2026年2月、整理収納コンサルタントの本多さおりさんは、フルリノベをしたマンションを手放し、賃貸戸建てに引越しをしました。「賃貸」という制限で、もう、家じゅうに設えられた可動棚も、自由に釘を打てる壁もありません。けれど、家の中はやっぱり本多さんらしく、居心地よく整えられています。今回は、そんな新居のルームツアー! 引っ越しの経緯とともに、すべてのお部屋を見せていただきます。

本多 さおり

本多 さおり

暮らしを愛する整理収納コンサルタント。雑誌やwebなどで暮らし重視のシンプルな収納術を提案している。『家事がとことんラクになる 暮らしやすい家づくり』(PHP 研究所)には物件探し&購入から家づくりの工夫まで紹介されている。また、新著書に『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)などがある。

http://hondasaori.com/

本多さんが引越しを決意した経緯とは?

引っ越しを決意した本多さおりさんの経緯

フルリノベをしたマンションには、息子2人が3歳・1歳からの6年間住んでいました。まっすぐな家事動線、窓から見える緑など、気に入っていたポイントはたくさんあります。けれど、階下からこどもの足音に対する苦情をいただいてしまい、どれだけ対策をしても解消できなかったのです。また、ワンルームの間取りは小さいこどもたちと暮らすのにはピッタリですが、大きくなってくればまたニーズが変わります。
諸々の事情を勘案した結果、戸建てを購入しよう!と決意しました。
そのためには、まずマンションを売って資金をつくっておく必要があります。幸運にも、分譲マンションは希望の値ですぐに売れたので、とりあえずは近所の戸建て賃貸に引越しをしたのでした。
今回は、そんな新居の賃貸戸建ての様子をくまなくお見せするルームツアーです。

まずは1階。ダイニングの中心は円卓

本多さおりさんが選んだマルニ木工HIROSHIMAの円卓

ずっと長方形の大きなダイニングテーブルを置いていましたが、この家に置いてみると改めて「大きすぎるなあ」と感じました。ダイニングテーブルの周りは、家族全員が出入りし、行き来するところ。どうにも、角がジャマなのです。スムーズに動きにくい。

そこで、思い切って丸いテーブル(マルニ木工の「HIROSHIMA」)を購入しました。円卓は四方にスペースが必要ですが、それもあって動きやすい!そして着席してみると、家族全員の顔が視界に収まるので団らんにぴったりです。

本多さおりさん宅のキッチンカウンター下の無印良品スタッキングシェルフ

テーブルのすぐ横、キッチンカウンター下にはスタッキングシェルフ(2段・無印良品)を2つ横ならびに置きました。天板にこどもたちのランドセル、棚の中に学用品などを入れています。大きなかごは、水筒や上着を放り込めるように設置。
ここに定位置があることで、水筒や箸をキッチンに出しやすく、ダイニングで宿題をみてあげるときにも教科書が近くて便利なんです。

本多さおりさんのダイニングに置いた昆虫団地兼飾り棚

スタッキングシェルフ(無印良品)がひとつ余ったので、ダイニングの角に置いて「昆虫団地」兼「飾り棚」にしました。部屋に入ったときにまず目に入る“フォーカルポイント”にあたるので、グリーンやランプをより活かすことができます。下段にある昆虫の幼虫や背表紙の賑やかな図鑑類は、扉で隠して情報量を減らしています。

リビングは、男子チームの憩いの場

本多さおりさんのリビング、男子チームの憩いの場

「ホリーウッドバディーファニチュア」のソファ、「ペタルワーク」にオーダーしたローデスク、「無印良品」のカーテン、「IKEA」のラグと、チャコールで揃えました。
ここは、夫と小学生男児2人がゲームをしたり、ごろごろしながら動画を観るスペース。私には「なんのこっちゃ」なコンテンツばかりなので、いつも男子チームしかここにいません。私はまるで彼らの寮母……。

