昭和40年代に建てられたレトロなメゾネットのマンション。もともとのユニークな造りは活かしつつ、風通しのいい空間を実現。3人家族がゆったり暮らす、スケルトンリノベの実例を取材しました。コスパ良く工夫された収納アイデアも必見です。 前編はこちら

HOUSTO 編集部

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プロフィール

お名前:西村一宏さん・智子さん
所在地:東京都目黒区
家族構成:夫婦+こども1人
建物:分譲マンション
延床面積:112.19㎡
間取り:3SLDK→2SL+DK
構造:RC 壁構造
改修範囲:スケルトンリノベーション
完成時築年数:築49年をリノベして2020年11月に入居
設計:西村一宏(本人)
https://www.zerorenovation.com

コスパの良い収納のつくり方

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築約50年のレトロなメゾネットマンションをスケルトンリノベした建築士の西村さん。スタイリッシュですが、どこか懐かしく、温かみのあるインテリアが素敵です。
後編では、プロのテクニックが光る収納のつくり方に注目していきましょう。

かつては家事室とキッチンの一部だった部分に、L字型の ウォークインクローゼットがつくられていました。建具はなく、カーテンで開閉します。

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カーテンを開けると、この通り。
衣類、季節用品、道具類などがわかりやすく整理されていました。

西村さん「扉をつくると、コストがかかることもあるんですが、カーテンにすれば、通気が良いんですよ。おすすめは、クローゼットの中で空気清浄機を使うこと。機能性の高いものなら、カビやこもった臭いをしっかり防ぐことができますから。そのためには、クローゼットの中に電気配線をあらかじめ用意することが大切です」。

なるほど、確かに! 空気清浄機はナイスアイデアです。
クローゼットの中には基本的にコンセントがないことが多いので、これから収納周りのリノベを考えている方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

造作に既製の収納アイテムを組み合わせて

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「キッチンの高さは、『無印良品』のプラスチックケースに合わせて調整しました」と西村さん。造作棚をメインにして、あまりつくりこまず、コスパ良く仕上げたそうです。

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西村さん「引き出しや扉は高くつくので、既製品を活用しました。既存品なら壊れたりしても、すぐに取り替えられるのが良いところです。コンロもそのまま設置して、下にはゴミ箱などを置けるようにしました」。

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2人とも食器が大好きだという西村さんご夫妻。新たに買うときには、よく話し合って決めているそう。
旅行先などで買い集めてくる食器類は、しまいこむと使わないので、なるべく目に触れる場所に置きたいと、造作の棚で「見せる収納」を実践しています。

西村さん「ふだんよく使う器だけを厳選。いつも目に触れて量が分かるので、増えすぎないようにしようと思うんです。どうしても他の食器類が欲しくなったら、何かを手放そうと決めています」。

工夫がいっぱい!ダイニングをもっと使いやすく

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ダイニングでは、来客がある場合など、用途に合わせてテーブルの位置を変えています。
テーブルに合わせて照明をセッティングできるよう、天井のライティングレールも多めに配してあります。

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テーブルの位置が変わるだけで、部屋の雰囲気はガラリと変わります。
壁側にはモルタル塗りのソファスペースが造作してありました。特注のクッションを外し、板を上げると、収納スペースが現れます。
出番の少ない食器や、お子さんの思い出の品などを入れているそう。

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西村さん「こういう収納は、できるだけこまめに中身を確認した方がいいと思いますね。わが家もつい入れっぱなしにしてしまいますが(笑)」。

広くなっても、モノの量は増やさない

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なるべくモノを持ちすぎない。これが西村家のルールです。

西村さん「前の家から比べて、倍のスペースへの引越しになりましたが、ソファ以外はあまり家具も増やしていないんですよ。その家族にとって暮らしに必要なモノは、狭いところでも広いところでも同じ。広くなったからといって、スペースを埋めるようにモノを増やすと、せっかくの空間がどんどん窮屈になってしまいます。生活の中で、こまめに持ち物の量を気にすること。本当に必要なモノかどうか、きちんと家族で話しあうことが、居心地のいいおウチづくりには欠かせないと思います」。

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剥き出しの壁がスタイリッシュ。キッチンの高さに合わせてグレーにペイントされていますが、ドアにも塗られているところがポイント。

仲良し家族が風通しよく暮らすメゾネットリノベには、たくさんのアイデアが散りばめられていました。

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