本多さんの今月の「買ってよかったもの」「手放したもの」とは?
今月の本多家、2つのものについてのショートストーリー。

本多 さおり

本多 さおり

暮らしを愛する整理収納コンサルタント。雑誌やwebなどで暮らし重視のシンプルな収納術を提案している。『家事がとことんラクになる 暮らしやすい家づくり』(PHP 研究所)には物件探し&購入から家づくりの工夫まで紹介されている。また、新著書に『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)などがある。

http://hondasaori.com/

今月の買ってよかったもの「PATATTO(180)」

こどもを連れて外へ出るときは、なるべく身軽がいい。ただでさえ、“最低限必要”な荷物が多いのですから。
けれど、「これがあって本当に助かった……!」というものなら喜んで持ち運びたい。なんせ、子連れのお出かけはハードモードになりがちです。

たとえば、ちょっとしたイス。
疲れたときに座れるし、疲れたこどもを座らせることもできる。そこに置けば、ちょっとした基地になる。

身軽に行くか、荷物にイスを加えるか。
このジレンマの注目ポイントは、「使わなくてもガッカリしない程度の労力で持ち運べるかどうか」です。
使わなくても「せっかく運んだのに」とガッカリすることなく、使うときには抜群に効果を発揮するもの。

そんなイスに、フラッと入ったキッチン雑貨のお店で出会いました。
その名も「PATATTO(180)」。
パタッと平たくたためて、驚くほど軽く、リュックに入るサイズ。これならどこに持ち歩いても負担に感じることはないでしょう。試しに店先で座ってみると、お尻にフィットする、たまらない座り心地です。

さまざまな外出で大活躍

ふだん、「これはよさそう!」と感じても衝動買いはあまりしません。
ただ、PATATTOに出会ったのは息子の運動会直前というタイミングでした。夫の母が見に来てくれるのですが、息子の通う小学校はキャンプイスの持ち込みが禁止されています。朝から夕方まで70代の母を立たせっぱなしにしておくのは忍びないなあ、どうしようかなあ、と考えていたときの出会い。
これくらいの小さなイスなら、小学校も許してくれそう。これだ!と即決です。

そしてこのイス、運動会だけでなくあらゆる外のシーンで想像以上の活躍をみせています。
長男のサッカーを見学するとき、野原で遊ぶこどもを見守るとき。
サッと取り出して座るのに実にほどよく、高さといいフィット感といい、ずっと座っていたくなる心地よさ。

限界知らずで遊びまわるこどもたちを見ていても、「疲れた」「もう帰りたい」と思うことなくおおらかに待つことができます。むしろ、PATATTO上で体力回復ができているかもしれません。疲れたこどもがぐずった際も、このイスのおかげで「事なきを得た」ということだってありました。

そのうえ、わが家がよく行く水場にもうってつけ。濡らせば拭いたり乾かしたりが大変なレジャーシートより管理がラクです。

「PATATTOを持っている」、それだけで気持ちが少し楽になる。コスパ抜群の、お出かけ心身お助けグッズ。キッチン雑貨屋という思わぬ場所での出会いに感謝です。

手放したもの 夫の靴とシャツ

夫はかつて靴が好きでした。よい靴を大切に永く履きたい。夫はそんな思いで、靴箱のなかを大きく占有していたのです。
ところが現実は厳しいもので、それらは足に合わず履けば痛くなるものばかり。よい靴ではあるのだけど、履く頻度はずっと低いままで、ついにはここ5年まったく履かなかったのです。

私はといえばその間、「なんとしても靴を手放してほしい」とは一度も思いませんでした。

理由その1.夫は靴以外の持ち物が少ない
理由その2.夫の思い入れが強いことを知っている

ただ、時折「靴整理したらー?」という声掛けはしていました。
夫の返事はいつも、「だなー」。
しかし実行には至りませんでした。

断捨離祭りで弾みがついて

何の予定もない休日に、「断捨離祭りするか!」と家族に号令をかけることがあります。
だいたい最初は、使われていないおもちゃを減らすところから。こどもたちに相談しながら、いらないと判断されたおもちゃや本をピックアップしていきます。
流れで、こどもの服、大人の服にも手が伸びていきます。

先日は気分が乗って、クローゼットの根本的な改善まで始めてしまいました。すると、夫のワイシャツがやけに多いことに気が付きました。
「こんなにいるのかい?」と尋ねると、夫はあっさり「そっちはいらないよ。こっちのストレッチのやつが大のお気に入りだから」。

大のお気に入り……と妙に愛くるしい言い方はさておき、夫のお気に入りがガラリと変わっていたことが判明しました。体形が大きく変わったことにより、ストレッチの効かないシャツは着心地が悪くなったようです。以前は気に入っていたブランドのワイシャツでしたが、6枚を手放すことになりました。

人はずっと同じではありません。年齢も、体形も、好みも変わって、適したものは変遷していきます。だからこそ、同じジャンルのものをあまり持ちすぎないことが得策ですね。

ワイシャツの断捨離で弾みがついた夫は、靴にも手をつけ4足を手放すことができました。こだわりの良いものだったので、うち2足はなかなかのよい値でメルカリで売ることができました。

家族のものとの向き合い方

家族のものが多くて、「どうせ使ってないのに」「スペースあけてほしい」とお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。自分がスッキリさせたいとがんばっている方ほど、つらいことでしょう。

それでも人は、自分が納得しなければものを手放すことはできません。そのタイミングは人それぞれで、強制すれば禍根を残してしまいます。

できることは、本人が腑に落ちるのを待つこと。そして、適度な促しです。

例えばものすごい量の服をキープしている夫に、「こんなにパンツいる?」と聞いてみる。最初は「いる」と抵抗するかもしれません。「どうだろう」とにごされるかもしれません。そうしたらまた半年後に、「こんなにパンツ必要だった?」と聞いてみる。
もしかしたら、「たしかに着てないな」と納得できるかもしれません。

大事なのは、何度もあきらめずに聞いてみること。
「着てる?」と聞かれるたびに、「着てないな」という意識は積み重なります。言葉に出さなかったとしても、心のなかでは執着心が崩れて“事実ベース”で考えられるきっかけを与えられるのです。

コツは、責め口調ではなく“事実確認”のフラットな投げかけ。そして「服」という大分類よりも、「スポーツウェア」「セーター」などピンポイントで問うこと。あまりに大きい塊よりも向き合いやすく、取り掛かるハードルを下げられると思います。

靴箱には「靴だけ」と決めなくてもOK。アクセスしにくい玄関収納の上段は、「オフシーズンもの」「予備パーツ」などの保管場所にぴったり。

あわせて読みたい