本多さんの今月の「買ってよかったもの」「手放したもの」とは?
今月の本多家、2つのものについてのショートストーリー。
今月の買ってよかったもの 油はねガードネット
揚げ物、はじめました。
というのも、今まではじめていなかったので。
まず、料理自体にハードルを感じているんです。そのうえ揚げ物となれば、油の処理が面倒。周りが汚れ、換気扇の油汚れもすごいと聞きます。
さらには、唐揚げのレシピがこの世に多すぎる。どれを選ぶべきなのか、そこで思考停止でした。食べたいときは買ってくればいい。
それがどうして揚げ物をはじめるに至ったかというと、シンプルにこどもたちの食べる量が増えてきたから。出来合いの唐揚げを大量に買ってくるのはコストがかかるし、結構な荷物になり気軽に買えない。それならば、家でどんどん揚げてこどもたちに思う存分食べてもらいたい。
消費量の変化で、最適解が変わったのでした。
来たるべき男児ふたり大量肉消費時代に向けて
やってみたのは、「唐揚げ粉」をつけるだけの唐揚げ。とても簡単で、おいしい。こどもたちも大喜びで、コスパ良好です。周りのお母さん方が「唐揚げはラクだよ」と言っていた理由が、ようやくわかりました。私もキッチンドランカーとして、揚げたてをつまみながらビールを飲む喜びを発見。

油汚れ問題には、キッチン雑貨のお店で見つけた「コパン 調理具合がよく見える油はねガードネット」が活躍してくれています。鍋の上にかぶせれば、そのあたりに油が飛び散ることはありません。商品名の通り黒のネットは視認性がよく、かぶせても鍋の中がよく見える。ネット自体に焦げがついても目立ちません。

暮らしの中に多々ある「やるべきなんだけどなかなか手のつかないこと」、「気が重くて負担なこと」。そこに救いの手を差し伸べてくれる、やる気を起こしてラクに遂行させてくれるものとの出会いは幸福です。見つけたとき、そして実際に使って「助かる~」となったときに感じるのは、悦。
処理についても、油は浅めの揚げ焼きにしているのでさほど億劫ではありませんでした。古靴下に吸い取らせて、ポイ。さすがに、換気扇の掃除は頻度を上げたほうがよいのでしょうか。それでも、幸せの代償と思えばやっていけそうです。
これからますます大きくなり、大量の肉を欲し始めるであろう小学生男児ふたり。そんな未来が、恐ろしくもあり、楽しみでもある昨今です。

揚げ物で使うフライパンと一緒に、IHコンロのすぐ下に
手放したもの マフィン型

引っ越しをするたびにものを減らしてきましたが、このマフィン型だけは独身時代から網の目をかいくぐってきました。唯一生き残った、「実際のところ使っていない」ものだと思います。これまでの幾度もの収納見直しで、棚の右へ行ったり、左へ行ったり。
なぜかと振り返ってみると、きっと、このマフィン型にはおいしい楽しい記憶が宿っているから。料理は嫌いだけれど、お菓子作りは好きだったあのころ。簡単なマフィンづくりは、苦も無くおいしい思いだけをさせてくれる、甘い思い出なのです。
「いつかこどもに焼いてあげよう」「気が向いたときにつくろう」。そんな気持ちで、ずっと持ち続けていたのでした。
ところが、ふたりの男児は焼き菓子にまったく興味がありません。私の気も、まったく向く気配がありません。そしてふと、「もし焼くにしても、紙コップを型にしてもいいんだよな」と思ったのです。
たったひとつ、最後に残した“お菓子作りを楽しんでいた私”のかけら。ついに「手放そう」と思えたのでした。
収納を圧迫しがちな、昔の趣味のもの
収納相談に伺うと、収納から出てくる「昔の趣味のもの」のツートップがお菓子作りグッズと手芸道具です。とくにジャマになっていなければ問題ありませんが、おそらくそのスペースが空けばほかのスペースにゆとりが出るなど暮らしをラクにはするでしょう。
無理に手放す必要はありませんが、たまには収納から出してみて、道具と向き合い要・不要をジャッジする機会をつくるといいかもしれません。
「また使うかもしれない」が大方の手放せない理由ですが、どうせ再開するならば、新しい道具で始めるというのも手です。道具は進化をしていますし、新しいものを買いに行くのはきっとワクワクする行為。持っているものに合わせて作るのではなく、作りたいものに合わせて道具を買ったほうがいいじゃないですか。
マフィン型を手放した私は今、「次にお菓子作りをしたくなったら、道具を選びに出かけるのが楽しみだな」。そんな気分です。