春の終わりに、13年暮らした部屋から引っ越しました。これまでとの大きなちがいは、自分の部屋があること。こども中心だった今までの生活から一変して、自分のためだけの部屋づくりが始まりました。
母親業はほぼ卒業! ルームシェア気分で娘と暮らす
借りぐらしのつもりだった1Kの賃貸住宅に13年も暮らしたのは、居心地がよかったから。駅まで2分、近所にスーパーもコンビニもあり、管理会社のおじさんも親切。とはいえ、もっと広い部屋が必要だと考えていたところ、折よく(?)住んでいるマンションの取り壊しが決まり、引っ越しということになりました。
1Kから2LDKへの引っ越しで、使えるスペースは大幅にアップ! もちろんお家賃も上がるわけですが、そんな現実は後々で考えることにして、今は新しい部屋作りのわくわく感に身をゆだねるつもりです。
新しい部屋づくりのテーマは「ルームシェア」。前の部屋に暮らした13年の間に、小学生だった娘は今や大学生。成人を迎えました。
PTAと仕事・家事との両立に気を揉んだ日々も、今は昔。たまに食事を作る、学費を払うといった最低限のオシゴト以外は、母親業からは卒業したといっていいでしょう。大人になった娘と、再び自由な時間ができつつある母。共有スペースを心地よく整えつつ、それぞれの部屋は自分好みに仕上げるのが理想です。
さて、久しぶりの自由に心を躍らせつつ取り組んでいるのが、自分のスペースづくりです。
これまでの自分のスペースは、キッチンの片隅。フリーライターという職業上、仕事場は自宅。仕事を始めるときはまずはダイニングテーブルを片付け、ノートPCを広げていました。そして夕刻になると虚空に消える自分のスペース。1人になれる時間はせいぜいお風呂の中での読書タイムでした。
そんな生活からは一変して、新しいおウチには自分の部屋があるのです。子育ての神からのごほうび? いやいや、自立した大人はごほうびを自分で用意できるのだ、ワッハッハ! と、笑いが止まらない気持ちです。
とりあえず、で家具は買わない
誰にもジャマされずドラマをイッキ見したい。寝転がって心ゆくまで読書したい。やりたいことは山ほどあります。まずは、それを実現できる部屋が目標です。
問題は、この部屋には収納が少ないこと。一辺に天袋があるのみで、押し入れやクローゼットはありません。まずは家具でも買うかと通販サイトを見ていたところ、ふいに心にアリストテレス風の賢者が現れて言いました。
「落ち着け」
ハッ…! また過ちを繰り返すところだった!
過ちとは、「とりあえずで家具を買う」ということ。
これまで「これでいいや」と買った家具には、実に悩まされてきました。よさそうだと思っても使い勝手がイマイチだったり、ライフスタイルに合わなかったりして、貴重なスペースを圧迫したうえ、手放そうにも大きいし重いし、いちいち手間がかかります。
そんな過ちを繰り返さないため、「まずは家具を買わずに新しい部屋を整える」ということが、この部屋での最初のチャレンジになりました。
とはいえ、ダンボールだらけの部屋に暮らすわけにはいきません。心の賢者に相談し、購入したのはコチラのシリーズ。
HOUSTOでもたびたび登場する「無印良品」のトタンボックスです。ネットでまとめ買いをすると少々お買い得になるのも魅力。過去の仕事の資料や旅行の思い出の品、こまごまとした名もなきグッズたちは、ほぼすべてを6個のボックスに収納しました。
はっきり言って、段ボールの中身をトタンボックスに横移動しただけ。でも見た目はぐっと生活らしくなりました。いずれ家具を買ったら、ボックスごと棚に置くか、天袋に入れてしまえばいいのです。
マグネットが付くので郵便物やメモをキープする場所としても使えることは、うれしい誤算。今後は、過去に取材にお伺いしたひでまるさんのお宅のようにほっこりインダストリアルなお部屋をめざすつもりです。
収納家具がなくてもなんとかなる! いや、なんとかする!
さて、次の問題は衣類です。前述の通り、この部屋に収納はありません。洋服をどこに掛けるかは、もっとも頭を悩ませたところ。やはり簡易な洋服掛けを買うか…と、通販サイトを開いた私の心に、ふたたび賢者が現れました。
「頭を使え」
了解です! そして生み出したのがこちらの収納スペースです。
別の場所で使っていたリンゴ箱とワイン箱、板を組み合わせ、簡易的な洋服収納を作りました。幸いにも厚めの板なので、20着ほど掛けても今のところたわまず使えています。
靴下やベルトなどの小物類をとりあえず収納するのに使ったのは、ショップでもらった紙袋。
取っ手を切り、内側に2回ほど折り込んで、簡易収納ボックスをつくり、ポイポイとすべて入れました。軽くて移動が楽だし、使い終わったら束ねて資源回収の日に出してしまえば完了!「とりあえず」の収納に、紙袋は大活躍です。
冬服を出すまでに素敵な家具に出会えることを祈りつつ、今のところはこれでよしとします。
ダンボールをすべて開封し終え夕方。リビングから眺める「自分の部屋」は感慨もひとしおで、新しい生活に向けて無限のエネルギーがわいてくるような気持ちです。
ふと子育て期を振り返ると、仕事終わりに髪を振り乱して買い物に行き、夕方のテレビ番組の助けを借りて時短ごはんを仕上げ、夜は文庫本を手に取るも、あえなく寝落ち。娘とのおままごとに癒されつつも、時間を十分に割けないプチ罪悪感が生まれる日もありました。
もしかしたら私より若い”母”のみなさんは、そんな子育ての真っ最中ですよね。安心してください、終わりますよ!
そんな時代がうそのように自由になった今、自分への「お疲れさま会」のつもりで、新しい部屋づくりを楽しみたいと思います。