夫婦共働きで、目が回るほど忙しい毎日を過ごしているけど、家事シェアがうまく進まない……。そんなお悩みをお持ちの方必読の一冊をご紹介します。

編集部・栗谷川

編集部・栗谷川

読書、映画、料理などインドアな趣味が大好き。夫・娘・猫2匹と東京都内で暮らしています。整理収納アドバイザー。

「家事=お母さん」のマインドセットのままに共働き時代を生きる私たち

「部屋の片付けも、買い物も料理も、洗濯もそれをしまうのも、全部私の仕事なの……?」家事・育児に対してそんなモヤモヤを抱えている方はいらっしゃいませんか?

近年、労働市場における共働き家庭の数は急上昇しており、全体の約7割の家庭が夫も妻も何かしらの仕事をしている状況です。
これは急激な変化で、現在子育て中の家庭の夫婦がこどもだったころを1980年代と仮定して見てみると、圧倒的に主流だったのは、専業主婦がいる世帯でした。
そのころは今ほどテクノロジーが発達しておらず、今とは別の家事・育児の大変さがあったはず。しかし、役割というところで考えてみると、家事・育児はやっぱりお母さんが担うことが多かったのではないでしょうか。

「家事・育児は基本お母さんの仕事」「お父さんはそれを手伝う」というマインドセットがされたまま、夫婦共働きの時代を生きる私たち。家事は家族全員で取り組むべき、ということはわかっていながらも、なかなか手分けが上手くいかずにモヤモヤ……。
そんなご家庭も多いのではないでしょうか。

モヤっとするけど言語化できない!そんな家事への不満と解決法をスッキリ説明

そんなご家庭にぜひ一冊置いていただきたいのがこちらの一冊。

家事でモメない部屋づくり(著:三木智有 発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン)

著者の三木智有さんは、日本で唯一の家事シェア研究家。年間80本以上の講演活動を行ったり、実際にご家庭に訪問するなどの活動を通して、全国に家事シェアを広げるために奮闘されています。

本書では、家事を主に担う側は何を不満に思っているのか、またそれはどんな手段で解決することができるのか、などがわかりやすく綴られています。
なんとなくモヤっとしているけど、イライラが先立って上手く言葉でパートナーや家族に思いを伝えられない……。そう思っている方にこそ、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

マインドセットを解き放ち、家族と仕事を共有(シェア)しよう

三木さん曰く、まずは「家事育児は妻・ママの仕事」と家事を分担する意識ではなく、「家族の仕事」と共有(シェア)している意識を持つことで、家族のチーム化を進めることが重要だと言います。

「私ばかり家事をやってるんだから、食器くらい洗ってよ」
「俺だって仕事で疲れているんだよ」

以上のような「どっちが大変論争」を戦わせていませんか?
どちらかが大変と判定して家事を押し付け合うのではなく、「家事をみんなでシェアする」という意識を持つことこそが、家事シェアの第一歩だと語ります。

モヨウ替えが家族のチーム化を加速させる!

でも、どうやって家族をチーム化させていくの?
そんな疑問に対して、三木さんは「モヨウ替え(模様替え)」を推奨しています。

どんな配置だと暮らしやすい? どこに収納家具を置くと片付けをしやすい? など、家族が抱える暮らしの課題や理想を出し合って、対話を重ねることが、家族の関係をもっと深めてくれるのだそう。

マイルールではなく、家族のルールを考える

居心地や暮らしやすさを考えるとき、片付けや収納が得意なお母さん(もしくはお父さん)がルールを発案し、それを家族みんなに伝えて実行してもらう、という流れを取っているご家庭が多いのではないでしょうか?

でもそれは、ルールを発案した人の「マイルール」。
家族にとっては、どうしても「やらされている感」が生まれてしまいます。

モヨウ替えをベースに、どこに何があるのが最適解なのか?
みんなでざっくばらんに意見を出し合い、みんなでルールを考えることで、家事の仕組みができていくのだそう。

モヨウ替えにもレシピがある!あなたの家族の理想のレシピはどれ?

美味しい料理にレシピがあるように、暮らしやすい家づくりにもレシピが存在する、と三木さんは語ります。
どんな暮らしがわが家にぴったり?いざ、家族会議とモヨウ替えを!と思い立ったら、レシピを調べてみましょう。

・こどもがゆったり遊べる家庭内広場
・宿題や仕事ができるビッグダイニングでワーキングスペース
・知識を底上げするファミリーライブラリー
・書斎感覚のコワーキングスペース
・こどもが安心できるキッズスペース

などなど、どれも取り入れてみたい!と思えるようなモヨウ替えのノウハウが本書には満載。詳しい家具の寸法や配置付きで、まさにレシピとして活用が可能です。

他にも、家族会議の時に参考にできるブレスト手順や、コンセプトワークの方法も丁寧に図解されているので、初めての家族会議を開く時にも、本書に沿って行えば会議もスムーズに進むでしょう。

忙しく過ぎていく毎日を楽しく過ごすために、家族の力を総動員しよう!

ステイホームが推奨された2021〜2022年に対して、日常の賑やかさや忙しさが戻ってきた昨今。
みんなが忙しく過ごす中、家族の誰か一人に負担が偏ることにより不満が生まれてしまうと、やはりそれは家族がハッピーとは言えない状況ですよね。

「家事・育児の役割について話そうとすると、なんとなくケンカっぽくなってしまう」
「不満が多過ぎて、どこから話したらいいか分からない」
「家族の成長に合わせて、家具の配置を変えたいけど、どこに何を置くべき?」
なんてお悩みをお持ちの方は、ぜひ本書を読んでみてください。
あなたの家庭にぴったりの、家事シェアへのヒントが見つかるかもしれません。

家事でモメない部屋づくり(著:三木智有 発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ISBN:978-4-7993-2633-6
https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2633-6

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