きれいに並ぶ収納ボックスと、統一された美しい印字ラベル。でもちょっと待って。そのラベルと中身、一致していますか? 「ラベルの強制力って、実はすごいんです」と整理収納アドバイザーの水谷妙子さん。今回は収納とラベルの、切っても切り離せない関係について話を伺いました。

水谷妙子

水谷妙子

「無印良品」で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務めたのち、現在は整理収納アドバイザーとしてお片づけ講座開催、書籍出版やテレビなどで活躍。

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一度つけたら変更不可!? そんな強制力すら感じるラベルのパワー

収納アイテムにラベルを貼るのは、SNSでもおなじみの光景。ラベルライターを持っているという人も多いのではないでしょうか。

かくいう私も、整理収納アドバイザーの資格を取った当時は使用していました。書類整理のラベルを一生懸命つくって大満足。でも、使っていくうちに「分類を見直したい」と思う部分がちらほら出てきたのです。
でも、なんだか変えにくくて。活字となったラベリングを見るたびに「この収納は確定」という気持ちになっていたのかもしれません。収納は、暮らしながら常に試行錯誤していくもの。見直すたびにラベルをつくり直せばすむ話ですが、いちいち面倒ですよね。

一度つけたラベルは永遠ではない。ならば、手書きラベルのほうが便利なのでは?とその時に気づいたのです。

ラベルは手書きでじゅうぶん。むしろそのほうがアップデートしやすい

今、わが家にあるラベルはマスキングテープ、付箋、養生テープに手書きしたものがほとんどです。

いつでも気軽に書き換えられるし、マスキングテープや付箋は色で見分けることもできて便利。養生テープは幅が広いため、イラストを添えたい人に特におすすめです。

まだ文字が読めないような小さなこどもには、絵で直感的に分かるような工夫が必要。わが家でも、おもちゃ収納には養生テープでラベルをつけています。末っ子の読み書きレベルに合わせて、ひらがなとイラスト入り。

見た目を気にして英語ラベルにしても、こどもが理解できなければ本末転倒です。1をプラレール、2を積み木などと数字に置き換えるのも、こどもにとってはハードルの高いラベル。出し入れするのにいちいち親がサポートしなければならなくなるかも?
ラベルはシンプルで分かりやすいことが最も大切です。

家族全員が場所を覚えているなら、ラベルはなくてもいい

ラベルは必ずつけたほうがいいかというと、そうでもありません。同じ収納ボックスが並んでいて判別がつきにくかったり、形が似ているモノをいくつか収納したりする場合は、ラベルがあると確かに便利。わが家では、よく買う納豆とヨーグルトカップの形状が似ているため冷蔵庫内の収納にはラベルをつけています。

でも目で見てすぐ分かる収納や、出し入れする場所を覚えているならラベルは不要。最初はラベルをつけていても、家族みんなが覚えた時点で撤去することだってアリです。

娘のヘアアクセサリーは、引っかけ&貼りつけ収納。見たままで分かりやすいし、戻す場所を間違えることはないためラベルなし。

プラスチックなどの資源ごみボックスコーナーも、どのボックスに何を入れるか家族全員が覚えているからラベルはつけていません。おかげで見た目もすっきり。

あまり難しく考えず、何のため誰のためにラベルがあるといいのかをまず考えてみてください。ラベルをつけなきゃいけない。ラベルは印字しなきゃいけない。そんな思い込みを取り払うことで、整理収納はもっとラクになるかもしれません。

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