2023年に新居として中古マンションを購入し、ほぼ全面リノベをした編集部栗谷川の自宅。可動棚を至る所に取り付けたが、早くも不具合が…?取り付け直した経緯や方法をお伝えします。
狭いL字キッチンに取り付けた可動棚。痛恨の設計ミスで付け直しを決行!
半個室のこもれるL字型キッチン。
わが家のキッチンの形ですが、今はあまり流行らないキッチン設計なのだそう。
最近は、リビングに広く面したアイランドキッチンなど、居間との連続性があるキッチンが好まれているそうです。
築35年の中古マンションを購入する際、排水パイプなどの関係から、キッチンの構造は大きく変えられないことは聞いていました。
2畳ほどの小さな正方形で、L字のキッチンは確かに構造的には古い雰囲気がありますが「私の部屋」感もあり、大きな抵抗はなくそのままの形を引き継ぎました。
しかしこの半個室型キッチンは、収納を考えるとなかなか手強く、カップボードを置くことはおろか、冷蔵庫も幅60cmの小型がギリギリ置けるサイズ感だったのです。
食器収納、どうしよう…と考えると、やはり床面積を取らない可動棚一択!
キッチンでも可動棚を取り入れることにしました。
冷蔵庫の開きが設計ミスの原因…
冷蔵庫スペースはコンロ横に60cm幅でスペースがあったため、そこに設置することに。
シンクのすぐ背面にこちらもL字で可動棚を天井まで設置し、上部ギリギリまで収納として使えるように設計してもらいました。
可動棚下部はゴミ箱置きを置くスペースに。これで収納不足を解消できる!と思っていたのですが…
なんと、冷蔵庫の開き方向を確認するのを忘れていたのです。
冷蔵庫の開きは壁側からしか開くことができず、左右変更はできない仕様。可動棚の棚板と冷蔵庫の間に体をスッと入れて、小さく扉を開けてモノを取り出す…これを毎日することになってしまったのです。(ちなみに設計士さんには冷蔵庫の開きについてはお伝えしておらず、完全に私のイメージ不足でした)
現在娘は2歳。
冷蔵庫から牛乳を取り出し、バナナを取り出し、麦茶を取り出し…
開閉回数はかなり多い。
さらに夫は身長180cmを超える大型人間。彼が棚板と冷蔵庫の間に体を入れ込んで作業しているのを見ると申し訳なさも感じてきて、リノベを決意しました。
冷蔵庫と食器棚(可動棚)の位置をチェンジ!
新たな計画は、冷蔵庫を開けやすいように障害物のないシンク背面に冷蔵庫を設置、そこにあった可動棚を元々冷蔵庫のあった引っ込んだスペースに移動させるというもの。
ここで新たな問題が。
冷蔵庫を置くスペースには、可動棚を設置するための下地が仕込まれていなかったのです。こうなるともう自分たちではお手上げのため、マンションリノベをお願いした工務店に連絡し、施工をお願いすることに。
「設計士とは喧嘩しても、施工会社(工務店)とは喧嘩するな」。
家を建てた方がよく言うフレーズですが、こういう時に身に染みますね。
地元の工務店なので、電話一本で駆けつけてくれて、見積もりもスムーズ。信頼できる工務店があるという心強さを感じたのでした。
いざ施工!可動棚の設置工程ご紹介
依頼したのは、可動棚の取り外しと付け直し、下地の追加とその部分の壁紙貼りです。
では実際の工程をご紹介!
