季節を問わず、部屋を彩ってくれるハンギンググリーン。あまり手がかからないものが多いのですが、真冬から春に移行するこの時期、放っておくと弱ってしまうことがあります。元気なグリーンと春を迎えるためのコツを、工房「グレナトレド」代表、グリーン・コーディネーターの新井奈緒子さんに伺います。
冬の終わりには、ハンギンググリーンを「観察」したい
吊るすだけで、部屋の雰囲気をパッと明るくしてくれるハンギンググリーン。置き場所を取らないので狭い部屋でも飾ることができ、またお手入れが簡単なのも魅力です。
ホヤやリプサリスなど、環境になじみやすく、長く楽しめるものが多いのも特徴です。
みなさんは、お迎えしたハンギンググリーンを、どれくらい「観察」していますか?
いったん吊るしたら、水やりはしていても、あまりじっくり見ることがなくなってしまうのではないでしょうか。
天井から吊るすと、床や棚に置いたグリーンよりも目が行き届かず、風景の一部と化してしまうことがあります。もちろん、元気な状態ならそれで大丈夫なのですが、比較的強いとされるハンギンググリーンにも、注意したい時期があります。
それが、これからやってくる春のはじまり。
「枯れてしまった」「痩せて黄色くなってしまった」というトラブルが多いのも、実はこの時期なのです。
ハンギンググリーンは、気温のデコボコが苦手。まさに注意な季節が今
暑さ、寒さに強いハンギンググリーンは、真冬や真夏の間は、安定しています。
しかし、寒暖差には意外と弱いのです。三寒四温、寒さと暖かさが交互にやってくる春のはじまりは、ハンギンググリーンにとって厳しい季節となります。
窓際に吊るしてあるグリーンは、この季節、寒暖差が大きくなるので、特に注意が必要です。日中の気温が高くなるなら、なるべく朝晩の寒さから守るために、カーテンなどで冷気を遮断したり、夜は窓から離れた場所に置き換えたりするといいでしょう。
また、紫外線の量も一気に増えるので、葉焼けが心配なグリーンは、半日陰に吊るすのもポイントです。
人間も、寒暖差があると風邪をひいたり、お肌の調子が悪くなったりしますよね。
植物も、私たちと同じ。そう考えると、わかりやすいかもしれません。
霧吹きはたっぷり。春の雨は最高の栄養分
真冬には欠かさなかった加湿器。日中暖かくなると、しまってしまう人も多いと思いますが、植物にとってはまだまだ乾燥する季節。冬よりも、霧吹きの量を増やしてあげてください。虫予防も兼ねて、毎日欠かさずやりましょう。
私はこの時期、かなり多めに霧吹きをします。目安でいうと、10プッシュくらい。
いつもペットボトルに水を入れ、液体肥料を加えて、常温にしたものをいつも使っています。
家具が濡れて気になる場合は、浴室などに移して行うといいでしょう。
また、春(と秋)の雨は、植物にとって最高の栄養です。
春分の日を超えたら、雨の日には積極的に外に出しましょう。
雨に当たったグリーンは、ふっくらとして、イキイキ蘇ります。
季節の変わり目を乗り越えると、ますます成長していくハンギンググリーン。
ぜひ、よく観察してみてください。新芽やつぼみなど、嬉しい発見があるかもしれません。