本多さおりさん宅の山善の隙間トローリー収納

ソファの横に「山善」の隙間トローリーを置き、上段にハンディ掃除機やハンディモップなどの掃除道具を入れています。私がサッと掃除をするためだったのですが、最近はこどもも菓子くずを吸ってくれることが!
手や口を拭くティッシュとごみ箱はこの場所に必須。散らかりを防ぐポイントです。

本多さおりさんのテレビ下、IKEAスコーディスの有孔ボード収納

テレビの下には、自立型の有孔ボード、「IKEA」のスコーディスを置き、ごちゃつかないように整理しました。ゲーム機や腹筋ローラーを収めています。裏側には「無印良品」のスチールタップ収納箱を設置して、電源やコードをまとめています。このボードひとつを持ち上げれば下をサッと掃除できる仕組みです。

ダイニング横の半端な4畳スペースは、多目的に

本多さおりさん宅のダイニング横4畳スペースと衣装ケース

ダイニングの隣には、ポコッと飛び出た4畳ほどのスペースがあります。何も置かずに広々とさせておく手もあるのですが、あまり用がない。そして家具を壁に付けると、ダイニングやリビングといった生活ゾーンからモノが数歩分遠くなってしまいます。
毎日のことなので、モノの遠さは「たかが数歩、されど数歩」。戻さなくなったり、使わなくなる大きな原因となります。

引越してきてまず、衣装ケース8つをここに置きました。浴室に行く途上で、こどもの着替えを取れるようにするためです。本来なら、全員分の下着やパジャマを脱衣所に置きたいところ。けれどスペースがないので、せめて浴室までの動線上に。
次に、「無印良品」のスタッキングシェルフ(写真右)を壁に付けたり、向きを変えたりいろいろと試しているうちに、衣装ケースと並べたら幅がぴったり合うことに気づきました。

「家具2つでスペースを区切れば、モノは手前で取りやすくなり、奥は別の用途で使えそうだ」
というわけで、この配置で落ち着いています。
奥には仕事机を置いてみたり、コットを置いて昼寝スペースにしたり、椅子を置いてくつろぎスペースにしてみたり。誰かしらの半プライベートな居場所になっています。

本多さおりさんが選んだ紙製扉「&PAPERS」のFLAP収納

右に置いたスタッキングシェルフ専用の紙製の扉、「&PAPERS」のFLAPで目隠し。こちらでは、電動自転車や掃除機のバッテリーを充電しながら収納しています。ホコリよけにもなり、見た目のスッキリも叶えてくれています。
本当に高頻度に使うモノはオープンに置いた方が良いですが、頻度の低いモノは隠すことで部屋の情報量を減らすようにしています。

本多さおりさん宅の衣装ケースとコの字棚を使った収納

こどもたちの下着と服、夫と私の下着と部屋着がここに。浴室と階段につながる場所で、お風呂、寝室、生活スペースを行き来する動線上です。
衣装ケースにかぶせた木枠は、前の家から持ってきた大工さん造作のコの字棚。シンプルなコの字の棚は何より汎用性が高いので、何かに使えると思ったのです。見事、スポッとはまりました。プラスチックの存在感が減り、洗濯物をたたむ台が出現しました。

本多さおりさんの突っ張り棒とポールを使った衣類収納

半端スペースにある収納には、強力突っ張り棒で上部にポールを設え、私と夫の服をかけています。下段はこどものシーズンオフや、出番待ちの学用品、工具など。
左に見えているコの字の背面には、有孔ボードを打ち付けてこどもの習い事バッグを掛けています。

ダイニングから見えるキッチンの工夫

本多さおりさん宅のカウンターキッチンの工夫

これまで壁付のキッチンでしたが、カウンター式もこどもの様子を見ながら作業ができていいですね。
リビング側から見えるので、存在感の大きい冷蔵庫を左端に寄せるなど見え方を意識しています。

