東京と信州の二拠点生活(デュアルライフ)も、早いもので3年目を迎えようとしています。今年は急激に寒さがやってきたからか、紅葉は素晴らしいものでした。そのぶん冬の訪れが早そうなので、先日、さっそく水道も閉めてきました。今回は、3年目で見えてきた二拠点生活のメリット・デメリットについてまとめてみます。
メリットは6つ! 「癒やし」と「自由」に満たされる暮らし
憧れていた二拠点生活。「続けられるの?」「コストは?」などと、周囲から質問を受けることも多くなりました。まずは、メリットからお話ししたいと思います。
1.なんといっても自然に癒される
最大のメリットは、やっぱりこの大自然。季節ごとに変化する山々の風景が癒しを与えてくれます。夏は涼しく、エアコンいらず。秋の紅葉は格別で、山の雪景色を眺めながらの燗酒も最高です。東京で通勤生活をしている私にとって、いまや週末の信州での時間は、何にも代え難いものです。
おそらく仕事のストレスもあるのだと思いますが、東京の自宅では、私も妻も睡眠中に何度か目を覚ましてしまうことがあります。しかし山の家の寝室では、なぜか朝まで眠れるのです。はじめはちょっぴり気になっていた水路の音も、二重窓の導入で解消。ますます眠りの質が良くなりました。
静けさと清々しい空気の中で、朝までぐっすり。これはどんなサプリにも優る、一番の健康法だなと思っています。
2.ペットとの暮らしがもっと楽しく
犬を飼っている人にとって、旅行にはいろいろ課題があります。ペットホテルもたくさんありますが、人気ホテルはなかなか空いていないことも多く、コストもかかります。ほかのペットの気配を感じて、ソワソワ落ち着かないこともあると思います。
最近、わが家では山の家のことを「大きな犬小屋」と呼んでいるのですが、愛犬ゴン太にとっても、すっかり第二のホームになりました。車から飛び降りると、庭をチェックして、すぐに家の中へ入りたがります。家中をパトロールし、いくつかあるお気に入りのスポットで和んでいる姿は、微笑ましいものです。
愛犬と旅行ができるうれしさと安心感。何よりも犬にとっても、同じ環境で過ごせるのはストレス軽減につながります。お互いにWIN-WINだな、と思います。
3.時間を気にせず移動ができる!
思い立ったら、すぐ行ける。チェックイン・アウトの時間を気にすることなく、自分たちの都合で好き勝手に動けるのも魅力です。
この夏は、家族全員が帰宅して、夕飯とお風呂を済ませてからパジャマで出発する、という移動を何度かやりました。到着したら息子はすぐに眠り、私と妻は軽い晩酌。翌朝は、早朝から行動開始できます。この自由さが気持ちのゆとりにつながるのは、思いがけないメリットでした。
4.好きなものに囲まれる空間
この連載の第一回にも書いたことですが、「タイムシェアの別荘」にはなかった、セカンドハウスならではのお楽しみが、コレです。読みたい本や聞きたいCD・レコードなどを常に置いておけるため、私も妻も大満足。自宅の方は、おかげさまで少しスッキリしてきました。こんなふうにコレクションの収納場所としても機能する上に、自宅とはまた違った雰囲気のインテリアを楽しめるのも醍醐味です。
5.「もう一つの家がある」という安心感
これは、よく別荘を持つ人と共通で盛り上がる話なのですが、離れた場所にもう一つの家を持つことには、不思議な安心感があります。これには2つ理由があると思っていて、1つめは、「心の満足」です。
東京で私は、山の家のことをよく想像しています。今、山の景色はどんな感じかな。今度行ったら、どんな料理を食べようか。こんな家具や家電があったら便利かな。あそこに棚をつけてみたらどうだろう……。そんなふうに計画を立てる楽しみは、ふだんの生活に彩りを与えてくれます。
もう1つは、「防災上の安心感」。もしも、東京で何か災害が起こったとしても、なんとか山の家にたどり着くことができれば、当面生活ができると思います。食料や生活必需品なども、いつもローリングストックしています。
6.信州の食材をとことん楽しむ!
地元で採れた高原野菜やきのこはどれもフレッシュで、本当においしい。東京には出回らない食材も多く、訪れるたびに信州の食の豊かさを実感します。海なし県ではありますが、長野が誇る地元スーパー「ツルヤ」に行くと、意外と魚もおいしいものが手に入ります。ツルヤオリジナルのジャムやドレッシングはどれも高品質で、お土産にしてもよろこばれます。
また、長野といえばやっぱり蕎麦。私と妻は蕎麦が大好きで、都内でもあちこち蕎麦屋巡りをするのですが、本場はリーズナブルで量も多く、コスパよし。毎回訪ねるご贔屓店もできましたし、ネットで評価をチェックしながら、いろんな店を試しています。
以上、6つのメリットをお伝えしました。まだまだ他にもありますが、止まらなくなりそうなので、この辺りで……。
デュアルライフの魅力は、離れた場所にもう一つの「自分たちの時間」と「空間」を持てること。リアルなパラレルワールドを手軽に楽しめるところだと思います。
デメリットは3つ。コスト面と将来の「出口戦略」は?
