整理収納コンサルタントの本多さおりさんが、収納に悩みを抱えるお宅に実際に訪問して問題を解決。今回アドバイスを受けるのは、こどものおもちゃ収納に悩む、4歳の娘Aちゃんのいる3人家族のSさん宅。愛情が一心に注がれる1人娘のAちゃんのおもちゃは増える一方。本多さんの実践テクニックで、S宅の収納がどう変わるのか? をリポートしたお片付けドキュメントです。第2回目は、前回のヒアリングを反映した絵本やおもちゃの「分類」方法をお届け。
住人プロフィール
・S家
・分譲マンション(2LDK) 東京都
・入居6年
・家族3人暮らし(4歳の娘さん)
・間取り
悩み
リビングは、両親や祖父母から贈られるおもちゃで、いつの間にか圧迫された状況に。ソファ裏に設置したキッズスペースから溢れたおもちゃでサッシの一部が塞がれ、ベランダにも出にくく、Aちゃんも取り出しにくそうにして、遊ばないおもちゃも多数。せっかく仕切ったキッズスペースが活かされず、おもちゃ置き場になっているのがSさんのお悩み。
前回ヒアリングのおさらい(前回記事はこちら)
改善ポイント1…こどもが普段どうやって遊んでいるかを撮影し、観察する
改善ポイント2…おもちゃは「1軍」だけを遊びやすい場所に配置
改善ポイント3…こどもの成長に合わせたインテリアの配置を考える
分類ステップ1:ものを取りやすくするための導線を考える
本だと分類しやすいので、さっそく絵本から手をつけましょう。絵本が大好きなAちゃんの本棚にはたくさんの本がありますが、実際はあまり手に取っていないとSさんにお聞きしました。レイアウトをみてみると、棚がキッズスペースに入って横向きで取り出しにくいことが理由になっていそうです。たとえば、ウォーキングクローゼットも同様で、サイドに置いたものは取りにくく、デッドスペースになりがちですよね。体の向きを変えて取るのは、案外おっくうなもの。このスペースに置くなら本棚は正面にして、Aちゃんが選びやすい工夫をしましょう。ただ、絵本を読むのは寝る前とのこと。置く場所も検討しつつ、今のままでは量が多く1軍が分からないので、まず仕分けから始めましょう。
分類ステップ2:絵本の用途や読む頻度、年齢別に1軍・2軍に仕分ける
本棚には今読んでいる本、赤ちゃん用の本、Aちゃんが成長してこれから読む本がごちゃ混ぜになっています。まず全部の本を取り出し、広い場所で仕分けましょう。その際、1軍と2軍の間にテープで線引きをしておくと整理がラクです。1軍は、お気に入り、お楽しみのワーク系、これから読む出番待ちのもの、に厳選。2軍は、ママの思い出が詰まった本、手放していい赤ちゃんの本など。全体のボリュームを減らし、1軍の定位置を決めれば、Aちゃんも読みたい絵本が自分で選べるようになります。
分類ステップ3:おもちゃも旬なものだけを1軍にして、定位置を決める
絵本の整理で流れをつかんだら、同様におもちゃの仕分け作業へ。まず、おもちゃを全て出してから、お子さんの遊び方を踏まえて分類を進めます。収納の目的は「使うため」であり、「どこに置いたら遊びやすく、片付けやすいか」がキーポイント。例えば、おままごとセット、お絵かきセットなど、遊びのテーマごとにおもちゃを分類し、よく遊ぶ1軍は取りやすい手前に、2軍は奥に置きましょう。仕分け作業は時間がかかりますが、これまで見えていなかったおもちゃの実態を把握すると気分もすっきりします。
アドバイス:トップ10が主役。仕分けに迷ったら、優先順位をつけてみる
Aちゃんがときめく旬のエリアをつくることが大切です。1軍、2軍のおもちゃの量を図にすると、お気に入りのトップ10が頂点のピラミッド形になるはず。ピラミッドの下位になったおもちゃは、ダルマ落としのようにスコンと外すイメージで手放しましょう。2軍のおもちゃをどこにしまえばいいか迷ったときは、置く場所にも優先順位をつけて定位置を決めていきます。もちろんトップ10のおもちゃも定期的に見直し、常に旬のメンバーに入れ替えることがも必要です。
次回予告
次回の実践編3回目は、1軍・2軍に仕分けたおもちゃを、それぞれの定位置に収納していきます。Aちゃんがワクワクするキッズスペースに生まれ変わるのか、お楽しみに。