真似してみたい！ パリ郊外、一軒家のインテリア

Rさん宅のプロフィール

一軒家（築40年）
床面積：約200㎡
間取り：4LD＋K＋地下
家族：夫、妻、息子（12歳）、猫1匹

郊外の一軒家は、ゆったり広々！

パリの中心地から郊外行きの電車で約20分。住宅が整然と立ち並ぶ閑静なエリアに、日本人女性Rさんの家はあります。しっかりした門構えの庭付き一軒家。在仏暦14年のRさんは、この家に暮らして10年になります。

パリ市内のアパルトマンでは、20〜30平米などコンパクトな物件も多くみられますが、200平米を超える二階建ての一軒家はゆったり空間。パーキングを兼ねた地下室もあり、収納スペースは十分です。Rさんのパートナーはフランス人ですが、玄関では家族みんなが靴を脱ぎ、日本式にスリッパで生活しているのが印象的でした。

「ここは元々、息子が赤ちゃんの頃、シッターをしてくれていた方の家でした。売りに出すと聞いて、すぐに内覧し、即決しました。早急に修繕する箇所もなく、家全体の状態がとても良かったからです。少し床を張り替え、壁は自分たちでペンキを塗りました。手を入れたのはそれくらいです」

１階には独立したキッチンと、L字型のリビング・ダイニング、書斎。グランドピアノが置かれたリビングには、どっしりとした暖炉が。シャワーがついたトイレもあります。

階段を上がると広い踊り場があり、主寝室、こども部屋、客間。バスタブのあるシャワー室も、2階にあります。

こちらは夕飯前のワンシーン。パパがメインディッシュ（丸鶏と栗のオーブン焼き）を取り分けてくれました。テーブルセッティングも素敵です。

リビング天井の木の梁は、Rさんのお気に入り。とても美しいものでした。エアコンが縦型なのも、日本との違いを感じます。

友達のための部屋、“シャンブル・ダミ”

フランスのシャンブル・ダミ（chambre d’ami）とは、友達のための部屋、つまり客間です。日本でも、昔ながらの住宅には畳敷きの客間があったものですが、現在の住宅ではあまり見られなくなりました。こうしてお客様のためにベッドを用意しているお宅は少ないのではないでしょうか。

Rさん宅のシャンブル・ダミは、三角屋根の天井。隠れ家のようで、とても落ち着きます。

清潔に整えられた２つのベッドと、小さなデスク。
こうしてデスクがあると、小物を置いたり、ちょっとした書き物をすることもできて便利です。デスクの上に見える白いスティックは、窓のシャッターを開閉するリモコンです。

Rさんの友人たちは、まるで暮らしているかのように、この部屋でリラックスしています。

泊まりにくる友達のイニシャルを飾って、歓迎の気持ちを表現。心のこもったおもてなしです。

鏡に小物を組み合わせた、オリジナルのインテリア

Rさん宅で目を引くのは、あちこちに飾られた鏡。

インテリアショップやブロカント（アンティーク未満の日用雑貨や家具などをフランスではこう呼びます）の店、市などで見つけた鏡は、どれも個性的。絵葉書やドライフラワー、小物などと組み合わせるのが、Rさん流です。

キッチンの壁にかけられた、小鳥モチーフの鏡。
ここにもドライフラワーをあしらい、映り込んでいるグリーンもいい構図になっています。

リビングにも、大きめの鏡を配置。アート作品が際立ちます。

似たモチーフの丸い鏡を重ねて。

ダイニングにあるヴィンテージの鏡は、８つのパーツから成る、とても意匠を凝らしたものです。

家のあちこちに鏡があると、空間により広がりを感じます。
またそこに、室内のアート、窓からの風景などが映り込み、角度によってさまざまな画が見られるのも魅力的。

小さな鏡を一つ増やすだけでも、部屋の雰囲気は変わるものです。
お気に入りの絵を探すのはなかなか難しいものですが、鏡なら、取り入れやすい。ぜひ真似してみたいテクニックです。

「窓が多く、天窓もあるので、いろいろな角度から光が差込み、家中が明るいところも気に入っています。確かにこれらの鏡も、明るさに一役買っているかもしれませんね」

少しずつ買い集めたブロカントで、模様替えをするのも楽しい、とRさん。
キッチンを将来丸ごと改装したいという希望はあるものの、家そのものにはとても満足しているそうです。

こんな家に暮らしてみたい…と、ため息が出るほど素敵な空間でした。