❶可動棚を外す
食器棚のモノや、冷蔵庫を移動させていざ、可動棚の取り外し作業から始まります。
棚板を外したら、棚柱もどんどん外してもらいます。棚柱は合計4本設置していました。
棚柱を取り外した後の壁紙の様子はこちら。多少壁紙に縦線が見えるように食い込んでいますが、そこまで大きく目立ちません。さらにここには冷蔵庫を設置するので、全く気にならなくなるでしょう。
❷冷蔵庫があった場所に下地を設置
ここで出てくるのが下地です。今回は、ベニヤ板と石膏ボードで下地を作ってもらいました。
ベニヤを壁に貼り付け、その上から石膏ボードを設置。
下地の完成です!ここに壁紙を貼ってもらいます。リノベをお願いした会社なので、周りの壁紙の型番もこちらから伝えなくても用意してもらえました。
こういう細かい部分が助かりますよね。長いお付き合い希望です。
❸いよいよ棚柱を設置
元冷蔵庫スペースの下地は完了、棚柱を設置してもらいます。
左右ギリギリに設置しているのがお分かりになりますでしょうか。
元々の棚板を今回は再利用するため、それに伴い棚柱の位置を決めてもらうのですが、なんと狙ったようにギリギリ設置できたのです。
棚板をはめたところがこちら。このギリギリ具合、伝わりますでしょうか…。
棚板が入らなかったら、棚板の注文から始めねばならず、金額もより多くかかっていたことでしょう。
私は計画性があるので、最初からこの場所に移動させるかも、という予感があってこの棚板サイズを選んでいた…ということはあるはずもなく、たまたまぴったりサイズなのでした。
可動棚を設置する際は、もしかしたら移動するかもしれない場所を見越して、最大公約数幅の棚板を選ぶとよいかもしれません。
ここまでギリギリだと、「棚板の位置が変えられる」という可動棚の利点も活きないほど棚板が取り外しづらくなります。
きっと自分ではできないだろうな…とそういう部分だけ見越して、工務店さんにベストな位置に調整してもらいました。
❹移動完成!食器を並べるお楽しみタイム
合計1時間ほどで移動が完了しました。工務店さんはやはり慣れていらっしゃって、作業がとてもスムーズ。ぼーっと見ているうちに完成していました。
ということで、食器を設置していきます。
こちらが天井近くの上段と中段。
一番上には使用頻度の低い、一人用鍋やグラタン皿を。おひつにはこどもの目に入れると欲しい欲しいが始まって大変なお菓子を隠しています。
中段には、使用頻度高めのアイテムを並べて。アクリルのコの字ラックで横の仕切りを作り、空間を使い切るようにしています。
対して手前のスペースにはギリギリにモノを置かず、パンなどを一時置きできるスペースとして活用する予定です。
胸元に近いゴールデンゾーンがこちら。
お茶碗類、カトラリー、コップなどよく動くモノを置いています。モノが動く場所なので、こちらも手前は余白スペースに。木工食器などを乾かしたい時に置くスペースとしても重宝しています。
最下部は棚板を入れずにゴミ箱スペースに。こちらも驚くほどピッタリです。私の計画性の賜物ではなく(以下略)。
完成後の感想としては、やはり可動棚は使いやすい!シンクで洗い物をした後、そのまま1アクションで食器がしまえるのは効率的です。
以前はシンク背面にあった食器棚、少し奥まったところに移動させたら使い勝手が悪くなるかな?と不安もありましたが、振り向いて1歩歩くだけなら難なく、さらにリビング側からは死角になる場所なので、ゴチャつきも隠せていいことだらけでした。
冷蔵庫の開閉もスムーズになり、食品ロスも減りそうです。
可動棚の移動にかかる金額は?
見積もり下見1時間+施工時間1時間、計2時間ほどで対応してもらった可動棚の移動ですが、実際にかかった金額もご紹介します。
<可動棚移動の金額>
・下地作り 35,000円
・下地クロス貼り 25,000円
・棚柱設置 25,000円
合計85,000円で付け替えをしてもらいました。
※都内23区工務店に依頼、また材料は既存利用の場合。
他にも、ドアの閉まりが悪いところや、エアコン周りの気になる箇所などもサービス工事していただき、家中のお困りごとがすっきり。
家を買うのも、リノベをするのも人生に一回!となぜか思い込んでいましたが、気になるところをちょこちょこ直して暮らすのも、持ち家の楽しみですよね。
これからも少しの不具合に目をつぶらず、心地よい暮らしを実践していきたいと思ったプチリフォームでした。