本多さおりさんのキッチンカウンターに置いたグリーン

カウンターにはグリーンを置いて。実は、その裏側に……

本多さおりさんのキッチンツール収納の様子

キッチンツール。
包丁立て、大小2つのツール立てを置いて、よく使うツールをトレイでまとめています。調理台にオープンな状態で置いてあるのが、一番楽。たくさん刺さっていますが、グリーンのおかげでダイニングからは見えません。
頻度の低いツールは吊戸棚のなかに、持ち手つきの透明な箱でまとめています。

本多さおりさんのカウンター右端の小引き出し収納

こちらはカウンターの右端。印鑑や文具、レシートを入れた小引き出しです。下にランドセル置き場があるので、提出物を「取って記入して戻す」がその場でできます。
そして実は、この裏には配膳に使うトレイが。うまいことトレイ隠しにもなってくれています。

本多さおりさん宅の食器上げ下げスペース

食器の上げ下げスペースは確保しつつ、モノの定位置としてもカウンターを利用しています。

持っているモノでキッチンを構築

キッチン入口から見た本多さおりさん宅キッチンの様子

キッチンの入口から見た様子がこちらです。前の家は完全オープンなキッチンでしたが、半個室型のキッチンになりました。

本多さおりさんが再利用した無印良品ユニットシェルフ

背面に置いた「無印良品」のユニットシェルフは、前の前の家のキッチンで使っていたもの。一度義実家の納戸で使ってもらっていましたが、「持っていっていいよ」と言ってくれたので再登板!
帆立を買い足して、横にスペースを増やしました。
丈夫で長持ち、場所や用途によってカスタマイズ自在なユニットシェルフです。

本多さおりさんが使う北欧、暮らしの道具店のお菓子収納ケース

こどものお菓子は、「北欧、暮らしの道具店」の洗えるペーパー収納ケースMに入れて、引き出し上に。こどもが学校から帰ったら、リビングにケースごと持っていきます。中にはごみ入れとハサミを常備。

コンパクトでも工夫が満載の洗面所

本多さおりさん宅のコンパクトな洗面所とDIY棚

収納が洗面台下しかなく、コンパクトな洗面所。バスタオルや洗濯カゴを置ける棚をDIYで付けました。

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鏡に写っている反対側の壁には、「IKEA」のスコーディスの壁面収納を取り付け。バスブーツやハンガー、入浴中に使うヘッドマッサージャーなどを空中収納しています。

浴室のドア上には、突っ張り棒。
水場周辺では、風に当てて乾かしたいモノがたくさん出ます。とりあえず吊るしておける場所をつくっておくと大変便利。また、吊るして乾かしながら収納できる仕組みも重宝します。洗面台の鏡の下には、コップ用のフックを使って家族分のコップを。

本多家初の、2フロアある家。2階はどう使っている?

これまで集合住宅ばかりに住んできたため、階段のある2階建ての家は初めて。2階には、6畳、6畳、8畳の洋室があります。こどもたちはまだ自室を必要としていません。どのように使っているかというと……。

6畳の洋室は、念願のワークスペースに!

本多さおりさんの念願のワークスペースと無印良品デスク

最初は1階の「半端なスペース」にワーク用のデスクを置いて仕事をしていました。けれど、こどもたちが学校から帰って来ると大騒ぎで仕事になりません。
試しに2階にデスクを移してみたら、「集中できる!」

デスクは、シンプルかつ細々した文具を入れられる引き出し付きを探しました。また奥行きは、場所を取らないように浅いものを。
自分だけが使う家具ということで、価格を抑えるためにメルカリで「無印良品」の木製デスクを購入。質感や色味が、わがやの各所で活躍している「無印良品」のスタッキングシェルフに合う、というのも決め手です。色味やテイストの合うもので家具を揃えると、どんな組み合わせでもしっくり馴染んで、暮らしに合わせて用途を変えていきやすいメリットがあります。

本多さおりさんのデスク横に取り付けたIKEA有孔ボード

デスクの側面にも「IKEA」の有孔ボードを取り付けて、ノートや電源タップの置き場所に。しっかりとした木製の机なので、直接ネジ打ちで取り付けています。
ハンディモップ、三脚、ヨガマットもこちら。用途に応じて多様なパーツがあるスコーディス、大好きです!

