可動棚を選ぶときに、棚柱や奥行きと並んで意外と見落とされがちなのが、棚板の「厚み」。厚みによって、耐荷重や棚板の安定感、そしてお部屋の印象まで変わってくるんです。今回は、棚板の厚みごとの違いと、用途に合わせた選び方のポイントを解説していきます。
そもそも可動棚って?
収納を考えていると必ず生まれるのが「この棚があと10cm高ければ……」という悩み。スパッと解決してくれるのは「可動棚」かもしれません!
可動棚とは、棚板を上下に自由に動かせる棚。壁に棚柱という支柱を固定し、そこに設置した棚受けに棚板を渡す仕組みです。棚柱にはいくつも棚受けの差し込み穴があるので、高さを好きなように変えられるのが魅力です。
扉のないオープン棚だから、扉を開ける幅が取れない狭小住宅でも大丈夫。見せる収納としてディスプレイも楽しめます。
棚板の厚みって、何種類あるの?
可動棚の棚板には、メーカーや商品によってさまざまな厚みのバリエーションがあります。一般的によく使われているのは、主に以下の2タイプ。
・通常タイプ:15〜20mm前後
・高耐荷重タイプ:30〜35mm前後
15〜20mm前後の棚板は、住まいのいろいろな収納場所で活躍するスタンダードなタイプ。
30〜35mm前後と厚みが増すと、ぐっと頑丈になり、重いモノも安心して載せられるようになります。
ほかに玄関の靴収納などで活躍する樹脂製の棚板も。素材が違うのでまた別の話になりますが、汚れに強くて水拭きできるのが特長です。
厚みが変わると、何が変わる?
棚板の厚みが違うと、主に以下の5つの点に影響します。
①耐荷重・たわみにくさ
もっとも大きな違いはここ。厚みが増すと棚板自体の強度が高まり、たわみにくくなります。下地のある場所に施工した場合の一般的な目安として、間口900mmの木棚板(15〜20mmの厚み)で1棚あたり25kg前後とされることが多く、30〜35mm厚の高耐荷重タイプではこれを上回る荷重に耐えられます。
「棚板が厚くなると棚板自体も重くなって、その分耐荷重が下がるのでは?」と気になる方もいるかもしれません。たしかに棚板そのものの重さは増えますが、高耐荷重タイプはそれを前提に、より頑丈な棚受(ブラケット)や棚柱と組み合わせて使う設計になっているので、トータルで見ると、より重いモノを安心して載せられる仕様になっています。
※耐荷重の具体的な数値はメーカーや商品、棚受(ブラケット)の種類、下地の状態によって大きく異なります。購入前に必ず、使用する製品の仕様を確認してください。
②見た目の印象
薄い棚板はスタイリッシュな印象で、インテリアを邪魔しない存在感が魅力です。対して厚い棚板はどっしりと重厚感のある印象に。家具のように、棚板をインテリアの主役に据えることも可能です。
③価格
厚みが増すと、一般的には棚板の価格も上がります。すべての段を厚くせず、必要な段だけ厚いタイプにする「使い分け」もコストを抑えるコツです。
④対応する棚受(ブラケット)の種類
厚みが変わると、棚板を支える棚受(ブラケット)の対応サイズや種類が変わることも。棚板の厚みに合った棚受(ブラケット)、それを支える棚柱(サポート)を選ぶ必要があるので注意!
⑤棚板そのものの重さ・動かしやすさ
厚みが増すと、棚板自体の重さもアップします。可動棚の魅力である「自由に高さを変えられる」「外して使い方を変えられる」という特長を活かしたい方にとっては、棚板の重さも考慮したいポイントになるはず。
「女性一人でもこまめに棚板を動かしたい」「ライフスタイルの変化に合わせて柔軟にレイアウトを変えたい」という場合は、軽量タイプの薄い棚板を選ぶのがおすすめ。どうしても厚みが必要なときも、できるだけ軽い木材を選ぶといった工夫で、扱いやすさはぐっと変わります。
用途別おすすめの厚みは?
「何を、どのくらい載せたいか」をイメージすることで、どのくらい厚みが必要かがわかります。棚板を選ぶ前に、シミュレーションしてみましょう!
軽いモノを中心に置くなら…15〜20mm前後
タオルや洗面まわりの小物、化粧品ボトル、軽い雑貨、季節の小型家電、見せる収納のディスプレイなど、1段あたりの重量が比較的軽いモノを置くなら、一般的な15〜20mm厚の棚板がおすすめ。住まいの大半の収納場所は、このスタンダードでまかなえます。
重いモノを載せるなら…30〜35mm前後の高耐荷重タイプ
瓶詰めの調味料、缶詰やペットボトルのストック、調理家電、しっかり中身の入った収納ボックスなどは、見た目以上に重量があるモノ。1段にまとめて置くなら、高耐荷重タイプを選ぶと安心です。書斎やパントリー、キッチンの家電収納などにおすすめ。
玄関の靴収納…樹脂棚板も選択肢に
玄関のシューズクローゼットなどでは、汚れに強い樹脂製の棚板も人気です。水拭きできてキレイをキープしやすいので、雨で濡れた靴を置きたいときにも便利。
クローゼットの衣類収納…15〜20mm前後でOK
たたんだ衣類や下着・靴下類を置くなら、15〜20mm前後で十分。衣装ボックスなどを置く場合も、中身の重量が分散されるので、極端に重くなることは少なめです。
厚みと一緒に押さえたい「間口」と「たわみ」の関係
棚板を選ぶときは、厚みと合わせて「間口(棚柱と棚柱の間の距離)」もチェックしておきたいポイントです。
同じ厚みの棚板でも、間口が広がるほどたわみが出やすくなります。
たとえば15〜20mm厚の木棚板を1.8mほどの長さで使う場合、中央部分がたわんで下がってきてしまう可能性が。広い間口で使うなら、棚板の厚みを上げるか、あるいは棚柱を中央付近にもう一本追加し、そこにも棚受(ブラケット)をつけて棚板を支える方法も有効です。
厚みを味方につけて、長く使える可動棚に
棚板の厚みは、見た目の印象だけでなく、安全性や使い勝手にも大きく関わる大切な要素。載せるモノの重さや量を具体的にイメージしながら、それぞれの場所にぴったりの厚みを選んでみてください。場所によって厚みを使い分けるという発想も、可動棚の魅力を最大限に引き出してくれますよ。