HOUSTO編集部が「今、気になる本」をシェアするストレージレビュー。今回ご紹介するのは、SNSを中心に大きな話題を呼んでいる『拭く活』です。著者であるヤスキチさんへのインタビューを交えてお届けします。

HOUSTO 編集部

HOUSTO 編集部

HOUSTO公式アカウントです。当サイト独自の目線で、毎日の暮らしがちょっと豊かになる情報を定期的にお届け中です!

https://www.instagram.com/ouchinoshunou/

「拭く」と「福」を掛け合わせる言葉遊びから生まれたのが「拭く活」

『拭く活』の著者ヤスキチさんは、福岡在住のヘアスタイリストです。毎日部屋の拭き掃除を行う様子を「拭く活」と名付け、インスタグラムで発信。その自然体な暮らしぶりに共感が集まり、フォロワー数は今や9万人を超えています。インテリアや暮らしを整えることに興味がある人なら一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか。

「拭くと福が来る。ダジャレのような、言葉遊びのような軽い感覚で拭く活を発信したら、多くの方に共感していただきました。僕にとって拭く時間は、単なる掃除の時間ではなく福を呼ぶ時間。拭く活は家と心を整えるための手段なんです」

本書では、ヤスキチさんが「拭く活」を始めるまでの経緯や、拭く活がもたらした暮らしと心の変化などが丁寧にまとめられています。

「拭かなければ」ではなく「拭きたいから拭く」へ気持ちをシフト

「拭く活」に向き合うヤスキチさんには、「掃除はおっくう」「やらなければならない」という悲壮感はいっさいありません。

「家がきれいになっていくので、本当に気持ちがいいんです。自分がやりたくて続けているという感覚ですね。そして毎日拭いていると、汚れはあまりたまりません。家じゅうを拭いても15分程度で終わります」

無心で行う拭き掃除は、心が整っていくよう「瞑想」や「禅」の考え方に近い感覚がある、とヤスキチさん。

「衛生面や家事効率でメリットがあるのはもちろんですが、それ以上に暮らしが穏やかになったことを実感しています。小さなことに悩まなくなったり、何事も前向きに捉えられるようになったり、自己肯定感が高まったり…」

手段を目的にしない。拭く活は、穏やかに暮らすための選択肢のひとつ

ヤスキチさんにとって「拭く活」は暮らしの一部。でも、拭くことそのものに執着しているわけではありません。

「どんなふうに1日を過ごしたいか。心穏やかに、暮らしを整えるための手段が、僕にとってはたまたま拭くことだった。ただそれだけだと思っています。拭く活をすることが人生の目的ではないんです」

そう思うようになった背景には、過去にミニマリズムを取り入れて苦しさを感じた経験があるからなのだそう。

「『フランス人は10着しか服を持たない』という本に衝撃を受け、多くの持ち物を手放しました。モノを減らせば素敵な暮らしが送れる、と思っていたけれど、湧き上がってきたのは寂しさと違和感だけだったんです。当時は持たないこと・手放すことが目的になっていて、何のために手放すのか、どういう暮らしを送りたいのかが抜け落ちていたのだと思います」

何度も軌道修正を重ねてたどり着いたのが、今の「心地よい物量」と「拭く活」でした。

「僕にとっての拭く活は、人によってはキッチンのリセットかもしれないし、テーブルの上にものを置かないことかもしれない。何でもいいと思うんです。大事なのは、自身がどんな暮らしを送りたいのかを考えてみること、心を整えるために必要な何かを見極めることではないでしょうか。拭く活がそれに当てはまればうれしいし、この本がその何かについて考えるきっかけになればいいなと思っています」

掃除を「義務」としてとらえるのではなく、自分を機嫌よく保つための「儀式」として捉え直してみる。本書を読み終えた後、きっとみなさんも、棚の上をそっと一拭きしてみたくなるはずです。

書籍情報

拭く活
ヤスキチ著
主婦と生活社
https://www.shufu.co.jp/bookmook/detail/9784391166316/

あわせて読みたい