リノベーション会社を経営する社長が、信頼する自社の設計士とともにつくり上げた二軒目のリノベマンション。こだわったのは、都会の中心にありながら緑に囲まれたロケーションと、ムダを削ぎ落としたインテリアでした。まるでホテルのように美しい、憧れのリノベマンションをご紹介します。
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HOUSTO 編集部

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プロフィール

お名前:鰭沼 悟(えびぬま さとる)さん
所在地:東京都新宿区
家族構成:夫婦2人
建物:分譲マンション
延床面積:127.22㎡
間取り:4LDK→3LDK
構造:RC造
改修範囲:スケルトンリノベーション
完工時築年数:築34年をリノベして2022年5月に入居
設計:「ゼロリノベ」有友勇仁
https://www.zerorenovation.com

持たない暮らしが心地いい、ミニマルな収納計画

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前編でもご紹介したとおり、鰭沼さんにとってこの住居は、2軒目のリノベマンション。前の住まいでは「見せる収納」を実践していましたが、掃除のしやすさ、嗜好の変化などから、今回のリノベでは徹底的に「見せない収納」にこだわったそうです。

奥さまの書斎に繋がるこの空間は、夫妻の寝室。
ベッドはなく、眠るときには布団を敷いているそうです。

鰭沼さん「ベッドは、やはりどうしても下の部分にほこりが溜まりやすくなりますよね。自動掃除機が通るほど高さがあるベッドになると、存在感が増してしまいます。掃除のしやすさを考えたら、布団が一番と落ち着きました」。

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以前はバスルームがあった場所に、ウォークインクローゼットがつくられていました。手前が鰭沼さんのスペース、奥側は奥さまのスペース。 パッと見ただけでも、お二人のモノの少なさがわかります。

鰭沼さん「社会人になってから、特にモノを持たなくなりましたね。例えば、携帯電話を持つようになったら、腕時計もしなくなった。同じ機能を二重で持つ必要はないな、という考え方。身軽に生きたいんです。妻は私ほどモノを持たないわけではありませんが、インテリアの好みも同じですし、かなり近い嗜好の持ち主だと思います」。

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奥さまの書斎の収納スペースも、ご覧の通りスッキリ。
シンプルな大人夫婦の暮らし、素敵です。

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玄関前のクローゼットには可動棚を設置して、夫婦の靴、アウター、バッグなどをまとめて収納。

鰭沼さん「靴は二人とも好きなので、割と持っている方かもしれないですね。ただ、新しいモノを買うときは、スペースがなくならないように、持つ量を考えるようにはしています」。

造作の家具を駆使して、スペースを有効活用

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床から浮いたデザインのテレビボードは、設計士の有友さんのデザインです。
プロジェクターを利用する際は、天板を引き出すことができるようになっています。

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有友さん「念のために突っ張り棒をつけてありますが、引き出した天板部分はプロジェクターを置いても大丈夫な強度に作られています。床はいつでもモノがない状態なので、いつでも自動掃除機を動かすことができます」。

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キッチンも、見せない収納に統一されています。
家電も極力増やさず、ご飯も土鍋で炊くなど、収納におさまる調理器具で料理を楽しんでいるそう。

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リノベの達人からのアドバイス「コンセントは多い方がいい」

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仕事として関わりながら、自身も二度にわたるリノベマンションづくりを経験した鰭沼さんに、マンションをリノベするコツは何ですか? とお伺いすると、「コンセントは絶対多い方がいいです!」と即答されました。

鰭沼さん「どこに家電を置きたいのか、どこでスマホを充電したいのか。十分検討して準備をしても、暮らしてみないとわからないことって、意外とたくさんあるんです。だからこそ、コンセントはたくさん配しておいた方がいい。私も、たくさんつくったと思っていたのですが、『もっとたくさんコンセントがあればよかった』と今回も思っているんですよ(笑)。あとは、いかに掃除しやすいつくりにするかを考えておくことですね。はじめに『かっこいいな』と思うものを詰め込みすぎると、結局、こまめな掃除が必要だったり、労力がかかってしまう。そうなると、だんだんぞんざいになってしまって、はじめのオシャレさが保てなくなってしまうんです。特に、年齢を重ねてからの住まいづくりは、無理のない生活ができる空間づくりを考えることが大切だと思いますね」。

鰭沼さんのリビングには、いわゆるダイニングテーブルセットはありません。

鰭沼さん「自分たちの家族に合った、必要な家具だけがあればいい。絶対にダイニングテーブルが必要かといえば、そうではないと思うんですよね。私の家には、ゲストがきても5人くらいなものですから、ソファ前の小さなテーブルで事足ります。料理だって、たくさん置く必要はなくて、食べるものだけ、順に置けばいいと思うのです。その分、スペースは広々ととることができます。私はよくこのリビングでストレッチをしたりしています。目にうるさいモノがないので、とてもリラックスして毎日を過ごすことができます」。

「この家具がなければ」。ついそう思い込み、たくさんの家具やモノを集めてしまうもの。本当に必要かどうかを考えること。スペースをなるべく広めに取っておくこと。リノベの達人であるミニマリストのアドバイスは、とても深く心に響きました。

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