前オーナーの荷物を処理し、掃除を終えたら、なんとか住めるようになった築30年の信州別荘。あちこち来ているガタには目をつぶり、週末の別荘ライフがはじまりました。

N・Y

N・Y

東京郊外の一軒家で、3人家族+柴犬(3歳)と暮らす、恐妻家のお気楽会社員(53)。30年以上続けるアマチュアJAZZバンドでは、ギターを担当。ジャズ雑誌などで評論記事を執筆。暮らし系のエッセイは初挑戦。コスパよく別荘生活するコツを、あまり堅苦しくなく、お伝えできたらと思います。

掃除をすればするほど、「自分の家」になっていく

大量の荷物をやっとの思いで削除した前回。それが終わったら、ホコリを払い、水拭きをして、モップがけ。ドア部分にはあちこちにうっすらカビも生えていたので、消毒をしながら雑巾掛けをしました。
誰かの持ち物だったその家が、キレイになればなるほど、どんどん自分たちの家になるようで、うれしくなります。
ふだん使っているわけではないので、自宅に散らばっているそれぞれの私物など、モヤモヤするものがありません。掃除はかなり楽でした。

下の写真にある、ソファも小さなこたつ(布をかけています)も、最初のオーナーが置いていったものです。おしゃれかどうかはさておき、使い勝手は悪くないので、ひとまずはそのまま利用させていただくことに。

天井の壁紙、リビングに吊り下がっているペンダントライトも懐かしい雰囲気で、昭和生まれの自分にとってはなんとも落ち着きます。カーテンはところどころ残されていましたが、掃き出し窓にはカーテンがありません。でも、山の中です。家の前の道路は、別荘地の人しかほとんど通らないので、しばらく日中はあけっぱなしで、窓から広がる緑の景色を楽しむことにしました。これぞ、別荘のお楽しみ「借景」です。夜は、シャッターを閉めています。

「まだまだ足りないものはあるけど、なんとか住めるようにはなったね」

私と妻は片付け、掃除、山を降りて買い出し。テストを控えた息子は小部屋で勉強。夕方になったら近所の温泉に行って、日の高いうちから晩ご飯。こんな感じで、わが家はゆるゆると週末の別荘ライフをスタートさせました。

地酒のスパークリング。ワインクーラーがないので、炊飯釜で代用です。過ごしているうちに、ああ、あれが足りないな、これがほしいな、とわかってきました。
ないならないなりに過ごすのも、半分キャンプのような気分で楽しいものです。

やはり築30年の一軒家。ポロポロ出てくる不具合と向き合って

築30年の家です。ここ数年はあまり使われていなかったこともあって、暮らしてみると、あちこち不具合も出てきました。

まず、洗面所。
湿気が溜まりやすい場所だからでしょう。ここは写真に撮るのも怖いくらい、壁紙が剥がれてボロボロになっています。置いてあった洗濯機も、電源は入りますが、なぜか水道が繋がりません。洗面台の周りだけはきれいにして、使えるようになりましたが、お風呂はちょっと使う気になれず…毎回温泉を利用していました。

キッチン自体は何年か前にリフォームされていてきれいなのですが、換気扇が古いタイプなので外から虫が入ってきます。また、妻が「このキッチンの色合い全体を変えたいな」と言います。

しばらくして、キッチンを使うと流しの下の床に水がたまることに妻が気づきました。
ゴン太のトイレシートでとりあえず応急処置をして(上の写真)、設備管理をしてくださっている会社に連絡をしました。

そうこうしているうちに、今度はトイレの水が流れないように!
もともとトイレは老朽化した“ボットントイレ”。「壊れるかも」と言われていたので、覚悟はしていました。ボウルで水を汲んで、なんとか流します。壁紙や床も古くなっていたので、ここはすぐに管理会社に頼んでリフォームすることに決めました。

玄関ポーチもひどく崩れています。
標高1600mの高地ですから、冬はかなり冷え込みます。コンクリートの中の水分が凍って膨らみ、こうして崩してしまうことがあるそう。「凍害」というのだと、地元の人が教えてくれました。

「まあ、このまま使えないこともないけど、やっぱりいくつか手を入れておくべきところはあるね」

予算はありませんから、大々的にリノベーションをするわけにもいきません。
なんとか最小限で、快適な家にすることはできないか。ネットであれこれ検索しては、どういうところに頼むべきかよくわからず、悩んでしまう私たちでした。

リフォーム会社か、地元の工務店か、はたまたショップのインテリア相談か。
いよいよ、次のステップへと進みます。

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