本多さんの今月の「買ってよかったもの」「手放したもの」とは?
新年を彩る2つのモノについてのショートストーリー。

本多 さおり

本多 さおり

暮らしを愛する整理収納コンサルタント。雑誌やwebなどで暮らし重視のシンプルな収納術を提案している。『家事がとことんラクになる 暮らしやすい家づくり』(PHP 研究所)には物件探し&購入から家づくりの工夫まで紹介されている。また、新著書に『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)などがある。

http://hondasaori.com/

今月の買ってよかったモノ「カレンダー」

新年を迎えるための買い物は、楽しいものですね。持ちものは少数精鋭であることが何より暮らしをラクにしてくれるので、手あたり次第にものを増やすことはできません。だからこそ、“買わないといけない”ものが出現すると「やったー買わなきゃ!どれ選ぼう!」と心弾むのです。

自分の短所を補ってくれるかわいい日めくり

気持ちも新たに“買ってよい”新年のものに、カレンダーがあります。初めて、日めくりカレンダーを購入してみました。
理由はふたつ。
ひとつ目は、ほぼ毎日「今日って何日?」と思う瞬間があるから。もともとの性質として、数字の把握が苦手なのです。ここで、「もっと数に強くならないと」「日にちくらい覚えてないと」と自分に圧をかけたところでムリな話。人間はそうそう変わるものではありません。

だから、自分ではなくて環境を変えてみます。この日めくりカレンダーをトイレにかけることで、毎朝最初にトイレに入る自分がめくることになる。今日が何日で何曜日なのかを把握できるのと同時に、「今日の始まりだなあ」と気持ち新たに1日のスタートをきることができるではありませんか。私ももうすぐ40歳。日付くらい知りながら生きていきたい。

もうひとつの理由は、大好きな「無印良品」が、昨年までなかった日めくりカレンダーを発売したから。「無印良品」には、スーパーに通うかのように常日頃から足を運んでいます。新商品は必ずチェック。この日めくりは、必要な情報はきちんと記されていながら、シンプルかつかわいいデザインなのがさすが。これならばトイレの景観を上げてくれこそすれ、下げることはありません。

本多家のカレンダーまわりのあれこれ

ミルタタさんのイラストが好きで、額装したものを1枚家のなかに飾っています。「北欧、暮らしの道具店」で彼が手がけたカレンダーを見つけて、まだ秋にもならないころに2024年分を購入しました。イラスト部分と数字部分の間に切り取り線が入っていて、カレンダーとしての機能が終わってもイラストだけを楽しむことができるつくりです。

カレンダーが家に届いたときに、パッと見て「白い壁に映えそうだな」と思いました。文房具の収納や飾りのために使っているダイニングの可動棚は、白壁についています。この前に立つことは多いので、無印良品の「おえかきマグネットハンガー」を使って棚の間に吊るすことにしました。この場所でこどもの提出書類に記入することが多いため、目の前にカレンダーがあるのは大助かり。飾りやグリーンとミルタタさんのイラストがしっくりと馴染んで、よりお気に入りのスペースになりました。

わが家のカレンダーといえば、もうひとつ。数字マスだけの、シンプルな2カ月カレンダーです。こちらにはスケジュールを書きこんでいて、資料とともにしまってあったり、そのあたりに出ていたり。スマホのグーグルカレンダーも利用しているのですが、やはり電話をかけながら予定を見たいときにはリアルなカレンダーが便利。
今使っているものはちょっと小さくて書き込むのが大変。とはいえこのタイプで月曜始まりのほどよい大きさのものを、まだ見つけられていません。私にとってのベストな2カ月カレンダーを探す旅は、まだ続きそうです。

今月の手放すモノ「オリジナルの年賀状ブック」思い出保管の考え方

この11年、欠かさず「年賀状ブック」なるものをつくっています。いただいた年賀状を束にして、側面にたっぷりノリを塗って紙一枚のカバーを貼り付けてつくる、オリジナルなブック。年賀状をいただくのは、毎年の楽しみです。懐かしい友人からの便りや、いつの間にか育っているこどもたちの様子にほくほく。

ただ、昨年ついにボックスに入りきらなくなりました。迷いに迷って、ボックスをサイズアップ。問題を先送りにしたかたちです。だって毎年増えていく一方と、わかっているものだから。無限に増やすわけにはいかないし、増えるほどに見る機会は減っていくでしょう。

先送られた時が、まさに今。新しい年賀状が来たこのタイミングで、思い切って古い方から5冊を手放します。思ったときが手放しどき。少しずつの放出では、なかなかはかどりません。最初に大きく手放すことで、次回も大きく出やすくなります。だいたい、手放して後悔することなどないのですから。
あまりに思い出深い便りや、作品性の高い年賀状などは抜いて取っておくつもりです。思い出のものを取っておくときは、「見返せるように」保管しないと取っておく甲斐がありません。年賀状をブックにしているのもそのためですが、そもそも量の調整は「見やすくする」の第一歩だと感じています。

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