災害発生時の避難〜自宅避難生活を考えると、食品の備えはとても大切。一方で、何をどれくらい持っておくのがよいか、収納場所はどうするのかなど、疑問点も多いのでは。今回は過去のHOUSTOの記事の中で、防災を意識した食品ストック対策をご紹介します。具体的な備蓄方法を知って、防災備蓄から普段の食品ストックまで広く見直してみましょう。
『HOUSTO』の記事で学ぶ、防災を意識した食品ストック対策7つ
目次
- ・防災を意識した食品ストック対策①|まずは「一週間分」を目安に備蓄をする
- ・防災を意識した食品ストック対策②|献立を作って備蓄の必要量を測る
- ・防災を意識した食品ストック対策③|収納場所は取り出しやすく、使いやすい場所に
- ・防災を意識した食品ストック対策④|【実例】非常水や備蓄食料を上手に管理収納
- ・防災を意識した食品ストック対策⑤|【実例】普段の食品収納もローリングストックで防災備蓄に
- ・防災を意識した食品ストック対策⑥|【実例】食品ロスがなく、非常時にもストレスの少ない備蓄
- ・防災を意識した食品ストック対策⑦|【実例】『フェーズフリー』の考え方で住まいづくりから防災備蓄を考える
- ・防災を意識した食品ストック対策のおさらい
防災を意識した食品ストック対策①|まずは「一週間分」を目安に備蓄をする
地震や台風などの災害でストップするのは、電気・ガス・水道といったライフラインだけでなく、お店に商品を運ぶ物流も同じです。また公的避難所に避難した場合も、支援が始まるのに時間がかかったり、物資の数が限られていたりと少し心許ないもの。
家族もおウチも無事だった場合には、自宅にとどまって避難生活をする「自宅避難」も選択できます。焦らずおウチで家族と過ごせるように、そして周囲の方と助け合えるように十分に備蓄をしておきましょう。
物資の備えの目安は「一週間分」。買い物を一切しなくても、最低一週間は過ごせるように水や食料を備蓄しておくと安心です。
防災を意識した食品ストック対策②|献立を作って備蓄の必要量を測る
「一週間分」が目安の備蓄、具体的に食料や水の量はどれくらい必要でしょうか。
準備のコツは給食のように一週間分の献立を作ってみる事。
1人1日3食×7日=21食分、これを家族の人数分、非常食や缶詰などを適宜組み合わせて用意します。
水の量は、飲み水だけでなく料理にも使う場合は、1人1日3リットル必要です。
夏場は熱中症対策のドリンク、塩飴なども用意しておきましょう。持病がある人は処方箋のコピー、アレルギー対応の食品が必要な場合は簡単に手に入らなくなることも多いので、1〜2ヶ月分を備蓄しておくと良いでしょう。
防災を意識した食品ストック対策③|収納場所は取り出しやすく、使いやすい場所に
備蓄する物と量がわかったら、以下のポイントで備蓄収納を見直してみましょう。
・手に取りやすい場所に置く
いざという時、備蓄品が奥まった場所に置いてあると、取り出すだけで一苦労です。すぐにでも手に取りやすい場所に収納することを前提にしましょう。
・大型家具の近くを避ける
大きな家具が倒れて備蓄収納場所の扉を塞いでしまわないように、家具の転倒防止バーなどで固定しておくことも大切です。
・頭より下の位置に置く
高いところに備蓄品を収納すると、取り出す時に水や缶詰など重い物が落ちてケガをする場合もあります。できるだけ低い場所に収納すると安全な上、こどもやお年寄りにも手が届きやすいですね。
・ボックスにまとめる
地震の揺れでは家のあらゆるものが散乱します。備蓄品の飛散防止のために、食料などの細かいものは収納ボックスにまとめるとよいでしょう。
防災を意識した食品ストック対策④|【実例】非常水や備蓄食料を上手に管理収納
整理収納アドバイザーで防災収納のスペシャリスト、misaさんのおウチで実践されている、非常水や食料備蓄の収納実例がこちら。
非常水は長期保存水ではなく、飲みなれた水を押し入れスペースに備蓄。手前の収納ケースは簡単に引き出せるようにキャスターが取り付けられ、管理しやすいようになっています。
基本的には水も食料も、賞味期限が近いものから消費して、その分を都度買い足す”ローリングストック” (非常時に備えて、少し多めの食料を備えておき、定期的に消費・補充することで、非常食が賞味期限切れとなるのを防ぐ方式)が効率的です。
防災を意識した食品ストック対策⑤|【実例】普段の食品収納もローリングストックで防災備蓄に
防災備蓄も兼ねてローリングストック方式をとっているFujinaoさんの収納実例。
食品を立て、重なりを防いで収納することで食べ忘れがなく、上からパッと見ただけで全ての食品を見渡すことができます。賞味期限切れを防ぎながら、生活の中でも防災に役立つ食品備蓄の工夫ですね。
防災を意識した食品ストック対策⑥|【実例】食品ロスがなく、非常時にもストレスの少ない備蓄
「無印良品」の頑丈収納ボックスに、食料品やお菓子をまとめて入れているkonbuさん。
非常食を準備するのではなく、普段食べているものをローリングストックしているそうです。食べ慣れているものだと、非常時のストレスも少なく避難生活ができそうです。
猫を飼っているため、キャットフードも一袋入れられています。ペットのいる家庭では、ペット用の食料も忘れず備えることも大切ですね。
防災を意識した食品ストック対策⑦|【実例】『フェーズフリー』の考え方で住まいづくりから防災備蓄を考える
NPO法人「フェーズフリー建築協会」に所属し、フェーズフリー住宅の普及に取り組んでいる松山さんの食品ストック棚。
「フェーズフリー」とは、平常時・災害時という2つのフェーズ(社会の状態)にかかわらず、常に適切な生活の質を確保しようとする新しい考え方(NPO法人フェーズフリー建築協会HPより抜粋)のことです。
住宅設計の際に、地震が起きても倒れづらい造作収納を取り入れ、また食品備蓄もローリングストックで水や食料など好みのものを、日常的にストックしつつ使い続けます。防災の用意を組み込んだ、日常的な備蓄収納のスタイル。おウチを建てる際には、防災備蓄を無理なく実施する設計を取り入れてもよいかもしれません。
防災を意識した食品ストック対策のおさらい
非常水や食品の備蓄は、必要な量や収納場所を知るほか、管理の工夫も大切です。暮らしの中でも防災を意識した備蓄方法で、自然と災害に備えられるような食品ストックを実践してみましょう。