本多さんの今月の「買ってよかったもの」「手放したもの」とは?
今月の本多家、2つのものについてのショートストーリー。

本多 さおり

本多 さおり

暮らしを愛する整理収納コンサルタント。雑誌やwebなどで暮らし重視のシンプルな収納術を提案している。『家事がとことんラクになる 暮らしやすい家づくり』(PHP 研究所)には物件探し&購入から家づくりの工夫まで紹介されている。また、新著書に『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)などがある。

http://hondasaori.com/

今月の買ってよかったもの
“これさえあれば”のメイク用品

メイクをするのがきらいです。なにしろ、身づくろいに興味が持てません。
ひとところにじっとしているのも苦手な類のことなので、つい後回しにしてしまう朝の”せねばならぬこと”代表がメイク。家事の方がよっぽどマシです。
取材しに来てくださった方々をお迎えした時点で、ノーメイクということもあるくらい。

だから私に必要なのは、とにかく「手早く簡単に」「目に見えて効果のある」メイク用品です。

そして求める効果はハッキリと、2つ。
いっとき、人から「疲れてる?」「大丈夫?」と聞かれることが多く、言われるたびにガーンとショックを受けていた時期がありました。身にしみて感じたのは、血色の重要性。
そして日焼けしやすいのでUVケアも必須です。
面倒だからファンデをしないという日でも、日焼け止めとチークは絶対、なのです。

30半ばでキャンバスの質が変わる問題

数年前、メイクの先生に取材をしたことがありました。今の自分に合ったメイクを教えてもらうというありがたい内容です。多くの人は、若いときからしていたメイクをそのまま続けがちなのだとか。ところが「キャンバス=顔面」は変わっているのです。どうしたってハリとツヤは損なわれ、パーツの輪郭はぼやけてくる。それを補うのが、大人のメイクだということ。
収納でもなんでも、大切なのは現実を直視することですね……。

先生に習うまでは、マットな質感のメイクを好んでいました。でも、もうそんなことを言っている場合ではなさそうです。今の自分に合った、メイク用品が必要。光とみずみずしさでアラを飛ばし、血色を補っていく必要があることを知りましたから。さらに私の場合は、簡単に手早くできるものに頼らなければ、結局のところ手をつけずノーメイクで生きていくことになりかねないのですから。

やる気を後押ししてくれるメイク用品

私はドラッグストアをぶらぶらパトロールするのが好きです。ふだんの買い物ではそんな時間が取れないので、たまの機会にじっくり見て回るのは至福の時。まるで、東急ハンズやロフト、PLAZAのような、バラエティショップをめぐる楽しさに似ています。
とくに、ふだん近づく機会のないメイクコーナーはじっくりと。日進月歩で新しいものが出るこのジャンル。「へえ、UVケアも兼ねられるんだ」「塗るだけでツヤも血色も出るの?」と発見できるチャンスなのです。

購入に至るのは、「メイクする気を起こさせてくれるな」と感じたもの。正直なところ、私程度の腕では、何を使っても顔が激変するわけではありません。だから、どれだけ「やる気」「やった感」を上げてくれるかが、非常に重要なのです。

今回発見したのは、「ALLIE クロノビューティ カラーチューニングUV」。これさえ塗れば顔色を明るくしてくれて、そのうえ日焼け止めの効果も。さらには同じシリーズで、「ALLIE クロノビューティ カラーオンUVチーク」も発掘。日焼けしやすくシミのできやすいゾーンと、チークをのせたい場所はどちらも同じ頬骨あたり。だからUVカットをしつつ頬に色をのせられるようにしました、という「考えた人すごい」な一品です。
普段のベースメイクはこのふたつ、最後にパウダーをはたいておしまい。色づきが自然で化粧崩れもなく、とても重宝しています。

出来心でパッと買ったメイク用品には失敗もあるけれど、じっくりパトロールならほぼ失敗がありません。そして前述のとおりメイクにはまったく詳しくありませんが、自分の顔で何を実現したいのか絞っておくと選びやすいなと思いました。

手放したもの セラーメイトの保存瓶

記憶があいまいなほど遥か昔、梅酒や梅ジュース、らっきょう漬けをつくっていました。らっきょう漬けは、夫がはまったんです。
ただ、今は誰も保存食づくりをしていません。3つほどあった保存瓶は、安いものはあっさり手放したけれど、もののよいセラーメイトだけが残っていました。シリアルを入れてみたり、なんとか使う努力をしてはいました。こどもが大きくなって余裕が出たら、また作り始めるかもしれないとも思っていたのです。その、余裕の出てきた今、やる気ゼロ。ということは、もうやらないということでしょう。

趣味も、好みも、ライフスタイルも変わっていくのが人生。時代時代で役割を終えるものがあるのは当然です。
いいものほど手放しがたくなるけれど、ベストなのは”今その時代にいる”人に譲ることでしょう。知人でも、リサイクルショップでも、方法はあります。セラーメイトの保存瓶も、折に触れ知人に「いらない?」と聞いていたけれど、必要としている人はいませんでした。思い切って、もう手放そうと思います。

キッチンで着目したいのは、「製菓グッズ」「弁当箱」「水筒」「ミキサーなどの調理家電」。こうやってひとくくりでまとめられているものは、とくに要注意です。3年、いや10年使われていないものがごっそり出てくる可能性を秘めています。
十分にスペースがあるならよいのですが、もしキッチンがきゅうきゅうで使いにくいのであれば見直しがおすすめ。そこを空けて、ものをスライドさせることで、より使いやすいキッチンに生まれ変わることうけあいです。

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