SNSなどを見ていると、「あの人の家と比べてウチは……」「いつも散らかっている」などと感じてしまうことも。「他人と比較して落ち込まなくても大丈夫。何もかもしまい込んだり、隠したりする必要はありません」と話すのは、整理収納アドバイザーの水谷妙子さん。心がラクになる収納の考え方を教えてくれました。

水谷妙子

水谷妙子

「無印良品」で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務めたのち、現在は整理収納アドバイザーとしてお片づけ講座開催、書籍出版やテレビなどで活躍。

https://www.instagram.com/monotokazoku/

いつ、誰が使うのか? 使う人に合わせて収納方法を決める

何もかも扉の中にしまい込むと、見た目はとてもきれい。白いボックスなら中身も見えないし、さらにすっきりですよね。これが「隠す」収納。でもいちいちしまうの、疲れませんか? そして使った後、毎回元に戻せていますか?

すべて隠さなくてもいい。よく使うモノは出しっぱなしでもいいというのが私の考えです。
わが家の例でいうと、毎日使う体温計やボールペンなどの文房具は出しっぱなしです。ペン立てにまとめて入れ、キッチンカウンターの上に置いています。

あとは誰が使うかも大切。片づけが苦手な人や小さなこどもは、よくモノを出したままにしますよね。自分がどれだけ頑張って隠す収納を実践しても、他の家族には隠す実力が果たしてあるのでしょうか?
理想と現実にしっかり目を向け、実力がないのであればもう隠さなくてもいいと私は思うのです。いっそ「出しっぱなしでいい」と決めてしまえば、ストレスを感じることもなくなるはず。

だから、頑張ったらしまえるモノは隠してもOK。頑張ってもしまえない(出しっぱなしになる)モノは隠すのを諦めて、出しっぱなし前提で収納を考えます。

こどもたちが使うパソコンやタブレット類は、扉の中にはしまいません。
こどもの目線に合わせた壁面収納の棚に置き場をつくり、透明の仕切りスタンドに立てかけるだけの簡単収納です。

ちなみに出しっぱなしは見栄えが悪いからといって、よく使うモノを中身の見えないフタつき収納にしまうのは逆効果です。

ゴチャゴチャを隠せるかわりに、出し入れする手間は余計にかかることになります。かわいい缶や箱を使うのも同じことなので、注意が必要です。

使用頻度が低いモノは、扉の中にしまってもいい

ただし、すべてのモノを均等に使いやすく、出し入れしやすくする必要はありません。何もかも出したままにはしておけませんよね。使う頻度があまり高くないなら、隠して収納してもいいと私は思っています。

わが家では使用頻度が低い、いわゆる2軍の文房具は壁面収納の扉の中にしまっています。1日に何度も使うわけではないので、扉を開け閉めする動作もそれほど苦になりません。

片づけは割り切りが大事。ひとり暮らしなら自分が頑張ればいいだけですが、同居人がいるなら使う人に合わせる配慮をしたいものです。

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