可動棚で気になるのが「どのくらい乗せていいのか」。そこで今回は、可動棚の「耐荷重」に注目。収納場所ごとにものの重さチェックして、何をどれだけ置けるか検証します!
そもそも可動棚って?
収納を考えていると必ず生まれるのが「この棚があと10cm高ければ……」という悩み。スパッと解決してくれるのは「可動棚」かもしれません!
可動棚とは、棚板を上下に自由に動かせる棚。壁に棚柱という支柱を固定し、そこに設置した棚受けに棚板を渡す仕組みです。棚柱にはいくつも棚受けの差し込み穴があるので、高さを好きなように変えられるのが魅力です。
扉のないオープン棚だから、扉を開ける幅が取れない狭小住宅でも大丈夫。見せる収納としてディスプレイも楽しめます。
可動棚の耐荷重ってどのくらい?
耐荷重とは「何kgまで耐えられるか」。可動棚の場合は「棚受け」と「棚板」それぞれに耐荷重があります。背面サポートと側面サポート、またメーカーによっても異なるので、商品ごとに確認しましょう。
背面サポートの場合
まずは背面サポートの代表的なブランド「シューノ」の耐荷重を見ていきましょう。重いものを想定した「シューノ32」、軽いものを想定した「シューノ19」がありますが、ここでは「シューノ 19」を例に挙げます。
ブラケット(棚受け)の耐荷重は、「シューノ19」を幅900mmで設置した場合、53kg。棚板とそこに置くものを合わせて53kgまで安全に支えられます。
次に棚板の耐荷重を見ると、幅900mm×奥行350mm×厚さ20mmの木棚板の耐荷重は30kg。1段に30kgのモノまでは、棚板もたわまずに置けるということです。
ただし、耐荷重の最大値まで置くよりも、20~25kgぐらいを心がけたほうが、より安全に安心して使えます。
側面サポート(2方受)の場合
側面サポートは、棚板の両端を支える「2方受」タイプが一般的。幅を900mmで設定した場合、幅900mm×奥行350mm×厚さ20mmの木棚板の使用を想定すると、1段に置けるものの重さの目安は、25kg前後になります。
耐荷重の数値は、安全に使うための目安。1段あたり25kgを越えないようにするのはもちろん、少し余裕がある状態を心がければ安心です。
1段に20〜25kgってどのくらいのものが乗せられる?
サイズや設置場所などで耐荷重は変わりますが、ここでは安全に使う目安として20~25㎏を想定し、具体的に何をどれぐらい乗せられるのか場所ごとにチェックしていきます!
キッチン使用の場合
家事を楽にする新しいキッチン家電は、スペースさえあれば積極的に使いたいもの。そんなとき、壁に設置できる可動棚なら調理スペースを確保しつつものの置き場を増やせます。キッチンの貴重な空間を有効活用できる可動棚ですが、気になるのは大きめの調理家電の重さです。
たとえばオーブンレンジは、4人家族なら最大サイズの30L前後のものを使っている人も多いのではないでしょうか。
30L前後のオーブンレンジは約17kg前後。一緒に置きたい炊飯器(5.5合炊き)は6kg前後で、合計で約23kg。つまり、大きな調理家電は1段に2つ程度という計算です。
これ以上乗せたいときは、もう1段追加したほうが良さそう。お気に入りのアイテムを飾るスペースも考え、余裕のあるキッチン空間をつくりましょう。
書斎や本棚として使用の場合
書斎として使うことを想定し、本のタイプ別に重さをチェックしてみます。
ハードカバーの単行本は、1冊450g前後。25㎏の耐荷重なら55冊も置けます。1冊の幅は2~3cm程度だと考えると、棚板の端から端までぎっしり並べても大丈夫ですね!
ちなみに25kgの耐荷重があれば、文庫本(1冊150g前後)は166冊、マンガ本(1冊180g前後)は138冊も乗せられる計算です。可動棚があれば、理想の本棚がつくれそうです。
洗面所で使用の場合
タオルや歯ブラシなど軽いものが多い洗面所なら、25kgの耐荷重があれば、重さを気にせず使えそうです。
念のため重さが気になるものをチェックしてみると、たとえばジャンボサイズの詰め替え洗剤(1.5kg前後)は16個前後、シャンプー詰め替え(450ml)は55個を一つの段にまとめて置いても大丈夫。これなら詰め替えもたっぷりストックできますね!
防災〜ローリングストックで使用の場合
災害に備えて常に一定量を家に備蓄する「ローリングストック」は「家族の人数×3日分」が基本です。代表格の水は、4人家族だと36Lが必要。2Lのペットボトルだと18本分になります。耐荷重25kgなら1段に12本までなので、数段を備蓄用に用意する必要があります。
ただ、オープン収納の可動棚なら、取り出すのも前後の入れ替えも簡単。使った分だけ新しく買い足す「ローリングストック」にもぴったりな収納方法ですね。
取り付ける際に重さを意識しながら収納計画を!
耐荷重と置くものの重さをきちんと把握すれば、なんとなく抱えていた不安は解消されます。メーカーや棚の幅、棚板の材質などで異なる耐荷重は、取り付ける際に改めて計算して確認しておきましょう。耐荷重を守っても、意外とたくさん収納できる可動棚。機能的で快適なお部屋づくりにきっと役立ちますよ!