「贅沢」の代名詞のような「別荘」。コスパ生活を心がけてはいますが、もちろん、デメリットもあるわけで……。正直に、デメリットを3つ、お伝えします。
1.コストが増える
快適さと引き換えに、費用は必然的に増加します。
確実にかかる維持費は、別荘地の年間管理費と固定資産税(安いです)。ここに、使った分だけの光熱費。真夏でもエアコンが必要ないので、ほとんど電気代はかかりませんが、寒い時期はやっぱり光熱費がかかります。特に冬場のガス代にはびっくり。そりゃそうです。凍る寸前くらい冷たい水を、ガスで無理やり温めるのですから……。ストーブの灯油も、切らさないように注意です。長野は関東に比べて、燃油が高いのも盲点でした。
ついでに、このエリアは水洗トイレではないので、定期的な汲み取り依頼も必要になります(年に1、2度。一回10000円ほど)。
そして、往復の交通費。ガソリン代と高速道路料金。毎週末通っていると、これがチリツモで地味に効いてきます。
2.旅行先が限られる
現在、わが家の旅行はほぼ信州一択になっています。家から足を伸ばして、善光寺、軽井沢、小諸、松本、安曇野……。また山梨にも寄りやすいので、八ヶ岳を中心にあちこち出かけて、私と妻はそれで十分楽しめていたのですが、ある日息子が言ったのです。
「たまにはホテルに泊まりたい。沖縄とか、飛行機に乗って行きたい」
確かに、行く場所が限定されるのは、旅行好きの人にとっては寂しいかもしれません。たまにはホテルでの「上げ膳据え膳」旅行を求める気持ちも理解できます。
しかし、やっぱりゴン太と一緒にいたい……。
これまでは、家族3人で国内外の旅行に、年に2、3度出かけていました。そのつどゴン太をペットホテルや遠方の実家に預けるなどしてかかっていたコストも考え合わせると、別荘の維持費・交通費の方がトータルで安いかな、と私は思っています。
「もう今後の家族旅行は信州一択だよ」と息子に告げると、寂しそうな顔をしていました。しかし、そろそろ息子も家族との旅行よりも友達との旅行を好むお年ごろ。家族3人でのホテルステイは、しばらくなさそうです。信州以外は、それぞれ単体で楽しむこととして、この家で家族の思い出づくりにはげみたいと思っています。
3.将来の出口戦略を早めに考える必要がある
この夏は、庭にテーブルを出して何度もアペリティフを楽しみました。最高だなあ、とつぶやいていると、妻が言いました。
「あと何回くらい、こんなふうに夏が楽しめるのかな。30回くらい?」
エッ、あと30回しかないの!? 私はびっくりしました。確かに、30年経ったら私は85歳。生きていられるかどうかもわからない年齢です。運転をしてここまで自由に行き来できるのは、30年もないでしょう。75歳まで運転するとして、となれば、こんな夏も、あと20回しか楽しめないのか。いやはや、つくづく、人生は、あっという間です。
さらに、こうも考えました。処分についても、計画していかなければならない。
一軒でも整理をするのが大変なのに、自宅とセカンドハウス、2軒分のモノを、残された息子一人に託すのはしのびない。老後や相続を見据えて、今からきちんとしておかなければ……。いろんなモノを持ち込んでは楽しんでいる現在ですが、あまり増やしすぎてもいけないな、と自戒するのです。
楽しみも多い分だけ、後始末も多い。それが、二拠点生活です。ここは、残された家族に迷惑をかけないよう、きっちり計画的に采配しておく必要があると思っています。
モノも思い出もどっちも楽しめる、二拠点生活
これから二拠点生活を考えている方へ、アドバイスできることがあるとすれば、それは一言。「善は急げ!」です。
人それぞれ価値観は違いますが、私にとってセカンドハウスは、メリットの方が大きいと感じています。そして、願わくば、もっと早く持ちたかった! もし息子がもっと幼いころにこの家に出会っていたら、きっと、もっとたくさんの思い出を刻むことができただろうな、と思うのです。
残りの夏を数えてしまう年齢になった今、本当にセカンドハウスがほしいと思っている人には、すぐに動き出して、ぜひ思い出をたくさん作って!とお伝えしたい。
限られた人生の中で、何を大切にして生きていくか、そんなことを考えるきっかけをくれたこの家のご縁に感謝しながら、これからも二拠点生活をエンジョイしたいと思います。