収納場所を考えるときは、そのモノをどこで使うかを考えて、その動線に合った「使うところに置く」のが鉄則。今回は「どこで使う?」に加えて「どう使う?」も意識してみましょう。
いちばん時間を過ごすダイニングには、ふだん使うモノをすべて収納
3人の娘と配偶者とともに、都内マンションで5人暮らしをされている、整理収納アドバイザーの岡本あつみさん。こどもたちの成長や家族のライフスタイルの変化に合わせて、柔軟にモノの置き場や配置を考え続ける暮らしをされています。
岡本さんがいちばん時間を過ごすのは、キッチンとダイニングをつなぐこのスペース。だから岡本さんの行動に必要なモノは、だいたいこの場所に収納されているのです。
たとえば、お子さんたちの書類作成にまつわる文房具などの細かいモノたち。リビングの収納棚などにまとめたくなりますが、使う場所のすぐ近くに収納場所を作っておけば、ささっと今いる場所で作業ができます。「どこで使う?」「どう使う?」を考えると、収納場所は意外なところがいちばんだったりするそうです。
「どこで使う?」を考えると、文房具の収納場所は意外にもココ!
細かい文房具類の収納場所はココ! 食器棚の引き出しにありました。ボールペン、テープのり、ハサミ、マスキングテープ、ホチキスなどケースで区分けして整然と見やすく収納されていました。
「学校への提出プリントなどは、ここでさっと書いたら作業終了です。何かを書くことって意外と多い家事ですし、そのたびにリビングまでペンを取りに行くのは効率が悪いですよね。だからここで作業が完了するように、書くことに必要なものはすべてここに集めています」(岡本さん)
あえてカテゴリーで収納場所を決めず「どこで使う?」を優先すれば、収納動線は省略できるんですね!
2段目の引き出しには、なんと大量の小銭。意外と多い突然の集金でもピッタリ用意できるそう。お金のやり取りに必ず必要な封筒も、その横に収納場所を確保されています。
「集金に関わる行動を考えると、お金を用意する、封筒に入れる、提出するまでがワンセット。すべての作業がここで完結するようにしています」(岡本さん)
立ったまま作業することが多いなら、引き出し収納がぴったり
「ここでどういう行動をするかと考えると、たいていの作業は立ったままです。だから、立ったまま上から見渡せる引き出しタイプの収納方法が、この場所には適しています。もし座って作業する場所なら、もっと低い棚やペン立てを使う方が、取り出しやすくて使いやすい収納と言えますよね」(岡本さん)
「どう使う?」を考えると、おのずと収納場所は決まる、と岡本さんは話します。ちなみに、冷蔵庫の横に子ども用の書類を掛けるスペースを作ってあるので、横に少し移動するだけで作業は完了! 徹底的に動線が省略されていました。
モノの居場所は「どう使う?」で決める
ほかにもダイニングに置いてある意外なモノは、長女のメイクグッズや勉強道具など。理由はやっぱり「ここで使うから」だそう。メイクグッズだから洗面所、勉強道具だからデスクなどとカテゴリーにとらわれるのではなく、使う場所に置くことで、片付けやすさは格段に上がるんですね。モノの置き場所に悩んだら「どこで使う?」「どう使う?」と、人の動線を考えてみましょう!
今回教えてもらったのは……
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岡本あつみ
整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト。都内の80平米のマンションに家族5人で暮らす。マクラメの講師としても活躍。