整理収納コンサルタントの本多さおりさんが、収納に悩みを抱えるお宅に訪問して問題を解決! 今回アドバイスを受けるのは、小学生のおこさん2人がいらっしゃる4人家族のKさん宅。一見片付いて見えるお部屋ですが、「こどもたちが使ったモノを出しっぱなしで、なかなか片付けてくれない」というお悩みが…。本多さんの実践テクニックで、Kさん宅の収納がどう変わるのか? 小学生のおこさんを持つママたち必見です!

本多 さおり

本多 さおり

暮らしを愛する整理収納コンサルタント。雑誌やwebなどで暮らし重視のシンプルな収納術を提案している。『家事がとことんラクになる 暮らしやすい家づくり』(PHP 研究所)には物件探し&購入から家づくりの工夫まで紹介されている。また、新著書に『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)などがある。

http://hondasaori.com/

住人プロフィール

●K家
●一軒家(4LDK) 埼玉県
●居住5年
●家族4人暮らし(小学4年生の長男Hくん、小学1年生の長女Aちゃん)

お悩み:決まった置き場所があるのに、ランドセルはいつも玄関に放置。どうやったらスムーズに片付けてくれるの?

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「こどもたちに何度も『片付けて!』と言えば、最終的には片付けるんですけど、とにかく面倒くさがってモノを使ったら元に戻さないんです。次に使うときになってから、あちこち探してまた使う、みたいな。ランドセルも、玄関近くの和室に学用品ラックがあるのに、ずっと玄関に…。明日の準備をするときにやっと運んで支度が終わったらラックには置くんですけど、帰ったらすぐに玄関ではなく部屋に運び込んでほしいんです。」(Kさん)

本多さんアドバイス1:ランドセル収納の適材適所を見つけましょう

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おこさんがランドセルをすぐ片付けないのには、こどもなりの理由があるかもしれません。お母さんがランドセルの一時置きとして設置してあげたワゴンですが、実はランドセル置き場としてはあまり適していません。深さがあることで開け閉めしづらく、この上での作業がしにくいんです。便利そうだけど使い方によって片付けの障害になってしまう、「収納アイテムあるある」です(笑)。現在は上手に利用されていないようなので別の場所で活用しましょう。このタイプのワゴンは、「ポンっと置くだけ」というワンアクションの収納に適してますよ。

本多さんアドバイス2:玄関のなるべく近くにランドセル置き場を設置しましょう

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ワゴンを別の場所に移動し、学用品ラックをもう少し手前に引き寄せます。玄関からランドセル置き場までの距離が短くなるだけでもこどもたちの意識は変わります。今まで目隠しになっていたワゴンがなくなり、ラックが手前になると置き場がすぐ目に入ります。ここは、こどもたちだけのスペースですよ、と認識させるのがポイントです。

本多さんアドバイス3:今のこどもの身長に合わせた、ランドセルが置きやすい高さを指定席にしましょう

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今までは、ラックの天板上に置いていたランドセル。小学校1年生のAちゃんの身長だと、少し高い位置にあるので、本人とも相談して、無理のない高さに変更してみます。ランドセルは、Aちゃん的にはとても重たいので上に置くのは重労働だったのかもしれません。「重たくて置きにくいな」という意識が、「面倒くさい、あとでいっか」という行動に繋がることも…。リアルタイムなこどもの成長に合わせて、収納の高さも考えてあげましょう。

本多さんアドバイス4:収納場所は、おこさんと楽しく対話しながら一緒に考えていきましょう

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こどもと一緒に置き場を決めたら、可愛いマスキングテープで囲いをして、ランドセルのおうちを作るのも効果的です。今回は、Aちゃんがラベリングシールを自分の手で一生懸命に貼ってくれました。小学生になったら、自主性も育てていきたいもの。こども自身で選んだ方法を採用することで、収納に愛着がわいてきっと意識的にお片付けに取り組んでくれるはずです。収納場所や方法を決める時は、「こっちとあっち、どっちに置くのが良いと思う?」のように必ず本人も巻き込んで意見を取り入れましょう。

まとめ:ランドセルの指定席は、こどもたちの動線と成長に合わせた高さに設置することが大切

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手前のワゴンがなくなって玄関から学用品ラックまでの距離が短くなり、さらにこどもたちが使いやすい収納スペースが確立しました。兄妹の身長にあった高さにランドセル置き場を設置したので、ランドセルが載せやすく、動線もスムーズに。ラックのサイドには、新たに2人の帽子を掛けるフックも取り付けました。学校から帰ったら、まずはこちらにランドセルを置いて、宿題をしたり、次の日の学校の支度も早めにしてくれるようになるといいですね。

次回は「こどもが自分から片付けたくなる、学用品の収納スタイル」について考えます。どうぞお楽しみに。