「どこで使う?」「どう使う?」と考えて動線を省略したあとは、居心地のよさもプラスしたいもの。今回は、片付く収納とインテリア性を両立し、ホッとくつろげるおウチをつくる“家具選び”のポイントも併せて伺いました。
食洗機がピーッと終了したら、0歩で食器収納が完了
3人の娘と配偶者とともに、都内マンションで5人暮らしをされている、整理収納アドバイザーの岡本あつみさん。こどもたちの成長や家族のライフスタイルの変化に合わせて、柔軟にモノの置き場や配置を考え続ける暮らしをされています。
こちらはキッチンの様子。シンクと棚を向かい合わせて設置してあり、見るからに動きやすそうなキッチンです。ここで注目したい動線の工夫は、食洗器と食器収納の関係。食洗器はシンクの下に、普段使いの食器は棚の引き出しに収納場所を確保し、すぐに片づけられる位置関係を確保しています。
簡単に片付く仕組みがあれば家事ストレスも軽減
食洗機を開けて、食器棚を引き出すと、こんなに近い! まさに0歩の距離関係です。
足は動かさず、体をちょっとひねるだけで、こんなにサッと食器が戻せるんです! これなら食後の片付けも憂鬱にならずに取り掛かれますね。
「食器も乾いてから戻すので、片付けも楽ですね。引き出しには和食器、洋食器でざっくり分けて収納し、数の上限などの厳密な決まりはとくにありません」(岡本さん)
0歩で食洗器から戻せる距離に加えて、好きな食器を入るだけ入れるという気負わない収納スタイルも見習いたいです。
ポイントは、見せてもOKな背面の美しい棚を選ぶこと
こちらが食器棚の裏側です。裏側を見せているのに、見た目がきれいです。
0歩で食器がしまえるように引き出しをキッチンに向けると、裏側はダイニングテーブルに向いています。つまり、リビングから家具の背面が丸見えになるということ。ここで背面が美しい家具を選ぶことで、動線0歩の収納にできるうえ、間仕切りとしても活用できるのです。
「見えている部分に置くモノはインテリア性重視で、『見た目7割』で選んでいます。たとえばレンジはバルミューダ。裏を見せて置くので、裏側まで気を配ったデザインのものを探すとこれしかなかったので、価格には目をつぶりました」(岡本さん)
ポイントは、「値段」と「場所」の優先順位を決めることだそう。
「逆に、見えない場所に置くモノは機能重視で、お金をかけずに便利さを優先します。たとえば引き出しの中の間仕切りには、安くて掃除もしやすいプラスチックを使いますし、メリハリですね」(岡本さん)
家具選びに迷ったときは、何を優先するかを考えてみれば、おのずと買うものは決まりそうですね。
メリハリの効いた部屋づくりは、設置のタイミングから始まる
インテリア性と使いやすい動線を両立させるには、家具選びがとても大切。家具を設置するタイミングから、収納動線を考えておくことがポイントなのですね。
「見えない部分は機能性を、見える部分は自分の感じる心地よさを重視すれば、メリハリの効いた部屋づくりができると思います」(岡本さん)
楽しく機能的なおウチをつくるには、どんな部屋をどう使いたいのか、家具を選ぶ前に具体的にイメージを膨らませましょう!
今回教えてもらったのは……
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岡本あつみ
整理収納アドバイザー、ルームスタイリスト。都内の80平米のマンションに家族5人で暮らす。マクラメの講師としても活躍。