「防災備蓄」とは、災害時に⾃宅で避難⽣活をできるよう、⾷料や⽣活必需品を備えておくこと。「ウチには⾮常⽤持ち出し袋があるから⼤丈夫」と思うかもしれませんが、最近の実状を⾒ると、それでは少し⼼もとないようです。地震や台⾵などの⾃然災害、そしてコロナ禍を経験し、注⽬が⾼まる「防災備蓄」。 この連載では、家族の命と健康を守る「防災備蓄」の具体的なアイデアと収納術をお届けします。
コロナ禍に変わりゆく防災への意識
「マスクが買えない!」「スーパーの棚が空っぽ」というコロナ禍での物資不⾜は、つい先⽇、経験したばかりで記憶に新しいはず。災害でストップするのは、電気・ガス・⽔道といったライフラインだけではなく、お店に商品を運ぶ物流もストップします。
そして「災害時には避難所に⾏けばなんとかなる」という考えも、ちょっと危ういかもしれません。避難所や物資の配給をしてくれる⽅たちなども、同じ被災者。⽀援が始まるには時間がかかります。さらにコロナの感染対策で、避難所の収容⼈数も⼤幅に減っています。
家族もおウチも無事だった場合には、焦らずおウチで家族と過ごせるように、そして周囲の⽅と助け合えるように、⼗分に備えておきたいものです。
最低1 週間は⽣活できるように備えよう
それでは、どのぐらいの物資を備えておけばいいのでしょうか。 その⽬安は「1週間分」。2019 年の台⾵15 号の被害では、千葉県の停電の全⾯復旧には2週間かかりました。停電がおきると、マンションなどでは⽔も使えなくなることも。試しに家のブレーカーを落として1⽇過ごしてみると、停電の不便さを実感できますよ。
また、配給が始まっても、⼗分な物資をもらえるとは限りません。買い物を⼀切しなくても最低1周間は過ごせるように、備蓄しておくと安⼼です。
収納場所は探すのではなく作ること!
防災備蓄のためには、収納場所も必要ですよね。たとえば4 ⼈家族だと、1 週間の物資は押し⼊れ半間分にも届くそう。
ふだんから収納には苦労しているのに「そんな場所あるわけない!」と思う気持ち、よくわかります。でも防災備蓄は、家族の命を守るためのもの。まずは収納スペースからモノを出し、場所を作りましょう。その場に収納してあったモノは、家族の命より⼤事なモノではないはずです。
防災備蓄の準備は、⾃分にとって、家族にとって、本当に必要なモノや⼤切なモノを考え直すきっかけにもなります。明⽇からの暮らしを変える良い機会かもしれません。
さて、「防災備蓄品は1 週間分」とざっくりお伝えしましたが、何をどれぐらい⽤意すればいいのでしょうか? 次回は、必要な⽔や⾷料、意外な必需品まで、具体的にご紹介します。