注文住宅を建てたのは、ライフスタイル書籍などで幅広く執筆を行なっているライター・佐藤望美さん。整理収納のプロを多数取材するうち「本当に暮らしやすいおウチをつくりたい」と思うようになったそうです。特に収納にはこだわりがあり、可動棚「シューノ」を採用することに。注文住宅の計画から完成、実際の使い方までをありのままに語っていただきました。 前回の記事はこちら
「シューノ」って?
- 壁面に取り付けられる可動式の棚。スペースや用途に応じてパーツを組み合わせて自由な場所に設置ができる。暮らしに合わせてレイアウト変更が可能。
- もっと知りたい方はこちら
https://uchishu.com/royal/
「リビングは○畳」という固定概念を取り払い、暮らしをベースに間取りを考える
土地と設計・施工業者が無事に決まり、いよいよ打ち合わせがスタート。打ち合わせ前に私がコツコツとやっていた作業は、「どんなふうに暮らしたいか」「家で何がしたいのか」「今の家でどんなことに不便に感じているのか」というような希望や不満を付せんに書き出すことです。
間取りの打ち合わせで出てくる希望といえば、一般的には「リビングは16畳欲しい」とか「ウッドデッキをつくりたい」とか「こども部屋は2つ必要」といった具体的なもの。でも私は「家族みんなで料理をしたい」「収納扉のすき間にホコリが溜まるのがストレス」など、間取りと関係なく、新しいおウチで実現したいこと、改善したいポイントをピックアップしていきました。家族も同じように付せんに書いてもらっています。
依頼した「自然と木の家 スミャスク」の担当建築士さんからも、設計のためのヒアリングシート記入をお願いされました。そこには家族全員分の1日のスケジュールや趣味、持ち物などを書くスペースが。形式は違えど、考え方は付せんとまったく同じ! 私たちのライフスタイルを土台とした、暮らしに寄り添う間取りを提案してくれそうだという期待でワクワクしていました。
私たち家族が書いた付せんの内容は、「廊下は不要。遊べるフリースペースにしたい」「開放感を感じられる家」「植物と暮らす」「いつか犬か猫を飼いたい」といったもの。間取りから入ると、ファーストプランからの修正はまるでパズルのように当てはめていくだけで、暮らしが抜け落ちてしまいがちです。でも、そのおウチで叶えたいことをベースに考えてみると、必要な間取りは自ずと決まり、何度も大掛かりな修正を加える必要はないと結果的に感じています。
現に、建築士さんが提案してくれたファーストプランから大幅に変更したのは水回りの位置だけ。キッチンや個室のある2階はほぼ最初の提案通りでした!
注文住宅は、あれこれ考えているうちに間取り迷子になってしまうという声をSNSでもよく見かけます。だからこそ、ぼんやりとした希望や暮らしのイメージを正確に汲み取って図面に落とし込んでくれる建築士を選ぶことがとても大切だと痛感しました。
次回は収納スペースの設計、考え方などについて詳しくご紹介します。