枝を選びましょう。サイズは小ぶりなモノがいいですね。大きな葉っぱだと手前でボケたときに邪魔になってしまいます。前ボケ撮影は手前に入れるモノのバランスが少々難しいのですが、何度か練習するとうまく撮れるようになりますので、ぜひチャレンジしてみてください!
最近のスマホには優秀な手振れ補正機能が搭載されているモデルが多く(iPhoneは6 plus以降手ぶれ機能が搭載されています)、レンズも年々進化し、手持ち撮影でもカンタン&キレイに撮影できるようになりました。撮影から編集まで、スマホ1台で完結するのも魅力的ですよね。
一眼レフじゃなくても、素敵なインテリア写真は撮れます!お気に入りのインテリアが完成したら、ぜひ気軽に撮影してみてくださいね。