注文住宅を建てたのは、ライフスタイル書籍などで幅広く執筆を行なっているライター・佐藤望美さん。整理収納のプロを多数取材するうち「本当に暮らしやすいおウチをつくりたい」と思うようになったそうです。特に収納にはこだわりがあり、可動棚「シューノ」を採用することに。注文住宅の計画から完成、実際の使い方までをありのままに語っていただきました。

佐藤望美

佐藤望美

ライフスタイル全般を手掛けるエディター・ライター。インテリア、整理収納、家事のコツ、ミニマリスト関連の書籍も数多く編集、執筆。トラベルエディターとして子連れ旅情報をまとめたWebマガジン「FOOTABY!」を運営中。

https://www.instagram.com/nozomi.at.work/

「シューノ」って?

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  • 壁面に取り付けられる可動式の棚。スペースや用途に応じてパーツを組み合わせて自由な場所に設置ができる。暮らしに合わせてレイアウト変更が可能。
  • もっと知りたい方はこちら
    https://uchishu.com/royal/

コロナ禍以前から温めていた注文住宅計画。土地探しに難航!

わが家は夫と私、こども2人(10歳と6歳)の4人家族。私が家を建てたい、とぼんやりと考え始めたのはもう4年ほど前。当時は3階建ての建売住宅に住んでいました。

以前住んでいた建売住宅のリビングの様子

ある有名一級建築士さんを取材したとき、「わが家は3階建てだから動線が不便なんです。リビングには収納もなくて……。」と世間話のつもりで話したところ、建築士さんからは「広さはどれぐらい? どういうところが不便なの?」と聞かれましたが、自分の家が何平米あるか答えられませんでした。こんなにいろいろ家まわりの取材をしているのに、自分が住む家についてはあまり深く考えたことがなかった。そのことに自分自身がショックを受けたのです。

「もしかして、この家は暮らしづらいのかもしれない。」

そう認識すると、何がどう不便なのか、何をどうしたいのかが少しずつ明確になってきました。

リビングには収納なし! ボックス型の収納棚を夫がDIY。こどものおもちゃや本を置いていました

当初は家具家電の配置を変えたり、ものを減らしたりして対処していましたが、3階建ての間取りそのものは変えられない。収納や周辺環境にも不便さを感じていたので、住み替えを検討し始めました。

洋室にある折れ戸のクローゼット。棚の位置が変えられる可動棚であるのはよいけれど、奥行きが約90cmと深すぎて使いづらかった……

土地の次に建築事務所探し。でも実は順番が逆の方がよかった?

まず最初の難関は、土地探し。私の場合は希望のエリアが決まっていたため、そこで気に入った土地が見つかるまでに3年もかかりました。コロナ禍の真っ最中で、土地の売買市場が停滞していた時期だったせいもあるかもしれません。

希望の土地が見つかって初めて、設計・施工業者探しをスタート。当時は何も知らず、建てる土地がないと依頼できないと思っていたからです。でも最終的に依頼した建築士事務所によると、実は土地より先に依頼先(設計・施工業者)を決めたほうがいいようです。

なぜなら建てたいおウチに合わせた土地探しを、建築士や工務店がサポートしてくれるケースが多いから。だいたいの建築費を先に見積もっておくことで、土地にかけられる上限額も想定できるというメリットもあります。

私の場合は土地購入が先だったため、住宅ローン借入額のうち建物にかけられる予算額も決まってしまい、実のところ設計・施工業者探しもかなり難航しました。

土地の契約と設計・施工業者を同時進行で探すのは体力的にも大変でした

これから注文住宅を建てたいと考えている人は、土地探しより先に依頼先(設計・施工業者)を選ぶことを強くおすすめします!

ちなみに建築士事務所や施工業者は、予算も大事ですがとにかく決め手は“人”と“感性”。

私は「自然と木の家 スミャスク」に依頼しました。便利な間取りではなく、そこに暮らす人の性格や考え方を反映した住宅を多数手がけています。

自然と木の家 スミヤスクのパンフレット。設計へのこだわりはもちろん、国産杉の無垢材、セルロールファイバー断熱材など自然素材を使うところもポイントでした

パンフレットを見て問い合わせ、実際に建築事例を見せていただきさらに納得。ハウスメーカーのフリープランは何かと制限があるし、耐震などの性能だけではない、暮らしやすさをもっと反映させたい。私はそう考えていたので、その思いに共感し理解してくれるプロと家づくりがしたいと思ったのです。

結果的に、これが大正解。後編では、建築士との打ち合わせや間取りの計画について書きたいと思います。

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