いつ起きるか分からない地震。備蓄や非常持ち出し袋の準備はもちろん大切ですが、その前に見直したいのが「住まいそのもの」の安全性です。家具が倒れない、モノが落ちてこない、避難経路がふさがれないなど、対策を取れている家であれば、いざというときの被害を減らせます。9月1日の防災の日をきっかけに、今回は家づくりや家具・造作の工夫で防災に備えた実例を、HOUSTOの人気記事からご紹介します。
HOUSTOの人気記事でわかる!防災を考えた家・家具・造作の実例5選
目次
防災性が高い住まいの実例①|家を建てる段階から備える。耐震等級3の家づくり
料理研究家のツレヅレハナコさんが訪ねた、きいろまるさんの注文住宅。宮城県のご実家で東日本大震災を経験したことから、「万が一何かが起こっても家で過ごせるように」と、家の性能にとことんこだわってつくられた住まいです。
最高ランクの耐震等級3と長期優良住宅の認定を取得し、太陽光発電に蓄電池や、床下の飲料水貯留システム、雨水貯留タンクまで設置。
オール電化にもできるところを、リスク分散のため、あえて都市ガスも残しているそうです。
「家の構造は後から変えられないので、災害に負けない省エネ性能の高い家づくりをめざした」と語る、きいろまるさん。内装や家具は後から変えられるからこそ、変えられない土台に予算をかけるという備えの考え方が伝わる実例です。(取材当時:2024年3月31日)
防災性が高い住まいの実例②|リノベーションで、耐震から一度に整える
築40年の実家をリノベーションしたY邸。手がけたのは、既存の木造住宅を診断・改修する「住宅医」の資格を持ち、耐震改修を得意とする建築家・伊澤淳子さんです。昭和53年築の住まいは耐震性が十分とはいえず、構造をしっかり調査したうえで耐震補強を万全にするリノベーションを施しました。
耐震性を整えたうえで採光と動線を整え、使いやすい収納を組み込むなどの工夫も。収納家具はすべて大工さんによる造作で、かつて2台あった食器棚の代わりに天井までの造りつけ収納棚を設置しました。
ここにも防災の考えがあり、「倒れることがないので、地震の際も安心」と喜ばれたそうです。土台の耐震から日々の収納までを一度に整えられるのが、リノベーションの強みです。(取材当時:2019年3月21日)
防災性が高い住まいの実例③|可動棚やオープン棚には、プラスの防災アイテムで安全性を向上
扉のない可動棚やオープン棚は、ダイレクトにモノを置けてインテリア性が高い一方、地震のときにはモノが落ちやすいのが心配な点です。
可動棚の使い方を徹底的に考える連載(以下のリンク)では、落下や転倒を防ぐ具体的な工夫を紹介しています。基本は「落ちたら危ないモノは低い段に」。食器など割れて散らばるモノは奥行きのある棚板を選び、手前を空けておくと横揺れにも安心です。花瓶などは粘着素材の「ひっつき虫」などのアイテムで底を固定し、小型家電は「耐震ジェル」でしっかり固定。本は棚板の手前に「落下抑制テープ」を貼るだけで飛び出しを防げます。どれも手軽に取り入れられて、見た目のスッキリ感も損ないません。(取材当時:2024年11月29日)
防災性が高い住まいの実例④|寝室こそ安全に。倒れない・落ちてこない工夫
整理収納アドバイザーのFujinaoさんが寝室で一番気にするのは、「倒れてくる家具や、頭上に降ってくるモノがないか」ということ。眠っている間は無防備なだけに、まず安全な寝室をつくることを最優先しています。
寝室に置くのはベッドのみ。照明も落下の危険を考えて天井埋め込み式のLEDにし、本好きのパートナーのための本棚は、モノが飛び出さないよう扉つきで造作してもらったそうです。大きな家具は別の部屋へ移すか、しっかり固定して倒れないようにするなど、防災の工夫が満載です。(取材当時:2020年6月28日)
防災性が高い住まいの実例⑤|今ある家具の配置を見直す。耐震収納の基本
新築やリノベーションが難しくても、今ある家具の「置き方」を見直すだけで安全性は高められます。災害リスクアドバイザーの松島康生さんによると、地震でケガをした原因の約30〜50%が、家具類の転倒・落下・移動によるもの。
まず取り組みたいのは、家具の「安全な配置」です。出入り口の近くには倒れやすい家具を置かず、避難経路をふさがないなどの基本をはじめ、「窓際には重いモノや落下しやすいモノを置かない」「座る頻度の高い場所には背の低い家具を選ぶ」などの工夫は、賃貸でも今日から始められる、耐震収納の基本です。ぜひ以下の記事から、家具の配置方法をご覧ください(取材当時:2015年2月12日)