第1回第2回の連載では、整理収納の「整理」についての考え方を整理収納アドバイザーの水谷妙子さんに教えていただきました。今回はいよいよ「収納」のお話。どう収納するか、具体的なテクニックばかりが取り上げられがちですが、実はその前に決めるべきことがあります。

水谷妙子

水谷妙子

「無印良品」で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務めたのち、現在は整理収納アドバイザーとしてお片づけ講座開催、書籍出版やテレビなどで活躍。

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どこで使うかを考えると、自然と置き場所が決まる

基本的に、モノは使う場所に置くのが最も便利で合理的。フライパンは当たり前のようにキッチン収納に収めますよね。でもキッチン道具以外のモノ(服や生活用品など)は、思いのほかそれができていないケースも多いんです。

服や下着類について考えてみましょう。わが家の場合、私の下着類は洗面所に収納スペースをつくりました。ボックスひとつ分で量が少なく、入浴後にここで着替えるからです。洗濯物を乾燥させた後も、洗濯乾燥機から一歩も動かずポイッと収納できます。

本当なら、家族全員分の下着とこどもたちの服を洗面所に置きたい。でも、残念ながらスペースにゆとりはありません。広い家に住んでいたり、注文住宅の建築などで一から間取りを考えられる人以外は、置きたい場所にスペースがとれない場合も多いはず。ではどうしたらいいでしょうか?

よく通る場所や、長い時間過ごす場所に置くと便利

暮らしの中で自分や家族がどのように動き、モノを使うのか。いわゆる生活動線上に収納するのが正解です。

わが家の場合、こどもたちの服はリビング続きの洋室に置いています。理由は、ここが家の中心で家族みんなが長く過ごす場所だから。乾いた洗濯物をしまうのにも便利だし、こどもが身支度しやすく親の目もしっかり届きます。もしこれがリビングから離れた別の洋室だったらどうでしょうか。低年齢だとひとりで着替えに行けないかもしれません。

ちなみに、私のバッグやコートは玄関に収納。どちらも外でのみ使うから、外と家の中をつなぐ場所=玄関に収納するのが最も合理的だと私は考えています。

置く場所が決まったら、ようやく「何に」「どうやって」収納するかを検討します。第1回目の連載でお話ししたように、収納ボックスを先に買っちゃダメですよ!

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