ワーク部屋の収納は、こちらのウォークインクローゼット。

本多さおりさん宅のウォークインクローゼット収納

オフシーズンの夫服、釣り道具、クリスマスツリーなどをしまい、めったに開けない納戸として使っています。ここに使わないモノを集約することで、ほかの場所をスッキリ保てるのです。
とはいえ、魔窟にならないように時折見直し、ちゃんと“ウォークイン”できるように心がけています。

何も置かない、がらんどうの8畳の寝室

本多さおりさん宅の何も置かない8畳の寝室

一番広い8畳の洋室が、家族4人の寝室です。ここは布団を敷き詰めるので、何も置きません。布団の上げ下げでホコリが出るため、掃除をしやすくという意識もあります。
毎日布団をたてかけて空気を通し、ホコリが下に落ち着いたころにフロアワイパーでサッと掃除をしています。

本多さおりさんがクローゼットにしまう布団

来客があったり、こどもがここで遊びたがったときには、ウォークインクローゼットの中に布団をしまいます。普段は部屋に出したまま、立てて乾燥させています。

本多さおりさんのクローゼット扉のティッシュ&ごみ箱収納

クローゼット扉に、文具のカードリングを利用して「ティッシュ」「ごみ箱」を吊るしています。床に直置きしなければ、掃除のしやすさが保てます。

室内干しに便利な、6畳の空き部屋

本多さおりさん宅の室内干しに使う6畳の空き部屋

こどもがまだ個室を欲していないため、2階の1部屋が空いています。
マットを敷き詰めて、おもちゃのサッカーボールとゴールを置き、体を使って遊べる部屋に。今は主に、週末のシーツなど大物を室内干しする場所として活躍しています。

本多さおりさん宅のおもちゃ収納コーナー

おもちゃはこの部屋の一角にひとまとめに置いています。
しまいこむと遊ばないので、見えるように。かといって1階に置いても遊ばないので、2階の空き部屋にあるわけですが……。
折に触れ「いる・いらない」をやってもらって、少しずつ減らしています。

本多さおりさんの空き部屋にある納戸収納

空き部屋の収納も、ほぼ開けることのない納戸として機能しています。2階の収納は普段過ごす場所から遠いので、普段使いの収納にはしません。
キャンプ道具、本、私のオフシーズン服などを収めて。必需品ではないモノが潜んでいるので、ときに見直しをして物量を減らしていきたいと思っています。

お引越しを終えて 本多家のこれから

引っ越しを終えた本多さおりさんとこれからの暮らし

結婚して家庭を築いてから初めての一戸建て。2フロア、かつこんなに広い面積に住むのは初めてです。モノの配置を一から構築するのは大変で、何度も出し入れを繰り返しました。
正直なところ、家の中の設えに大満足しているわけではありません。けれど、この広さだから自分の仕事部屋を持つことが叶い、小学生たちが帰宅後も仕事をすることができています。階下を気にせずこどもたちは過ごせて、友だちを呼んで楽しんでいます。

一方で、「いつかは持ち家を」「できれば早い段階で」という望みは捨てておらず、いつ引っ越すことになるかはわかりません。最近も夫が、「ここの建て売りいいんじゃない?どんな家だって住みこなせるんだからさあ(褒めたの?)」なんて言いながら物件情報を見せてきました。
うーん!好みの設えと全然違うのだけれど妥協すべきなの!?
気が向かないけど場所や予算を考えると仕方がないの!?

というわけで、何も決まっていないがために、いまだカーテンをつけていない窓もあるわが家です。このまま4年6年と住み続けるのか、更新の2年より早く去っていくのか?
わからないながらも、何より大切なのは「今の暮らしやすさ」。つねに、より良いモノの定位置や収納を、考え続けていきたいと思っています。

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